1.テロ防止関連条約と核テロ防止条約 「放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律案」(以下「本法律案」という。)は、平成17年4月に、国連総会において採択された「核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約」(以下「核テロ防止条約」という。)の適確な実施を確保するため、政府より今国会に提出されたものである(日本は、同年9月に署名)。 核テロ防止条約の目的は、放射性物質又は核爆発装置等を所持、使用する行為等を犯罪とし、その犯人の処罰、引渡し等について定めることとされており、テロ防止に関する国際条約のうち、平成13年に米国で発生した9.11テロ以降、初めて採択された条約である。22か国の批准により発効するが、100か国以上の署名があるものの、まだ14か国の批准に留まっている(平成19年3月1日現在)。 核テロ防止条約は、平成8年に国連総会で採択された「国際テロリズム廃絶措置」決議を契機として、ロシアの提唱により、平成9年2月から、国連総会の下に設置された国際テロ撲滅アド・ホック委員会において交渉が開始された。同条約の起草は、平成10年にロシアが提案した草案を基礎として行われたが、関係国の利害対立(パキスタンとインド、イランと米国、等)により調整は難航し、9.11 テロの発生等を受け、ようやく妥結に至った1。 平成 18 年7月のG8首脳会議では、世界各国に対し核テロ防止条約の批准を求め、平成19年のドイツでのサミットにおいて「我々の取組の成果を報告する」とした「テロ対策に関するG8首脳宣言」と「国連のテロ対策プログラムの強化に関するG8声明」が示されている。 2.本法律案の概要 (1)処罰される行為 核テロ防止条約は、死又は身体の重大な傷害、財産の実質的な損害等を引き起こす意図での放射性物質等の所持・使用や核施設の使用・損壊と放射線の発散等による脅迫を犯罪としている。 我が国における放射性物質の管理と放射線の発散についての規制は、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(以下「原子炉等規制法」という。)と「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」(以下「放射線障害防止法」という。)により行われている。これらは主に、原子力発電や放射線を用いる事業に携わ
立法と調査 2007.4 No.266 31る者に対する使用の許可や届出等の義務を定めたものであり、悪意を持って放射性物質を使おうとする者の存在を前提としたものではない。しかし、両法においても、核物質防護条約及び爆弾テロ防止条約を担保する国内法として、正当な理由なく、原子核分裂の連鎖反応(核爆発)、核燃料物質による汚染物の取扱い、放射性同位元素を装備する機器等の操作、その他不当な方法により放射線を発散(方法のいかんを問わず外部に拡散)させ、人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者に対しては、10年以下の懲役に処することが定められており、未遂も処罰の対象とされている。 本法律案では、両法におけるこれらの規定を集約するとともに、これらの行為の予備(準備)行為、危険を生じさせる目的での放射線を発散させる装置の製造及び所持、放射性物質の所持についての未遂行為、放射性物質を用いた脅迫、強要も処罰の対象としている。量刑も上限で無期懲役とされている。 放射線発散防止法案により処罰される行為 (1)核燃料物質の原子核分裂の連鎖反応(核爆発)により、人の生命、身体又は財産に危険を生じさせること (2)放射線を発散させて、人の生命、身体又は財産に危険を生じさせること(→(1)(2)の法定刑の上限を10年から無期懲役に引上げ) (3)(1)(2)の行為の予備(準備)行為 (4)(1)(2)の行為の目的での放射線を発散する装置等の製造及び所持、放射性物質の所持 (5)(1)(2)(4)の未遂行為 (6)その他(放射性物質を用いた脅迫、強要) (7)(1)~(6)の国外犯 (出所)文部科学省資料 (2)規制と罰則の在り方本法律案と類似の枠組みを持つ法律として、サリン等による人身被害の防止に関する法律(以下「サリン等防止法」という。)がある。以下、参考のため、規制と罰則の在り方を比較してみる。 ア 規制対象物質 本法律案では、放射性物質や「原子核分裂等装置」(核燃料物質の臨界を起こさせる装置、放射性物質の放射線を発散させる装置、加速器(高エネルギー放射線発生装置))を用い、人の生命、身体又は財産に危険を生じさせる目的があれば、処罰の対象としている。放射線の強さについては、電子線及びX線についてのみ強度の下限が記されており(原子力基本法により政令で定める放射線の定義による)、医療用の一般的なレントゲン装置の発するX線は、そのエネルギーが規制対象値以下となっている。 一方、サリン等防止法では、サリンに準ずる毒性の強さ、発散時の危険度(物質の機能的側面)等により対象物質を政令によって定めることとしている。 イ 量刑 本法律案では、「放射性物質をみだりに取り扱うこと、・・・その他不当な方法で、・・・人立法と調査 2007.4 No.266 32の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者は、無期又は2年以上の懲役に処する」とされており、人の死傷の結果については、刑法の殺人罪によって更に重く処罰されることとなる。 一方、サリン等防止法では、「サリン等を発散させて公共の危険を生じさせた者............は、無期又は2年以上の懲役に処する」とされ、「人里はなれた山中で空中散布した場合、船舶等で人がいない海に行き海中に放流した場合は一般的に言うと公共の危険を生じさせたとは言えない」とされる2。 放射線もサリン同様、発散された量や発散時の周囲の状況により「危険度」が大きく変わる。「危険度」と量刑の関係、抑止力としての量刑の妥当性等が問われることとなろう。なお、放射線発散の予備罪は、サリン発散の予備罪と同じ5年以下の懲役だが、殺人予備罪は2年以下の懲役となっている。これは、殺人予備罪が個人の生命を保護法益とするのに対し、サリン発散は、公共の安全に与える影響が非常に大きく、その予備についても危険性が高い場合が少なくないと考えられたためとされる3。 ウ 輸出入、流通 サリン等防止法については、目的を問わず、輸入、譲り渡し及び譲り受けとその予備行為も禁止されているが、本法案では、対象となっていない。 核燃料物質及び核原料物質の輸出入及び流通は、原子力基本法、原子炉等規制法及び輸出貿易管理令等により規制されている。特に核燃料物質については、指定、許可等を受けた者の間以外では譲受渡ができないこととし、その流通の範囲を限定している。 放射性同位元素については、放射線障害防止法により、使用について許可制、販売については届出制を採っている。輸出入については、国際原子力機関(IAEA)が、「放射線源の輸出入ガイダンス(2004 年9月)」により規制対象を定めている。人体に与える危険性を考慮し、カテゴリー1~5までに分類し、各カテゴリーに該当する核種、数量、機器名称が示されている。この中で、放射線源の輸出入ガイダンスは、カテゴリー1(遮へいなく近づいた場合、数分から1時間で死に至るもの)、カテゴリー2(遮へいなく近づいた場合、数時間から数日で死に至るもの)を対象としている。 我が国においても、ガイダンスに合わせ、人体に与える危険性が高い放射性同位元素の輸出については承認制としている(輸出貿易管理令)。輸入については、所定の資格用件を証する書類を税関に提出することが義務づけられている(輸入貿易管理令)。エ 脅迫・強要 原子炉等規制法では、特定核燃料物質(高濃縮の核燃料物質。核兵器への転用可能性が高い)を用いて、ア)人身及び財産に害を加えることを告知して脅迫すること、イ)窃取、強取することを告知して脅迫・強要することが処罰対象とされている。 本法律案にこの規定が移されるとともに、ア)について、放射性同位元素や加速器等による危害が加えられた。 立法と調査 2007.4 No.266 333.原子力防護への取組 (1)核物質及び放射性同位元素の防護核燃料物質の盗取等の不法な移転や、原子力施設等への妨害破壊行為を防止することは「核物質防護」と定義されてきたが、これまで「放射性同位元素の防護」を直接定義したものはなかった。IAEAによる放射線源の安全とセキュリティに関する行動規範では、その目的と範囲について「放射線源へ許可なく近寄ること、破壊活動、紛失、盗取及び許可のない移動を防ぎ、被ばく事故の可能性や、人・社会・環境に対して影響を与える放射線源の悪意ある使用を減らすとともに、放射線に関連する事故、悪意ある行動による被ばくによる影響の減少を成し遂げること」、「人、社会、環境に対し、重大な影響を及ぼすおそれのあるすべての密封線源に適用する」、「研究炉及び発電炉等で使用される核燃料物質は含まない」とされている4。 核物質防護については、IAEA等による枠組みの中で厳格な取組がなされてきたが、国際テロの脅威の高まりにつれ、核物質以外の放射性同位元素を用いる「汚い爆弾」(ダーティボム:セシウム・コバルト等の放射線源を通常の爆弾に混ぜて爆発させるRadioactivity Dispersal Device(RDD))への対策強化が求められている5。 内閣府の原子力委員会は、テロ対策の国際動向等を踏まえ、核物質等や関連施設の特性を踏まえた合理的、効果的な防護の在り方について基本的な考え方を調査審議するため、平成18年12月、原子力防護専門部会を設置した。そこでは核物質防護と核物質以外の放射性物質の防護を総称し、「原子力防護」と呼んでいる。 (2)放射性廃棄物の防護 核燃料の再処理の過程で生まれる高レベル放射性廃棄物は、核兵器に転用可能な物質がほとんど含まれておらず、ガラス固化体(放射能の高い廃液を、ガラス原料とともに溶かしてゆっくり固化したもの)となっていることから、その特性から特定核燃料物質(プルトニウム等)を抽出することが極めて困難とされ、盗取の脅威は極めて低いとして、核物質防護規定6による盗難防止等の対象とされていない。本年1月、経済産業省総合資源エネルギー調査会原子力防災小委員会は、今後の放射性廃棄物の核物質防護規制については、従来の盗取の脅威に加え、妨害破壊行為の脅威も重視すべきであるとの中間報告書「放射性廃棄物の埋設事業に係る核物質防護の在り方について」をまとめた。これを受け政府は、ガラス固化体や長半減期低発熱放射性廃棄物を核物質防護の規制対象とするため原子炉等規制法を改正する意向とされ7、原子力防護専門部会においても検討がなされている。なお、低レベル放射性廃棄物については、放射能濃度が極めて低いことから核物質防護の対象とはされていない。(3)放射性同位元素の防護 放射性同位元素については、安全管理の観点から、室に人がみだりに入ることを防止するためのインターロック(安全装置)を設けること等が放射線障害防止法施行規則に定められているが、防犯の観点から原子炉施設等ほどの厳しい防護管理は行われていない。これは、核分裂を起こし得る核物質に比べ、放射性同位元素を使った大規模な放射線の発散を行うことが難しく、多くの人命や財産を一度に危険にさらす危険性が低いこと、放射性立法と調査 2007.4 No.266 34同位元素は、日常生活の様々な場面で使われており、放射線障害防止法による規制対象事業者も多く(国内に約4,600事業所)、厳格な管理体制を網羅的に構築することは、難しいこと等が背景にある。 しかし、テロの脅威の高まりに応じ、平成 15 年、放射性同位元素のセキュリティについて、IAEAが行動規範を策定するなど、具体的な対応が求められており、特に放射能の大きい線源について、線源の防護の仕組みや登録管理システムを構築することなど新たな取組が必要となっている8。 今後、事態の変化に応じ、様々な場合を想定した対テロ予防措置が新たに講じられることも予想されるが、対テロの「網」をどこまで広げるべきか、現実的な危険性の判断と費用対効果も論点となろう。 *核物質防護の国際ガイドラインは、核兵器への転用可能性に応じて管理し、放射性同位元素の防護は、人体への影響が大きいものほど厳しく管理することとされている。日本ではどのような考え方を採るのか、核テロ対策を講ずる際の検討事項とされている9。また、こうした問題は、防犯上の観点から一般向けに詳細な情報開示ができず、必要な原子力防護措置とは何かについて開かれた議論ができないもどかしさも指摘されている10。1 森秀勲「大量破壊兵器テロを防止するための国際的なルール作りの動き」『立法と調査』251号(平17.11) 2 第132回国会参議院地方行政委員会会議録第11号7頁(平7.4.19) 3 第132回国会衆議院地方行政委員会議録第14号6頁(平7.4.19) 4 内閣府原子力政策担当室「原子力防護に関する経緯と現状」原子力委員会原子力防護専門部会(準備会合)配付資料(平18.12.27) 5 独立行政法人科学技術振興機構「原子力百科事典ATOMICA」(http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/08010321_1.html)、斉藤卓也「放射性物質飛散爆弾(ダーティーボム)の脅威と国際的な放射線源のセキュリティ対策」『保健物理』第39巻2号(2004.6)79頁 ダーティーボムの放射性物質それ自体は、連鎖反応は起きず、爆発性はない。核爆発による直接かつ強力な殺傷能力とは異なるが、ダイナマイトなどの爆発物と一緒に爆発させることで放射性物質をばらまく。放射性物質の拡散とそれに伴う被爆による人身と環境の被害、一定区域が放射性物質により汚染されることによる長期にわたる立入り禁止措置と汚染物質の除去等に伴う経済的被害、放射線に対する住民の恐怖心の惹起による社会的混乱及びこれらを前提とした脅迫の恐れがある。通常の原子爆弾に比べると、ダーティーボムの人体への影響は非常に小さい。 6 「国際テロ集団が核兵器製造のため核物質を盗取し、あるいは精神異常者が核物質を持ち出し、または施設を破壊して社会的不安を引き起こすことの危険に対して、施設あるいは核物質の輸送時の防護のための必要な措置」(財団法人日本原子力文化振興財団『核燃料と原子炉材料』(平8.3)139頁)。原子炉等規制法により、事業者に義務付けられている。 7 東奥日報(平19.1.18) 8 文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全課「原子力施設における安全規制の現状と取組」『文部科学時報』(平19.1)47頁。「放射線源に関する情報の多くは日本アイソトープ協会により把握可能となっているものの、同協会から供給された放射線源を小分販売した場合、直接輸入、放射線源交換時における放射線源に関する情報把握は難しい。放射線源の供給・返却(譲受・譲渡)に係る放射線源の移動を放射線源登録により確認することができ、放射線源の取扱に係る許可を持たない者が所持することを防ぐことにつなげることができる。また、万一、放射線源の盗取・破壊、R(放射線)テロ等が発生した場合、速やかに放射線源に関する情報を確認・提供するとともに、放射線障害の防止、安心情報の提供につなげることができる。」とされる(原子力安全規制等懇談会放射線安全規制検討会配付資料(平18.6.27))。 9 内閣府原子力政策担当室「原子力防護の在り方の基本的考え方に関する確認・検討事項(案)」原子力委員会原子力防護専門部会(準備会合)配付資料(平18.12.27) 10 座談会「これからの原子力の安全と平和利用のあり方」『文部科学時報』(平19.1)28
March.Fukushima disaster cleanup、 原発の再稼働,放射性廃棄物問題を考える。 国家原子力保安院は、自ら核分裂、冷却停止命令・・・メルトダウン自己崩壊、復興庁支援、環境破壊から立ち直る。非常事態宣言、蔓延の渦中、感染症爆発の秋!
2019年12月28日土曜日
巌聖水6500の特長
巌聖水6500の特長
「巌聖水6500」(がんせいすい6500)は、広島県福山市東村町で採水されたミネラルウォーターで、飲泉療法に良いとされている「天然ラドン」「冷鉱泉水」「活性水素」「ミネラル」が豊富な天然還元水です。巖聖水6500の水は、地下の花崗岩帯を悠久の時をかけて透過し、みがかれて、瀬戸内海へ滝となって流れ落ちています。
こうしてミネラル分たっぷりの水“奇跡の水”と呼ばれる「うまい水」「身体に良い水」となりました。
なお、巖聖水6500は、今から6500万年前に形成された白亜紀の花崗岩に由来します。
巖聖水6500の温泉分析書
| 知覚的試験 | 無色透明無味無臭 |
|---|---|
| ラドン含有量 |
123×10-10キュリー/kg (基準ボーダー20×10-10キュリー/kg) |
| 炭酸水素イオン (HCO3) |
150.0 mg / L |
| メタケイ酸 (H2SiO3) |
55.0 mg / L |
| 遊離炭酸 (CO2) |
18.0 mg / L |
| その他微量成分 | 総ヒ素:不検出 総水銀:不検出 鉛イオン:不検出 クロムイオン:不検出 |
カルシウム・マグネシウムがバランスよく配合
巖聖水6500には、“水の硬度”を左右するミネラル成分「カルシウム」と「マグネシウム」がバランスよくたっぷりと溶け込んでいます。飲む温泉水として最適の硬度!
巖聖水6500には、この両成分が1リットルあたり98mg(100mgがミネラルウォーターとして最適といわれています)溶け込んでおり、下図でいうところの美味しい軟水(なんすい)の位置付けになります。口当たりが柔らかで うまい水
"美味しい軟水"の巖聖水6500は、ぴったりpH7・0の"中性水"です。甘くマイルドな口当たりでお料理の味をいっそう引き立てます。遊離炭酸(CO2)が、飲むと口中ではじけるため、さわやかなのど越しが特長で、入浴に使用すると、血行を良くする効果が大きいといわれています。
巖聖水6500を、お口からお肌から、身体の内側と外側の両面から取り込むことによって、身体を改善して"健康いきいき生活"を始めませんか。
巖聖水6500の特筆すべき成分
「細菌類0(ゼロ)」「無色透明無味無臭」そして「ヒ素・水銀・鉛・クロムなどの有害物質は不検出」の安全な水であるということです。そして『巖聖水6500』は、炭酸水素イオン(HCO3)、メタケイ酸(H2SiO3)の含有量が多く、「活性水素」が豊富にあることも大きな特長です。
フランスのルルドの泉は“奇跡の水”と呼ばれ、「活性水素」が多く含まれていることも世界的に有名です。
おいしい水の条件・からだに良い水の条件
実際に目で見えるデータとして巖聖水6500をご案内します。分かりやすいように「H天然水(大分県)」「H天然水(鳥取県)」の2つを比較してみました。
おいしい水・からだに良い水
ラドン含有量
巌聖水6500の採水地
巌聖水6500は、以下の場所にて採水しております。巌聖水6500のご注文
皆様のニーズにお応えするため、巌聖水6500のさまざまなラインナップを取り揃えております。| 商品名 | 個数 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| 500 ml | 1ケース(24本×1) | 3,800円 |
| 2 L | 1ケース(6本入) | 2,300円 |
| 10 L(お徳用サイズ) | 1ケース(2箱入) | 3,300円 |
また、こちらのお問い合わせフォームからでも受付しております。
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核分裂、細胞分裂
●三つ子や四つ子の出生確率について
多胎児の出生確率は、話題として良く聞かれるものの一つです。双子の場合は出生数が比較的に多いため、統計から出生頻度を参照することが可能です。最近の日本の双生児分娩率はだいたいで1%。一卵性双生児の出生確率は世界的に0.4%程度の確率ですから、日本の二卵性双生児の出生確率は0.6%ぐらいになります(ただし、統計では卵性別の出生数を記録していません)。ところが、三つ子や四つ子の出生確率となるとかなりアバウトです。統計的に信頼できる数字を出せないということもありますが、多くの数字は何故かひどく曖昧です。これには幾つかの理由があります。とりあえず2,3の仮定をおき、三つ子と四つ子の出生確率を計算しながら考えてみましょう。まず以下の仮定をおいておきます。
1) 卵性に関わる受精卵は一定の確率0.6%(近年の二卵性双子出生率)で増える。さて、確率計算は場合分け(パターン)を考えることが基本です。三つ子の場合、以下の図のように受精卵の分裂がパターン化されます。黒丸(●)が分裂した受精卵で、白丸(〇)が生まれてくる受精卵です。
2) 受精卵が分裂する確率は、初回であっても複数回目の分裂であっても0.4%で一定とする。
3) バニシング等で受精卵が減少する可能性は考えない。
では、一卵性の三つ子の出生確率を計算します。一卵性の場合、一つの受精卵が二つに分かれた後、どちらか一方がもう一度分裂するため、確率の「場合分け」のパターンが二つあります。確率0.4%で生じる受精卵の分裂(多胚化)が二回でそのパターンは二つと考えるため、一卵性の確率は以下のように計算されます。
一卵性 : 0.004×0.004×2= 0.000032(10万分の3.2)二卵性の場合は、多排卵により生じた二つの受精卵の一方が多胚化するため、やはりパターンは二つ。三卵性はパターンが一つです。多排卵の確率を0.6%(二卵性双子の出生確率)とすると、それぞれの確率は以下のようになります。
二卵性 : 0.006×0.004×2パターン= 0.000048(10万分の4.8)ここ15年ぐらいの実際の三つ子出生は1万分の1.5ぐらいですから、大きく外れてはいません(でも近くもありません)。どうして数字がズレるのかについては後述するとして、次に四つ子の出生確率を計算してみましょう。四つ子の場合は多胚化のパターンが増えますが、確率計算は基本的に三つ子の場合と同じです。
三卵性 : 0.006×0.006= 0.000036(10万分の3.6)
卵性を問わない三つ子の出生確率 : 三つの数字の合計 = 1万分の1.16
一卵性 : 0.004×0.004×0.004×5パターン = 0.00000032 (1千万分の3.2)
二卵性 : 0.006×0.004×0.004×5パターン = 0.00000046 (1千万分の4.6)
三卵性 : 0.006×0.006×0.004×3パターン = 0.000000432 (1千万分の4.32)
四卵性 : 0.006×0.006×0.006×1パターン = 0.000000216 (1千万分の2.16)
四つ子 : 0.000001448 = おおよそ100万分の1.5
実際の四つ子出生率(4出生)は、ここ15年ぐらの平均でおおよそ100万分の2.2。三つ子の出生確率でもそうでしたが、計算された数字は外れてもいませんが当たっているとも言いかねる数字です。現実の100万分の2.2の確率になるように多排卵の確率を逆算すると、(3次方程式の虚数解を除く解として)約0.8%になります。日本では自然妊娠による二卵性双生児の確率は0.2%ぐらいですが、生殖補助医療などの影響を考慮すると、これぐらいの数字で良いのかも知れません。
多排卵確率を0.8%に修正した場合、卵性別の四つ子出生率は以下のようになります。
一卵性 : 0.004×0.004×0.004×5パターン = 0.00000032 (1千万分の3.2)
二卵性 : 0.008×0.004×0.004×5パターン = 0.00000064 (1千万分の6.4)
三卵性 : 0.008×0.008×0.004×3パターン = 0.000000768 (1千万分の7.68)
四卵性 : 0.008×0.008×0.008×1パターン = 0.000000512 (1千万分の5.12)
四つ子 : 0.00000224 = おおよそ100万分の2.2
実はこの数字の修正に、多胎児の出生確率が曖昧になる原因があります。確率計算の結果は、なぜ微妙にズレた数字になるのか。実のところ、前提としている仮定で置いた数字(0.6%と0.4%)がおかしいのです。大きく二つの問題があります。
第一に、複数の排卵が生じる確率が分からないのです。遺伝的に多排卵となる体質の方がいることはわかっています。しかし、3個や4個といった数の受精卵が生じることを、独立した確率事象とみなすことができるのか?というと、答えは否です(例えば、2個の排卵が生じる可能性を1%とした場合、3個の排卵が生じる可能性を単純に0.01%と言えるのかというと、ちょっと無理です)。そもそも受精卵自体が多い場合、生殖補助医療等による人為的な原因も介在しています。また短い一定の間隔で排卵が生じている可能性もあれば、一度に複数の排卵が生じている可能性、あるいは全くのランダムという可能性もあります。この確率を一定の数値として計算すること自体がおかしいのです。
第二に、多胚化が生じた受精卵が二度目の多胚化をする場合、一度目と同じ確率で発生すると見なしてよいのか?という問題があります。受精卵が分裂する現象を、独立した確率事象と考えることが妥当なのかどうか。今のところわかっていません。もし多胚化の確率が一定なら、一卵性の六つ子が報告例としてあって良いはずですが、今のところ一卵性の多胎児は五つ子までしか報告がありません。
つまり高次の多胎児の出生確率は、計算に必要となる前提が不確かなため本来は計算すること自体が出来ないのです。
【追記(五つ子の場合)】
五つ子の場合の確率計算例です。四つ子と同じ多排卵率(0.8%)で計算します。
一卵性 : 0.004×0.004×0.004×0.004×14パターン = 3.58E-09 (10億分の3.58)2004年-2017年の五つ子分娩件数は12です。出生率としては8.1E-07(1000万分の8.1)ですから、1億分の3.23と比べると随分とかけ離れた数字です。多排卵率を実際の数字に合わせるように逆算すると、2.63%という数字(虚数と負の解を除く)が出てきます。四つ子の0.8%と比べてもかなり高いレートでなければ、現実の数字と合いません。かといって多胎の次数毎に多排卵率を変更するなら、確率計算そのものが意味をなしません。要するに、確率計算自体ができないのです。
二卵性 : 0.008×0.004×0.004×0.004×14パターン = 7.17E-09 (10億分の7.17)
※一卵性の「双子+三つ子」(4パターン)&「1卵性+四つ子」(10パターン)で14パターン
三卵性 : 0.008×0.008×0.004×0.004×9パターン = 9.22E-09 (10億分の9.22)
※一卵性三つ子+2(6パターン)、一卵性双子2組+1(3パターン)の9パターン
四卵性 : 0.008×0.008×0.008×0.004×4パターン = 8.19E-09 (10億分の8.19)
五卵性 : 0.008×0.008×0.008×0.008×1パターン =4.10E-09 (10億分の4.1)
五つ子 : 3.23E-08 (1億分の3.23)
ちなみに、日本の年間分娩件数を100万件と考えた場合(2017年は95.6万件)、一卵性の四つ子は3~4年に一組、一卵性の五つ子は300~400年に一組ぐらいが誕生することになります。世界全体(2017年は約1.4億人)なら一卵性の五つ子が、数年に一組ぐらいのペースで生まれてもおかしくありません。しかし実際に生まれてくるケースは、せいぜい数十年に一組です。高次の多胎では「多胚化の確率」も不明であるという証左です。
2019年12月20日金曜日
放射性廃棄物
放射性物質
概要
放射性廃棄物はその定義から放射性物質を含む、すなわち人間にとって有害な放射線を放出しておりその取り扱いには一般に注意を要する[4]。一口に放射性物質といっても発生源及びその性質などに応じて分類され処分方法も変わってくる[5]。日本の国内法においては、核燃料物質であるかそれ以外の発生の放射性同位元素(radioisotope:RI)であるかの違いによってその取り扱いを規定する法律は異なる。なお、日本においては、放射性廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律で定義される「廃棄物」には原則として該当しない[6]。ただし、その放射性物質を含む廃棄するものの放射能のレベルがクリアランスレベル以下または規制除外対象であるなどといった場合は、法定上は放射性廃棄物とはみなされず産業または一般廃棄物として処理される。
原子力発電所から出る放射性廃棄物の場合、原子炉から取り出した使用済み核燃料[7]や、作業員が使用した衣服やこれの除染に用いた水など多岐に渡る。使用済み核燃料は一時保管した後、再処理工場に運ばれる。再処理工場からは、燃料棒の部品、また燃料棒のペレットに含まれる核分裂反応による生成物(核分裂生成物)や、湿式によるウラン・プルトニウムの分離抽出の過程で発生した廃液などの放射性廃棄物が発生する。発生別により、ヨウ素を閉じ込めるための廃銀吸着剤、二次廃棄物(MOX燃料施設から発生するものも含む)等の内、ウラン燃料を加工する施設から発生するウランで汚染された廃棄物は特にウラン廃棄物と呼ばれる[8]。
日本における放射性廃棄物の分類
法令に基づいた分類
日本においては、法律に基づいて、放射性廃棄物は(a)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に言う放射性廃棄物[9](以下、核燃料廃棄物という)と、(b)それ以外の法律によって規制される放射性廃棄物(以下、RI廃棄物という)に大別することができる。さらにRI廃棄物は- (b-1)放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律における研究分野からのRI廃棄物(以下、研究RI廃棄物という)と、
- (b-2)医療法、薬事法、獣医療法及び臨床検査技師等に関する法律における医療分野からのRI廃棄物(以下、医療RI廃棄物という)
- 特別措置法によるもの
IAEAの分類を参考にした慣習的な分類
日本において放射性廃棄物は、慣習的に、使用済み核燃料の再処理における溶解に使った硝酸を主とする廃液及びその固化体のみを指す高レベル放射性廃棄物(High Level Waste、HLW)[12]と、それ以外のものを指す低レベル放射性廃棄物[13]の二つに分類される[14]。なお、低レベル放射性廃棄物は、その中でアルファ放射体[15]を多量に含むものはアルファ廃棄物もしくはTRU廃棄物[16]と呼ばれさらに区分される[17]。「放射性物質として扱う必要の無い物」に関する制度・概念
放射性廃棄物とは、使用済みの放射性物質及び放射性物質で汚染されたもので以後の使用の予定が無く廃棄されるものを言うが、放射線の検出は物理現象の中でも最も鋭敏に検出できるものであることから、極端なことを言えばすべての廃棄するものを放射性廃棄物とすることができる。しかし、この場合、規制の対象となるものは膨大となり、規制制度自体が機能しなくなることにつながる。このように、放射線防護に関する規制の枠組みの中にある放射性物質であっても、その規制自体をうまく機能させるためには、その量が微量であり人の健康に対する影響が無視できる、または規制をしても効果がほとんどないなどといった場合は、それを放射性物質として扱う必要の無い物としてその規制の枠組みから外しても良いという制度や概念が必要となる。
放射性物質を含んでいて廃棄するものであっても、それら制度や概念を適用することにより条件によって放射性廃棄物として規制外となれば、例えば廃棄物処理法でいう「廃棄物」として埋設処分するなど[18]といったことができるようになる。
クリアランス(clearance)または規制免除(exemption)
人工放射性物質に起因する被曝線量が「自然界の放射線レベルと比較して十分小さく」また「人の健康に対するリスクが無視できるものである」ならば、規制の枠組みから外しても良いという考え方をクリアランス(clearance)と呼ぶ[19]。また、放射性物質として扱う必要のないものを区分するレベルをクリアランスレベル(clearance level)と呼ぶ[20]。クリアランス制度が適用される放射性物質を含むものは、その定義より人の健康に対するリスクは無視できる程度であると言うことができる[21]。
日本においては1997年から原子力安全委員会は、IAEAの技術文書[22]に示されたクリアランスレベル算出の考え方に基づき、発電用原子炉(軽水炉、ガス炉、試験研究炉)などを対象として委員会報告書をとりまとめた[23][24]。
規制除外(exclusion)
自然放射性物質[25]による被曝のように「規制が不可能で規制のしようがない」または「規制をしても効果がほとんどない」ならば、規制の対象にしないことを規制除外(exclusion)と呼ぶ[26]。規制除外廃棄物は、その定義から規制の対象とはならないが、かといってクリアランス制度の対象とは限らないので人の健康に対するリスクが無視できる程度の廃棄物とは言い難い。
核燃料廃棄物の処理・処分
核燃料廃棄物は、便宜上その発生源に応じてさらに次のように分類される[27]。- 発電所廃棄物:原子力発電所の運転、保守、解体に伴って発生する廃棄物をいう[28]。
- 高レベル放射性廃棄物:使用済み核燃料の再処理における溶解に使った硝酸を主とする廃液及びその固化体をいう。
- TRU廃棄物:MOX燃料加工や使用済み核燃料再処理の運転・保守の結果発生する超ウラン元素(TRU)で汚染された廃棄物をいう[29]。
- 研究所等廃棄物:発電所ではなく、大学や研究機関の研究開発活動において核燃料物質で汚染された廃棄物をいう。
第二種廃棄物埋設:低レベル放射性廃棄物の処分方法
低レベル放射性廃棄物の処分(第二種廃棄物埋設)には余裕深度処分、浅地中ピット処分、浅地中トレンチ処分の三つの処分方法がある[31]。トレンチ処分を除く処分はいずれも遮断型処分ではあるが、人工構造物(人工バリア)による完全な放射能の遮断を管理期間中継続させることは困難である。放射能の漏洩による影響を最小限にするために場所(地質・地層、水脈など)および地中深度などが考慮され処分基準となっている。余裕深度処分
一般的であるとされる土地利用(住居などの建設)や地下利用(地上の構造物を支持する基盤の設置、地下鉄、上下水道、共同溝や地下室としての利用など)に対して十分に余裕を持った深度(地下50〜100メートル程度)に、コンクリートでトンネル型やサイロ型の人工構築物を作り、廃棄物を埋設する方法を余裕深度処分と呼ぶ。シュラウド[32]、チャンネルボックス[33]、使用済み制御棒など主に原子炉の廃止措置に伴って発生する放射能レベルが比較的高いものが対象となる[34]。管理期間は数百年。処分・管理方法等については調査中である。日本原燃の六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターにて次の三号施設として調査中。
浅地中ピット処分
浅い地中(地下約10メートル)にコンクリートピットなどの人工構築物を設置し廃棄物を搬入後、その構築物ごと埋設する方法を浅地中ピット処分と呼ぶ。濃縮廃液や使用済みイオン交換樹脂、可燃物を焼却した焼却灰などをセメントなどでドラム缶に固形化したものなど、主に原子力発電所から排出される放射能レベルの比較的低いものが対象となる[35]。埋設後の管理期間は300〜400年が一つの目安とされている。日本原燃の六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターで一号・二号施設が1992年より稼働している。
浅地中トレンチ処分
浅い地中に素掘りの溝、つまりトレンチ(trench)を掘り、そこにそのまま(人工構築物は設けない)廃棄物を定置することにより埋設処分を行う方法(いわゆる単純な埋め立て)を浅地中トレンチ処分と呼ぶ。コンクリートや金属など、化学的、物理的に安定な性質の廃棄物のうち[36]放射能レベルの極めて低い極低レベル放射性廃棄物が対象である[37]。50年程度の管理期間を経たのち、一般的な土地利用が可能になる[38]。動力試験炉(JPDR)の解体に伴って発生した廃棄物を処分するために、日本原子力研究開発機構・東海研究開発センター原子力科学研究所・廃棄物埋設施設にて1995年より試験的に実施されている。
第一種廃棄物埋設:高レベル放射性廃棄物等の処分方法
核燃料廃棄物の内、高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物は地層処分(第一種廃棄物埋設)されることとなっている。特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づき原子力発電環境整備機構(NUMO)が実施主体となって処分する。なお、高レベル放射性廃棄物の処分については様々な方法が検討された。海洋投棄(かつて各国で実施されたが1993年に全面禁止)、地上施設による長期保管(未実施、ただし一時的な中間貯蔵施設は除く)、氷床処分(禁止)、宇宙処分(大気圏外にロケットで打ち上げ太陽系の引力圏外に放出する、もしくは太陽の重力に引き寄せさせる方法。かつて米が検討したがコストと不確実性から不採用)、地中直接注入(米、ソが実施)[39]などが検討され、このうち海洋投棄と地中直接注入処分は実施された[40]。21世紀初頭においては地中埋設処分が各国で採用されている。
RI廃棄物の処理・処分(研究施設等廃棄物の処理・処分)
原子力施設や核兵器関連施設以外にも、原子力の研究施設や大学、医療分野や民間産業分野、農業分野などでも放射性物質を使用する場合があるので、放射性廃棄物は発生する。RI廃棄物に含まれる代表的な放射性核種は、研究RI廃棄物としては 3H、14C、32P、35S などであり、医療RI廃棄物としては、99mTc、125I、201Tl などである。RI廃棄物(研究RI廃棄物および医療RI廃棄物)の大部分はRI協会が集荷し貯蔵している[41]。RI廃棄物等の処分については、2008年に処分実施主体が日本原子力研究開発機構に決まり、法律も改正されることとなった[42]。
放射性物質汚染対処特措法に規定される特定廃棄物等の処理・処分
東京電力福島第一原子力発電所の事故により大気中に放出された放射性物質による環境の汚染が生じることとなった。これによる人の健康または生活環境に及ぼす影響を速やかに低減するため、平成23年8月30日にいわゆる放射性物質汚染対処特措法が公布された(平成24年1月1日に全面施行)[43]。この特措法に基づき、環境大臣が指定を行う、事故由来放射性物質による汚染状態が8,000 Bq/kg を超える廃棄物は指定廃棄物と呼ばれる。その処理にあたっての環境への影響については、1都15県のごみ焼却施設についてデータを収集・分析したりなどした上で、国立環境研究所[44]によって確認されている[45]。
脚注
- ^ 長崎・中山(2011) p.4
- ^ 原子力発電所および核燃料製造施設、核兵器関連施設などから排出される
- ^ 病院の検査部門から出るガンマ線源の廃棄などで排出される。
- ^ 放射性廃棄物を含め、放射性物質はある程度の時間(半減期)が経過すると放射能が弱くなり、やがては大部分が安定した物質に変化する性質を持つ。半減期と単位時間当たりの放射線量は反比例し、半減期の長い物質は単位時間当たりの放射線量は少ない。半減期は放射性核種により異なる。
放射性物質の中には、半減期が極めて長いものも存在する。放射性物質の量は半減期を経過すると元の半分になるが、残った放射性物質がさらに半分(つまり元の1/4)になるのにも、同じだけの期間が掛かる。たとえば、半減期が約12年であるトリチウムの場合、24年後に崩壊が終わり消失するわけではない。12年後に元の量の50%、24年後に25%、36年後に12.5%…と量が減り限りなくゼロに近づくのみで、同時にトリチウムが崩壊してできる安定同位体、ヘリウム3が生成されていく。ウラン等の原子番号の大きい物質は、崩壊後の物質も放射性物質(娘核種)になるため、含まれる全ての放射性元素が崩壊を終え、鉛などの安定同位体に落ち着くまでは、非常に長い期間を要するものもある。 - ^
放射性廃棄物の区分と処分方法 廃棄物の種類 廃棄物の例 発生源 処分方法 高レベル放射性廃棄物 ガラス固化体 再処理施設 地層処分 低レベル
放射性
廃棄物高レベルの物 制御棒、炉内構造物、
放射化金属原子力発電所 余裕深度処分 低レベルの物 廃液、フィルター、廃器材、
消耗品等を固形化浅地中ピット処分 レベルの極めて低い物 コンクリート、金属等 浅地中トレンチ処分 超ウラン核種を含む廃棄物
(TRU廃棄物)燃料棒の部品、
廃液などプロセス廃棄物、
フィルター再処理施設
MOX燃料加工施設特性に応じトレンチ処分以外の3段階 ウラン廃棄物 消耗品、スラッジ、廃器材 ウラン濃縮
燃料加工施設特性に応じ全4段階の処理 研究所廃棄物 大学・企業等
研究機関放射性同位体(RI)
廃棄物医療機関等 放射性廃棄物の処分方法 処分方法 廃棄物の例 封入容器 人工構造物 深度 管理期間 地層処分 高レベル放射性廃棄物
およびTRU廃棄物ガラス固化体キャニスター 多重人工バリア
鉄筋コンクリート構造物300m以深 数万年以上 余裕深度処分 制御棒、炉内構造物
放射化金属および加工・再処理における
プロセス廃棄物等200リットルドラム缶等 鉄筋コンクリート構造物 50~100m 数百年、
管理内容未定浅地中ピット処分 廃液、フィルター
廃器材、消耗品等セメント等で固化した廃棄物を入れた
200リットルドラム缶等鉄筋コンクリート構造物 十数m 約300年 浅地中トレンチ処分 コンクリート、金属等 廃棄物のまま 人工構造物無し 約50年 - ^ 廃棄物処理法第二条一項
- (定義)
- 第二条 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
- ^ 日本においては使用済み核燃料は再処理の方針により廃棄物には分類されないが、再処理の方針をとらない国では高レベル放射性廃棄物に区分される。
- ^ 軍事分野では、同様の廃棄物として、核兵器製造過程で生じた廃棄物や、耐用年数を過ぎ廃棄処分となった核兵器、耐用年数を過ぎ廃艦処分となった原子力潜水艦や原子力空母などがある。
- ^ 法律本体では「放射性廃棄物」ということばは使われておらず、「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物」で「廃棄しようとするもの」という言い回しで示されている。
- ^ 取扱い(1994) p.3、1.RI・研究所等廃棄物を巡る状況(文部科学省)、長崎・中山(2011) p.29
- ^ 放射性物質汚染廃棄物とは
なお、それぞれの定義条文は以下のとおり - ^ IAEAの分類とは異なり、再処理廃液及びその固化体と同等の強い放射能を有する放射性廃棄物は含まれない。すなわち、高レベル放射性廃棄物はすべて核燃料廃棄物である。
- ^ 高レベル放射性廃棄物以外の放射性廃棄物が低レベル放射性廃棄物ということである。すなわち、ほとんどすべての放射性廃棄物は、その放射能の強度に関わらず、低レベル放射性廃棄物にあたる。
- ^ 土井(1993) p.42
- ^ アルファ線を放出する核種
- ^ 超ウラン元素(TRans-Uranium)を多量に含む放射性廃棄物をTRU廃棄物と呼ぶ。
- ^ 土井(1993) p.42
- ^ 当然、資源としてリサイクルできるのであれば再利用する。
- ^ 長崎・中山(2011) p.66
- ^ クリアランスによりリサイクルされるものは一般社会に流通されることになるため、クリアランスレベルは国によって大きく異なることのないよう、国際的な整合性が必要であることから、国際原子力機関(IAEA)及び欧州委員会(EC)を中心にクリアランスレベルの検討が進められている。 長崎・中山(2011) p.66
- ^ 例えば、放射性セシウム(セシウムの放射性同位体)であれば、そのクリアランスレベルは1kgあたり100 Bq(0.1Bq/g)である。
- ^ TECDOC855(1996)
- ^ 原子炉クリアランス(1999)
- ^ ウラン取扱施設のおけるクリアランスレベル以下の廃棄物は、平成62年度末(2051年3月末)には約10万トン、その内7.9万トンは金属と想定されている。(福島原発事故による廃棄物は含まれていない)これらの金属の発生源はウラン濃縮工程の遠心分離機や燃料加工施設の焙焼・還元装置、成形加工装置、焼結装置、研削機械などである。金属の再利用の際の溶融では、放射性核種の内超ウラン元素は99.4~99.8%がスラグへ濃縮されると報告されている。例外はMn54、Fe55、Co60、Ni63、Zn65(ガスとインゴットで半々)、Nb94等でこれらの同位元素は大半がインゴットに残留する。
原子力安全委員会:「クリアランスレベル以下の金属廃棄物」 閲覧2011-11-21 - ^ NORM : Naturally Occurring Radioactive Materials と呼ばれる。なお、NORMのうち人為的に濃度が高められた自然放射性物質はTENORM(Technologically Enhanced NORM)と呼ばれる。 長崎・中山(2011) p.67
- ^ 長崎・中山(2011) p.67
- ^ 長崎・中山(2011) pp.6-7, pp.28-29
- ^ 例:放射線管理区域などで中性子を吸収して放射化されたものや、炉心付近の資材、廃止措置が取られた発電所の解体に伴う廃棄物など
- ^ 例:再処理工場から発生する核燃料被覆管(ハル)、使用済燃料構造部材の端末部分(エンドピース)など
- ^ 日本原燃「低レベル放射性廃棄物の処分方法」
- ^ 核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の第二種廃棄物埋設の事業に関する規則の第一条の二にてそれぞれ定義されている。
- ^ シュラウド(shroud)とは、沸騰水型原子炉の炉内構造物の一つで、炉心部を構成する燃料集合体や制御棒を内部に収容する円筒状の構造物を言う。
- ^ 燃料集合体を覆っている金属製の角筒をチャンネルボックス(channnel box)と呼ぶ。
- ^ 長崎・中山(2011) pp.128-130
- ^ 長崎・中山(2011) p.127
- ^ すなわち、放射能レベルが極めて低い廃棄物の中でも有害な化学物質を含むものは対象外である。
- ^ 長崎・中山(2011) p.126
- ^ ATOMICA「トレンチ処分」
- ^
地中直接注入 (Direct injection)
とは、液体もしくは粉体を混ぜた流体の放射性廃棄物を、処分に適した地中に高圧で注入する処分方法である。1957年にソ連が調査を開始し、深度400メートルと1400メートル砂岩層、石灰岩層へ40年に渡り数千万立方メートルの低レベルから高レベル放射性廃棄物を注入処分した。アメリカでも、1970年代に10年間に渡りテネシー州のオークリッジ国立研究所の地下300メートルに7500立方メートルの低レベル放射性廃棄物が注入処分したが、環境汚染への懸念から中止した。高レベル放射性廃棄物の処分も検討されたが、これも汚染への懸念から計画は断念された。
世界原子力協会 “Storage and Disposal Options” - ^ 世界原子力協会 “Storage and Disposal Options”
- ^ 長崎・中山(2011) p.28
- ^ 独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律
- ^ 放射性物質汚染廃棄物とは(環境省)
- ^ 国立環境研究所は従来より東日本大震災の被災地支援のための研究・支援を重点的に行っている。災害環境研究への取り組み
- ^ 概要版 p.3
参考文献
- 全般
- 長崎 晋也、中山 真一(共編)『放射性廃棄物の工学』オーム社〈原子力教科書〉、2011年。
- 広瀬 研吉『わかりやすい原子力規制関係の法令の手引き』大成出版社、2011年。
- 核燃料廃棄物
- 原子力規制庁 (2015), 第二種廃棄物埋設に係る規制制度の概要
- 土井 和巳『そこが知りたい 放射性廃棄物 −用語解説付−』日刊工業新聞社、1993年。
- RI廃棄物(研究施設等廃棄物)
- 『研究分野における放射性廃棄物の取扱い』(社)日本アイソトープ協会、1994年。
- 文部科学省研究開発局 原子力計画課放射性廃棄物企画室 (2011), RI・研究所等廃棄物に関する安全規制の現状と今後の課題について
- 特定廃棄物(指定廃棄物、対策地域内廃棄物)
- 放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分 (第四版(改定版) ed.), (2014)
- 資源循環・廃棄物研究センター, 放射性物質を含む廃棄物の適正な処理処分
- 資源循環・廃棄物研究センター, 放射性物質を含む廃棄物に関するQ&A
- 環境省 (2012), 指定廃棄物の今後の処理の方針
- 環境省廃棄物・リサイクル対策部, 100Bq/kg と 8,000Bq/kg の二つの基準の違いについて
- 「放射性物質として扱う必要の無い物」に関する制度・概念
- 原子力安全委員会 放射性廃棄物安全基準専門部会 (1999), 主な原子炉施設におけるクリアランスレベルについて
- IAEA (1996), “Clearance levels for radionuclides in solid materials - Application of exemption principles, Interim report for comment”, IAEA TECDOC-855
- 経済産業省 (2012), 原子力発電所外に適用されている放射能に関する主な指標例
- 経済産業省 (2007), 原子力施設における「放射性廃棄物でない廃棄物」の取扱いに関する報告書
関連項目
- 放射性物質 - 放射性核種 - 放射能 - 放射線 - 半減期
- 放射性廃棄物処理設備
- 大宮原子炉跡地放射性廃棄物汚染
関係組織・団体
- 日本原子力研究開発機構 (JAEA)←核燃料サイクル開発機構 (JNC)←動力炉・核燃料開発事業団 (PNC)←原子燃料公社
- 日本原燃 (JNFL) - 低レベル放射性廃棄物埋設センター
- 原子力環境整備促進・資金管理センター (RWMC)
- 電力中央研究所 (CRIEPI)
- 国立環境研究所
外部リンク
- 全般
- RI廃棄物(研究施設等廃棄物)
- 放射性物質汚染対処特措法に規定される特定廃棄物
- 災害環境研究への取り組み(国立環境研究所)
- 放射性物質を含む廃棄物に関するQ&A ~入門編~
- 災害廃棄物安全評価検討会について(環境省)
- 放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト(環境省) - 法令リンク集
- その他
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