2011年3月15日火曜日

福島原発160人被ばくの可能性…8万人避難

福島原発160人被ばくの可能性…8万人避難
東日本大震災
東日本大震災 田村市から見た福島第1
福島県田村市から見た、東京電力福島第1原子力発電所。左端は原子炉建屋が損傷した1号機。左から3機目は新たに注水作業を開始した3号機
Photo By 共同 
 東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第1原発で、1号機の爆発事故から一夜明けた13日、3号機でもトラブルが発生した。宮城県の女川原発では放射線量が急上昇、約120キロ離れた福島原発から放出された放射性物質の影響とみられる。第1原発の3キロ圏内から避難した19人の被ばくが新たに確認され、半径20キロ圏内の住民8万人は避難を余儀なくされた。

 福島第1原発(福島県大熊町)の半径10キロ圏内に残っていた114人と、20キロ圏内で避難対象になった約8万人は13日に避難を開始した。

 大熊町の避難所から、さらに田村市の船引小学校に避難してきた町の男性職員は「これからいつ、どうなるのか」と不安をもらした。最初の避難から3日目を迎え、体調を崩す住民もおり「病院の情報や薬が欲しいという相談がある」という。

 三春町の体育館に避難した富岡町の会社員福田一三さん(63)は避難指示の出た12日朝、10分の違いで妻や子供らと別の避難所に運ばれた。連絡も絶え、福田さんは「無事だろうか」と案じた。浪江町の住民約500人は自家用車やバスを使い段階的に約30キロ離れた川俣町の川俣南小学校に避難。インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」には不安やいら立ちがつづられ、南相馬市の女性は13日朝、「車がない私は避難する方法がない」と書き込んだ。

 一方、受け入れる自治体側も苦悩。三春町では、公共施設や小中学校の体育館など9カ所に避難所を設けたが、12日夜の段階で避難住民が約1800人になり、町の担当者は「もういっぱいで、これ以上受け入れられない」と話した。要望に応えて被ばくの有無を検査するところがある一方、遠方の町では「原子力に関する知識が乏しいし(避難民が)どんどん来たらどうなるのか」と心配する声も上がった。

 福島県は第1原発の3キロ圏内から避難した19人の被ばくを新たに確認したと発表。被ばく確認は12日に発表した3人と合わせて22人となった。経済産業省原子力安全・保安院のまとめでは、住民ら約160人に被ばくの可能性があるという。

 また、新潟県は、福島原発周辺の放射線モニタリング業務支援のため福島県に派遣した職員2人が被ばくしたと発表。2人は12日午後、放射線測定機を設置するため福島原発に近い福島県原子力センターに向かっていた。
Yahoo!ブックマークに登録 [ 2011年3月14日 06:00 ]

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