2022年4月29日金曜日

ウクライナ「グテレス氏と会談直後にミサイル」 ロシア軍を非難

 

ウクライナ「グテレス氏と会談直後にミサイル」 ロシア軍を非難
毎日新聞 2022/04/29 19:09
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国連のグテレス事務総長の訪問中に攻撃を受けたキーウの建物=2022年4月28日、AP© 毎日新聞 提供 国連のグテレス事務総長の訪問中に攻撃を受けたキーウの建物=2022年4月28日、AP
国連のグテレス事務総長は28日、ロシアの侵攻を受けるウクライナの首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領、クレバ外相と会談した。避難民や負傷者らへの人道支援を強化するため、協力することで一致した。一方、キーウ市によると、会談後の同日夜、市中心部の集合住宅にロシア軍のミサイル2発が撃ち込まれ、1人が死亡し、少なくとも10人が負傷した。

会談後の記者会見でグテレス氏は、これまでにウクライナ国内で約340万人に対して行った人道支援を、8月末までに倍以上の約870万人に実施する目標を掲げた。また5月までに130万人に支給した資金援助も、ウクライナ政府と協力し、8月までに200万人への支給を目指す。

会談では、ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所にとどまる民間人の退避についても話し合われた。グテレス氏は26日のプーチン露大統領との会談で、製鉄所にとどまる民間人の退避のため、国連と赤十字国際委員会(ICRC)が関与することで「原則的に」合意した。国連によると、国連人道問題調整事務所(OCHA)と露国防省が協議を続けている。だが協議の詳細などは明らかにしていない。

記者会見でグテレス氏はマリウポリの状況について「危機中の危機であり、数千人の民間人が人命救助を必要としている。多くは高齢者で、治療を受ける必要がある人や、動くのが困難な人もいる」との認識を示したうえで、「(退避)実現に向けた議論が続いている」とだけ語った。協議の詳細や具体的な退避方法に関しては、「現時点で私たちは(退避の)実現に向け全力を尽くしているとしか言えない。それを妨げる可能性のある、あらゆるコメントを控えている」と説明した。

会見に同席したゼレンスキー氏は「私はアゾフスターリ製鉄所にとどまる人たちの家族と同様、(国際社会を)信頼し、そして信じている。事務総長と私たちはきっと成功に導くことができる」と語った。

このほかグテレス氏は、国連安全保障理事会がロシアの拒否権行使で機能不全に陥っている点について「落胆と不満、怒りのもととなっている」と語った。だが安保理改革について問われると、「すぐに実現できる幻想は持たない。国連全体の機能を改善できるよう全力を尽くす」と述べた。

ウクライナ当局はキーウに着弾したミサイルについて、2発のうち1発が25階建ての住宅の低層階に直撃したと明らかにした。ゼレンスキー氏は28日、国民向けのビデオメッセージで「会談直後にミサイルが飛び込んできた。国際機関に対するロシアの本当の姿勢を物語っている」と非難した。

一方、ロシア国防省は29日、キーウの宇宙ロケット関連施設を高精度のミサイルで破壊したと発表した。タス通信などが伝えた。【宮川裕章(ブリュッセル)、堀和彦】

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