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作業員が福島第一内部を撮影した画像。1号機のタービン建屋近くで、低濃度の汚染水の処理作業にあたる
福島第一内で津波に遭い破壊された車の放射線量を計ると、毎時約94マイクロシーベルトを計測した
「循環冷却システム」ばかりに目を奪われている場合ではない! 溶融した燃料は今どうなっているのか。原子炉建屋の地下で〝起こりうる恐ろしい現実〟を専門家は知っていた
東京電力が、福島第一の「循環冷却システム」(注)の稼働に躍起になっている。
6月27日の政府・東電統合対策室での会見の冒頭、細野豪志首相補佐官(現・原発事故担当相)は「冷却機能の安定化という目標に近づいた。大きな一歩だ」と、6月18日以来停止していた冷却システムが、同日夕方4時20分に再開したことに胸を張った。だが会見の終了間際、東電の松本純一原子力・立地本部長代理が伏し目がちに、「お知らせがあります」と楽観ムードに水を差す報告をする。
「ホースの継ぎ目から漏水があり、午後5時55分に注水を停止しました・・・」
再開から、わずか90分。東電が〝起死回生の策〟と期待する冷却システムは、またしても頓挫してしまったのだ。翌28日に冷却システムは再び稼働し始めたが、いつになったら安定するのだろうか。
「突貫工事で作られたシステムなので、予想もしないトラブルが今後も繰り返されるでしょう。特に余震が心配です。冷却システムは、全周約4kmにわたって配管が延びています。その中を、核燃料の溶融物を含んだ大量の高濃度汚染水が流れるのです。もし大きな余震で配管が破損したり連結部分のネジが緩むなどすれば、広範囲に放射性物質がバラ撒かれることになります」(技術評論家・桜井淳氏)
桜井氏の指摘通り、冷却システムの安定化までには予測不能な障害が、これからも発生するだろう。だが、事態はさらに深刻だ。想像を絶する〝恐ろしい現実〟が、原子炉建屋地下の奥深くで起きているかもしれないのである---。
(注)「油分離装置」や「吸着装置」、「除染装置」、「淡水化装置」などの各工程(4ページ〜の写真参照)を通して、放射性物質を汚染水から取り除くシステム。低濃度になった水は、核燃料の冷却のために使用される
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