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わが国では、原子力発電所で使用した燃料を再処理して有効に活用することにしており、この処理によってウランやプルトニウムを回収した後には、
高レベル放射性廃棄物 が残ります。高レベル放射性廃棄物の処分は、原子力を利用した我々の世代が取り組まなければならない課題です。

使用済燃料からウラン・プルトニウムを分離・回収した後には、液状の廃棄物が生じます。この廃棄物は、放射能レベルが高いことから「
高レベル放射性廃棄物」と呼ばれ、日本ではガラスと混ぜて固化処理しています(それ以外の放射性廃棄物は、「低レベル放射性廃棄物」と呼ばれます)。
また、再処理せずに使用済燃料をそのまま処分する(ワンス・スルー)国では、使用済燃料そのものが「
高レベル放射性廃棄物」となります。

平成21年12月末までの原子力発電の運転により生じた使用済燃料から換算される
ガラス固化体の本数は、約23,100本相当となります。なお、出力100万キロワットの原子力発電所を1年間運転した場合に相当するガラス固化体の本数は約30本となります。
高レベル放射性廃棄物はすでに発生しているものであり、その処分については今後の原子力政策の如何を問わず、原子力を利用した我々の世代が考えていかなければなりません。
日本原燃(株)より提供
出典:「原子力・エネルギー」図面集2004-2005 8-9
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地下深部の地層は、ものの動きがゆっくりしているうえ地表より天然現象や人間の活動の影響を受けにくいので、「地層処分」では、高レベル放射性廃棄物を数万年以上わたり、人間の生活環境から遠ざけることができます。
高レベル放射性廃棄物の処分方法については、これまで国際機関や世界各国でいろいろ検討されてきました。
その中で「
地層処分」が他の方法と比較して、もっとも問題点が少なく、実現可能性があることが国際的に共通した認識となっています。
わが国では、
高レベル放射性廃棄物について、安定な形態に固化(ガラス固化)して30~50年程度冷却のため貯蔵を行った後、地下300m以深の地層中に処分(
地層処分)することを基本方針としています。
地層処分では、「
多重バリアシステム」を用いることにより、放射性物質を閉じ込め、人間の生活環境への影響を十分小さくします。詳細は、
安全確保のページをご覧ください。
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