2018年6月11日月曜日

三重水素

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三重水素
概要
名称、記号 トリチウム、トリトン,3H
中性子 2
陽子 1
核種情報
天然存在比 微量
半減期 12.32 年
崩壊生成物 3He
同位体質量 3.0160492 u
スピン角運動量 1/2+
余剰エネルギー 14,949.794± 0.001 keV
結合エネルギー 8,481.821± 0.004 keV
ベータ崩壊 0.018590 MeV
三重水素(さんじゅうすいそ、英: tritium、記号:3H または T[1])とは、質量数が3、すなわち原子核が陽子1つと中性子2つから構成される水素の放射性同位体である。一般に、トリチウムと呼ばれる。

目次

概要

自然界に最も多く存在する、質量数が1(原子核が陽子1つ)の「普通」の水素は軽水素(1H)、
質量数が2(原子核が陽子1つと中性子1つ)の水素は重水素(2H)、
質量数が3(原子核が陽子1つと中性子2つ)の水素は三重水素(トリチウム)(3H)、
と呼ばれる(「水素の同位体」も参照)。もともとは 重水素(2H)と三重水素(3H)とを併せて重水素と呼ばれていた。[要出典]
三重水素は、その質量が軽水素や二重水素の約1.5~3倍と比較的大きく異なることから、物理的性質も大きく異なることが多い。一方、化学的性質は最外殻電子の数(水素の場合は1)によって決まる要素が大きいため、三重水素の化学的性質は軽水素や重水素とほぼ同じであることが多い(「同位体効果」も参照)。
三重水素は、地球環境においては、酸素と結びついたトリチウム水(HTO[2])として水に混在しており[3]、水圏中に気相、液相、固相の形態で広く拡散分布している。大気中においては、トリチウム水蒸気(HTO)、トリチウム水素(HT)および炭化トリチウム(CH3T)の3つの化学形で、それぞれ水蒸気、水素、炭化水素と混在している。なお、海水中の三重水素濃度は通常、数 Bq/Lより少ない[4][5]。
三重水素は宇宙線と大気との反応により地球全体で年間約72 PBq(7.2京ベクレル[6])ほど天然に生成される[7]。加えて、過去の核実験により環境中に大量に放出され[8]未だに残っている三重水素(フォールアウトトリチウム)、原子力発電所または核燃料再処理施設などの原子炉関連施設から大気圏や海洋へ計画放出された三重水素(施設起源トリチウム)[9]が地球上で観測される三重水素の主たる起源である[10]。
高純度の液体トリチウムは、核融合反応のD-T反応を起こす上で必須の燃料であり、水素爆弾(きれいな水爆)の原料の一つとしても利用される[11]。
体内では均等分布で、生物的半減期が短く、エネルギーも低いことから三重水素は最も毒性の少ない放射性核種の1つと考えられ[12]、生物影響の面からは従来比較的軽視されてきた[13]。しかし一方で、三重水素を大量に取扱う製造の技術者ではあるものの、内部被曝による致死例が2例報告されている[14]。三重水素の生物圏に与える影響については、環境放射能安全研究年次計画において研究課題として取り上げられたことなどもあり、長期の研究実績に基づいた報告書が公表されている[15]。

物理的特徴

トリチウム封入管を使用したミリタリーウォッチ
三重水素は弱いβ線 (18.6 keV) を放射しながらβ崩壊を起こしヘリウム3 (3He) へと変わるベータ放射体 (beta-emitter) で、半減期は12.32年である[16]。
{}_{1}^{3}{\hbox{H}}\ {\xrightarrow[ {12.32\ years}]{\beta ^{-}\ 18.6\ keV}}\ {}_{2}^{3}{\hbox{He}}^{+}+{\hbox{e}}^{-}+\overline {\nu }_{{{\hbox{e}}}}
電子は、5.7 keV の平均運動エネルギーを持ち、残りのエネルギーは反電子ニュートリノによって奪われる。三重水素から発する低いエネルギーのβ線は人間の皮膚を貫通できず外部被曝の危険性がほとんどないため、その酸化物であるトリチウム水 (HTO) は放射性夜光塗料の材料などに用いられている[17][18]。また、この低いエネルギーであるがゆえに、三重水素の標識化合物は、液体シンチレーション計測法でないと検知することができない[19]。

熱核反応(核融合反応)の燃料として

二重水素 (D) と三重水素 (T) の核融合反応である熱核反応(D-T反応)は、二重水素同士の熱核反応(D-D反応)に比べて反応に必要な温度・圧力条件が低い。
{\displaystyle {\ce {{^{3}_{1}H}+{^{2}_{1}H}->{^{4}_{2}He}+n}}}
そのため、1952年のアイビー作戦にてエニウェトク環礁の一つの小島を消滅させた水素爆弾(きれいな水爆)の原理の中では、D-D反応を起こすための中間の起爆反応として用いられた[20]。現在では、三重水素は、ITERをはじめとする核融合実験炉においては核燃料として研究されている。

トリチウムの生成

三重水素(トリチウム)は原子炉においては、炉内の重水 (HDO) の二重水素 (D) が中性子捕獲することでトリチウム水 (HTO) の形で生成される。
ほかには、ウラン235 (235U) 或いはプルトニウム239 (239Pu) が中性子と反応した時に起こる三体核分裂によっても生じる。また、制御棒に使用されるホウ素同位体 10B が、高速中性子を捕獲することでも生じる。
{\displaystyle {\ce {{^{10}_{5}B}+n->2{^{4}_{2}He}+{^{3}_{1}H}}}}
生成量は原子炉ごとに異なるとされるが、一年間の運転で加圧水型軽水炉内には約200兆ベクレル (2 × 1014 Bq)、沸騰水型軽水炉では約20兆ベクレル (2 × 1013 Bq) が蓄積する[21]。しかしながら、トリチウム水(HTO)は、化学的性質が水(H2O, HHO)とほぼ同一であるため、化学的には水とトリチウム水を分離することはできない[22]。ただし物理的な同位体効果を利用した分離技術は確立されており[23]、トリチウム含有水の蒸留や電気分解、同位体交換法など、いくつか分離方法が存在する[24]。しかしそれでも大量かつ極めて低濃度の水からトリチウム水だけ、分離してまとまった量を回収することはコスト的に非常に困難である[25][26]。
トリチウム水からトリチウムを単離するのは上述のとおり極めて難しいため、高い純度のトリチウムを得るにあたっては回収しやすい形で人工的に生成する必要がある。比較的良く知られたトリチウムの生成方法としては、原子炉内でリチウム Li に中性子を当て(中性子捕獲させ)、トリチウムとヘリウム4(4He)に分裂させた上で得るという方法がある[27]。しかし、リチウムはイオン化傾向が高く、少量の水と接触するだけで激しく反応するなどの性質があり危険であるため、水との反応性はなくすがリチウムのトリチウムにはなる性質は残す合金を作るといった研究が行われており、東工大でリチウムと鉛の合金が適しているといった研究結果が出されている。また、この合金だと鉛に当たった中性子は2倍に増えるため、通常より多くのトリチウムが生産されることも期待されている。
{}_{3}^{6}{\hbox{Li}}+{\hbox{n}}\to {}_{2}^{4}{\hbox{He}}(2.05MeV)+{}_{1}^{3}{\hbox{H}}(2.75MeV)
{}_{3}^{7}{\hbox{Li}}+{\hbox{n}}\to {}_{2}^{4}{\hbox{He}}+{}_{1}^{3}{\hbox{H}}+{\hbox{n}}
ただし、この方法の場合、十分な量のトリチウムを生成するためには中性子がその分相当量必要となり、やはりトリチウムの価格がデューテリウム(二重水素)に比べて高くなる[28]。

自然界での生成

宇宙線の中性子または陽子が大気中の窒素または酸素と核反応し、地表面積あたり毎秒0.2[個/cm2⋅sec] 程度の割合で三重水素が生成している。地球の表面積を 5.1×1014[m2]とすると、トリチウムの年間生成量は約72[PBq](P=1015)となる[29]。放射性崩壊と天然生成量が平衡にあるとき、その同位対比は地表に存在する水素原子の 10−18 に相当し、これを1 TU (Tritium Unit) と定めている。
{\displaystyle {\ce {{^{14}N}+{^{1}n}->{^{3}H}+{^{12}C}}}}
{\displaystyle {\ce {{^{16}O}+{^{1}n}->{^{3}H}+{^{14}N}}}}

規制基準

発電用原子力施設で発生する液体状の放射性廃棄物については、放射能の時間による減衰、多量の水による希釈などの方法で排水中の放射性物質の濃度を規制基準を超えないように低減させた上で排出することとなっている[30]。トリチウム水については、周辺監視区域外の水中の濃度が60[Bq/cm3](=6×104[Bq/L]) を超えてはならないと定められている[31]。高度情報科学技術研究機構(もと原子力データセンター)によると、トリチウムには海産生物による濃縮効果がないと考えられている[32][33]。そのため、他の核種の100倍を越える量[32]が海洋に放出されている。
2001年には、英国ブリストル海峡での二枚貝やカレイの体内に、高濃度のトリチウムがあるとの論文[34]が発表されているが、海水の濾過が不十分であると、トリチウム水以外のトリチウムが加算され、生物濃縮が過小評価されうること等、トリチウム及び濃縮率の測定問題等が指摘されている[35]。 英国食品基準庁の指針に従い、1997年より10年間、毎年調査をし続けた結果では海水が5〜50Bq/Lであったのに対し、ヒラメは4,000〜50,000Bq/kg、二枚貝イガイは2,000〜40,000Bq/kgの濃縮が認められ、濃縮率の平均値はそれぞれ3,000倍と2,300倍であった[35]。 一方で、トリチウム水で育てた海藻を二枚貝イガイへ与えた実験では、投与量に比例してトリチウムが蓄積し続けることが確認されている[36]。
液体状の低レベル放射性廃棄物の海洋放出の安全性については、主に再処理施設に関してだが、次の答申
がある。
一般的な原子力発電所では年間約1.0〜2.0×1012[Bq](1〜2兆ベクレル)ほどトリチウム水を海洋に放出している(表参照)[37]。
実用発電用原子炉施設からの年度別トリチウム水放出量(単位:[Bq])
施設名 2007年 2008年 2009年 2010年
東京電力(株)福島第一原子力発電所 1.4×1012 1.6×1012 2.0×1012 -
東京電力(株)福島第二原子力発電所 7.3×1011 5.0×1011 9.8×1011 1.6×1012
出典:平成23年版(平成22年実績)原子力施設運転管理年報 p.602

脚注

  1. ^ T という記号は三重水素という水素の同位体に対して特別に割り当てられた記号である。通常、元素の同位体の記号は元素と共通であり、左肩に質量数を付与して同位体であることを示すのが一般的である。このようにある元素の同位体に対して特別な記号が与えられているものとしては、他には二重水素 (D) がある。
  2. ^ 水分子は水素原子2個と酸素原子1個からなることから、その化学式は良く知られているように、
    H2O
    である。これを全原子を明示する形に冗長に書けば、
    HHO
    となる。地球上に存在する大半の水素と酸素の質量数はそれぞれ1と16であるので、質量数を明示する形でさらに冗長に書けば、
    1H1H16O
    となる。ところで、トリチウム水とは水分子の一つ(または二つのこともあるかもしれないが今は考えない)の水素 1H が3倍の重さの三重水素 3H に置き換わったものであった。したがって、トリチウム水であれば水分子の式は、
    1H3H16O
    と書ける。さらに、三重水素 3H には特別な略記号 T が与えられていた。すなわち、3H は単純に T に置き換えて良い。したがって、
    1HT16O
    と書ける。ここで最後に、左肩の質量数の添字を省略すれば、トリチウム水を表す水分子の式は、
    HTO
    となることがわかる。
  3. ^ トリチウム水 HTO は、天然存在濃度では、軽水( H2O)と性質や反応にほとんど違いがなく、水の理想的なトレーサーとしての利用がある。宇宙線の作用による生成速度を一定とみなせば、放射性壊変による消失速度が一定であるので、地球における天然の三重水素総量は古今とも一定値となる。 大気循環しているトリチウム水濃度はおおまかに地球上で動植物も含め一定値と考え、水中濃度の低下量から大気循環からはずれた期間を知る地下水の年代測定が可能である。土木、農業分野での地下水流動の実証的な調査に役立てられている。
  4. ^ 日本国内で測定された最高値は、原発事故を起こした福島第一原発の港湾内2・3号機取水口間にて2014年5月12日に採取した海水から1900 Bq/L検出されている。放射能濃度、5カ所で最高値=福島第1港湾内外の海水—東電 2014 年 5 月 16 日 20:30 JST 更新 ウォールストリートジャーナル
    他の原発の例では、1991年2月9日に美浜原発の放射能漏れ事故の際に、福井県美浜沖の海水で1991年2月18日に測定された490 Bq/Lであった。また、東海再処理施設の排水の影響により、茨城県東海沖で1990年1月1日に190 Bq/Lの三重水素が海水から検出されている。
  5. ^ 日本国内の環境中における三重水素濃度は、文部科学省の委託で日本分析センターが環境放射線データベースを公開している。世界の環境水中の三重水素濃度は、国際原子力機関(IAEA)がGNIPデータベース(Global Network for Isotopes in Precipitation)として公開している。また、放射線医学総合研究所のGNIPデータベース用の測定データも環境中のトリチウム測定調査データベースNETS DBで利用申し込みにより無料で検索できる。
  6. ^ 1[PBq](1ペタベクレル)=1015[Bq](1千兆ベクレル)
  7. ^ 宇田(2009)
  8. ^ 核兵器(分裂と融合)の大気圏内核実験により環境中の濃度は、それ以前の天然存在量の200倍程度へと急増したが、環境中への放出量の減少により漸減している。百島則幸:トリチウムの環境動態 富山大学水素同位体科学研究センター研究報告
  9. ^ なお、再処理施設からの放出実績及び基準については、表2 再処理施設からの放射性気体廃棄物の年間放出実績(1977年度〜1996年度)及び表3 東海再処理施設保安規定に定める処理済廃液の放出基準および1年間の最大放出量(ATOMICA:再処理施設からの放射性廃棄物の処理内図表)参照
  10. ^ 宮本 (2008)
  11. ^ 武谷(1957) p.194
  12. ^ 松岡 (1995) p. 9, 10
  13. ^ 須山 (1981)
  14. ^ 詳細は、松岡 (1995) p. 9, 10参照。なお、その事例の報告を受けICRPの安全基準は改訂されている。同書より。
  15. ^ 放医研(1978)、放医研(1986)、放医研(1999)
  16. ^ 井上 (1989), 理科年表
  17. ^ 松岡 (1995) pp. 13–14
  18. ^ またトリチウム水は、分子生物学の実験などにおける、放射性同位元素標識にも利用される。
  19. ^ 一般環境中の濃度は 1〜3 Bq/L 程度と低いため、特別にバックグラウンドノイズを軽減した液体シンチレーションカウンターが必須である。なお、かつてはガスカウンターが用いられた。百島則幸:トリチウムの環境動態 富山大学水素同位体科学研究センター研究報告
    別な方法としては、崩壊で生じる 3He を質量分析装置で計測する方法もあるが、数ヶ月の期間が必要である。トリチウム 原子力資料情報室 (CNIC)
  20. ^ 原水爆実験 (1957) pp. 194–197
  21. ^ トリチウム 原子力資料情報室 (CNIC)
  22. ^ 一般的な溶媒である水そのものであるため、化学反応により溶媒に不溶性の化合物を作り沈殿させ、それをろ過するという手法などが使えない。
  23. ^ 水素は同位体の質量比がすべての元素の中で最も大きく、同位体分離が一番容易であると言われる。資料(2014) p.29
  24. ^ 資料(2014) pp.29-38、磯村 (1981)
  25. ^ 現在もっとも多くのトリチウムを生成している施設は原子炉の一種であるCANDU炉である。CANDU炉では重水を冷却と減速材に使用するため、重水中の重水素が中性子を吸収することにより生じる。トリチウムの回収はCANDU炉使用の上で重大な問題であり、回収されたトリチウムは科学的、あるいはその他の目的に使用されるが、一部は環境中に放出される。実際、カナダのブルース原子力発電所や韓国の月城原子力発電所周辺では環境中トリチウム濃度の増加が観測されている。
  26. ^ 膨大な汚染水から低濃度のトリチウムを分離するのは溶媒が水であるがために難しく、原子力施設から環境中に放出されたトリチウムは2015年現在の技術では除染できない核種である。
  27. ^ 原水爆実験 (1957) pp. 194–195。ほか、工藤 (1985) に詳しい。
  28. ^ 本来、原子炉内で核分裂に寄与しない中性子は、燃料棒などに含まれるウラン238をプルトニウム239に核変換させるために利用させるため、この方法ではプルトニウムを作る代わりにトリチウムを作るということになり、プルトニウム価格に応じて高くなる。武谷著作集3 pp. 281–285
  29. ^ 宇田(2009)
  30. ^ 実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則九十条六・七、規制基準資料 p.2
  31. ^ 試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則等の規定に基づき、線量限度等を定める告示別表第1(ただし、核種の表記として『3H』とするべきところ、『3H』という表記になっている。)、規制基準資料 p.3
  32. ^ a b 環境・安全専門部会報告書(環境放射能分科会) 第3節 軽水型原子力発電所からの放出実績及び被ばく評価 5
  33. ^ “トリチウムの環境中での挙動”. 原子力百科事典ATOMICA. 2017年6月11日閲覧。
  34. ^ McCubbin D et al (2001). "Incorporation of organic tritium (3H) by marine organisms and sediment in the severn estuary/Bristol channel (UK)." Mar Pollut Bull. 2001 Oct;42(10):852-63. PMID11693639
  35. ^ a b Enhancement of tritium concentrations on uptake by marine biota: experience from UK coastal waters,Hunt GJ1, Bailey TA, Jenkinson SB, Leonard KS.,J Radiol Prot. 2010 Mar;30(1):73-83. doi: 10.1088/0952-4746/30/1/N01. Epub 2010 Mar 10. [1] (PDF)
  36. ^ Jaeschke et al. (2013). “Bioaccumulation of tritiated water in phytoplankton and trophic transfer of organically bound tritium to the blue mussel, Mytilus edulis.” J Environ Radioact. 2013 Jan;115:28-33. PMID 22863967
  37. ^ 放射性廃棄物の海洋投棄については昭和40年代から調査検討されている。参考資料2

参考文献

全般
核融合・水素爆弾について
生物影響について
その他

関連項目

外部リンク

2018年5月27日日曜日

日本に於ける自然破壊、新創世記

新創世記、人類と自然

破壊からの創造、進化の過程には必ずある法則が崩壊、自然崩壊である。
人為的に力を加えたものが、破壊であり、自然破壊なのでしょう。
人類自らの手で、破壊を招いた事故は、人工的に自然環境を破壊したと言える。
創造の為の破壊にせよ、自然破壊は人類自らが行った事に、異論を唱える者はいない。
破壊防止ではなく、破壊活動そのもででしかなく、人類が自ら行う、破滅の活動なのかもしれません。
いずれにせよ、破滅と破壊は訪れるのが世の常、そして新な時代が始まり永遠に繰り返されるのが人類なのかもしれないと想いのであった。

自然と創造、生物は宇宙の中で、生き続けるのが前提、その一部を担うのが我々人類なのである。自然との調和、自然に委ねて生きるのも人類の大事な使命と言えよう。
創世紀、人類が征服する自然は、誤りであり報いを受けるのは必然である。全人類の命運は人類の手に委ねられている。絶滅か破滅、人類への問いかけは自然である。

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2018年5月26日土曜日

環境破壊と生態系

環境破壊と生態系

環境破壊、激変する生態系は人為的に生み出された「元物質」である。
野性化する生態、生態系の異常は人的に生み出された創造、人工的に造り出したと言ってよいと思う。

 自然環境の変異、破壊における付加価値的な要因の一つが生態系に及ぼす影響と考えるのである。
ある一定の秩序の崩壊が、影響を与え、新たに生み出されると言って良い、進化の過程には必要不可欠、生態系にみる進化の過程に着目するのである。
環境の崩壊、変異と生態系との関連性、「物質と生物、環境」に焦点をあてる事で理解が深まった。

生物、物質、環境を取りまとめて考えると「生態系」と考えても誤りではない。
 ECOSYSTEM
生物群集とそれを取巻く物理的・化学的環境がつくりだす機能的なまとまりをさす。この考えはイギリスの生態学者 A.タンズリーによって提唱された (1935) 。一つの生態系内で各生物は生産者,消費者というような役割分担を有し,それらの間での物質およびエネルギーの流れの解析が,生態学の一分野として重要である。
抜粋した意味では、以上で生産と消費、エネルギーなど力関係を主とするが、生物学的な生態系、 弱肉強食、食物連鎖、生息生態など、自然環境に特化している。

2018年5月24日木曜日

テラー・ウラム型の基本原理

基本原理

テラー・ウラム型の基本原理は、熱核兵器内の異なった部分が各段階の爆発で生じたエネルギーを、次の段階の起爆に利用する”多段階”として連鎖反応させられるという考えに基づいている。最小限の構成では、核分裂爆弾で構成されたトリガーとしてのプライマリー(第1段階)と、核融合燃料で構成されたセカンダリー(第2段階)の部分から構成される。段階式である理由により、セカンダリーと同じ構成をターシャリー(第3段階)としてさらに核融合燃料を追加することも可能である。プライマリーからのエネルギー放射によりセカンダリーが圧縮され、爆縮論理により核融合燃料が加熱されて反応が始まる。

テラー・ウラム型構成の一例
核融合燃料は放射性物質(ウラン235など)の容器に入っており、これはプライマリーで生じたエネルギーを一時的に閉じ込める役割を果たす。容器の外側は爆弾自体の容器であり、これは全ての熱核爆弾に共通の構造で、一般に公開されるのはこの外観だけである。異なった熱核爆弾の外観をとらえた膨大な写真は、機密解除されている [3]。
プライマリーは一般的な”爆縮”型原子爆弾であると考えられているが、核分裂反応の強化(ブースター)用に少量の核融合燃料も添加されている場合がある。核分裂反応で核融合燃料が加熱・圧縮されると大量の中性子を放射する。一般的には核融合爆弾を造る能力がある程の技術者であれば、核分裂反応を強化することも自在である。プライマリーが起爆されると、プルトニウム239、またはウラン235の核が爆縮レンズ形状に配置された高性能爆薬により球形に圧縮され、連鎖反応を起こして核分裂エネルギーを発生させる。
セカンダリーは通常、核融合燃料とその他の材料との円筒形積層構造になっている。円筒のいちばん外側は”プッシャー・タンパー”という部分で、ウラン238(劣化ウラン)や鉛で出来ており、核融合燃料の圧縮を助ける働きをする(ウランの場合には、最終的に自身も核分裂反応を起こす)。核融合燃料部分は通常水素化リチウムで構成される。この理由は極低温の必要がある液化重水素/三重水素を使用するよりも兵器としての運用が遙かに容易なためである(比較として、液化三重水素を使用したアイビー作戦マイク実験と、水素化リチウムを使用したキャッスル作戦ブラボー実験があげられる)。水素化リチウムを用いたものは、乾式と呼ばれる。この"乾式"燃料にプライマリーからの中性子が当たると三重水素が発生する。この重い水素の同位体は、燃料に元々混ぜられている重水素と共に核融合を起こす(核融合時の技術的な振る舞いに関しては、核融合記事を参照のこと)。積層燃料の中心部には”スパーク・プラグ”と呼ばれる部分があり、ここには意図的に”空気の泡”が入れられた核分裂物質(プルトニウム239、またはウラン235)があり、この部分もプライマリーの爆発により圧縮されると核分裂を起こす(圧縮により臨界量を超える様に設計されているため)。さらにターシャリーを設置する場合には、セカンダリーと同等の構造のものを、プライマリー=セカンダリーと同等の位置関係で、外側に設置する [4] [5]。
プライマリーとセカンダリーの二重構造となっている理由は、その中間段階にある。核分裂を起こすプライマリーは3種のエネルギー(高温高圧のガス、強力な電磁波、大量の中性子)を発生する。この中間部分の存在により、プライマリーからセカンダリーへの核融合反応発生のための必要なエネルギー変換を行なわれている。この部分は高熱のガス、電磁波、及び中性子を正しい方向に正しいタイミングで送り出すために重要である。中間部分を持たない構造では、セカンダリーは完全には起爆しない場合が多く、この状態は”フィズル”として知られている。キャッスル作戦の”クーン実験”は良い例で、高圧ガスによるセカンダリーの圧縮がまだ不十分な内に大量の中性子放射が始まってしまい、結果として核融合反応を阻害してしまった。
公開されている文書の中では、この中間段階に関する記載は極く少ししか無い。その中でもベストなのは、米国のW76型核弾頭によく似たイギリスの熱核爆弾の簡略構造図である。これはグリーンピースによって"Dual Use Nuclear Technology"と言う名称で報告されている[1] (清書版はこちら[2])。この構造図には、主な部品とその配置が描かれているが、詳細については殆どが欠けている(この部分は故意に省略された可能性が高い)。これらは”終端キャップと中性子集束レンズ”、及び”反射板覆い”と表記されている。中間部分には、プライマリーからスパーク・プラグへの中性子の通路と、セカンダリーへのX線の反射通路がある。一般的に全体を包む容器は、ウラン等のX線を通さない物質で造られる。ただしここはプライマリーからのX線を鏡の様にを反射するのではなく、代わりにX線によって高温状態になり、X線をムラ無くセカンダリーに伝える(この現象は”放射爆縮”として知られている)。次に”反射材/中性子銃砲架”は、中央にある中性子集束レンズとプライマリー側の全体ケースとの隙間を埋め、X線の反射材として機能している間はプライマリーとセカンダリーを分離させ、中性子銃砲架のうちのおよそ6個(詳細はサンディア国立研究所[3]を参照)は各々の一端と共に反射材の外側に突き抜けて砲架に留められ、反射板覆いの周囲に均等に配置される。しかしながら各々は、隣のものよりも高い位置に傾いて取り付けられている(これは銃身のライフリングに似ている)(”ポリスチレンの偏光プリズム/プラズマ源”は以下を参照のこと)。
米国政府の文書で中間段階に関して最初に解説されたのは、公開された高信頼性代替核弾頭(Reliable Replacement Warhead)の中である。この文書では、機構単位でみた"RRW"の潜在的優位性について述べられており、中間段階方式の”有害物質、不安定な物質、そして高価で特別な材料”を置き換える”特別な機構”を有するとしている [6]。 この”有害で不安定な物質”とはベリリウムを指しており、これはプライマリーからの中性子の流れを加減するものと広く知られている。またX線の吸収と再放射のためにも、いくつかの物質が使われている [7] 。
特別な材料としては、非公式なコードネームで”フォグバンク(Fogbank)”と呼ばれるものがあるが、これは物質ではなく構造部品であると考えられている。この構造部品はエアロゲルである可能性が指摘されている。しかしながらこの生産は、もう何年も行われていないが、”核兵器の延命作業”には生産再開を必要としている(唯一アメリカ合衆国エネルギー省の国家核安全保障局Y-12プラント(テネシー州オークリッジ)のみが供給可能な工場である)。この製造には有害で不安定なアセトニトリルを必要とし、これは作業者に危険が及ぶ可能性がある(2006年3月には、3度の事故を起こしている) [8]。 上記の内容を簡略化すると、以下の様になる。
  1. まずプライマリーとして、爆縮型の核分裂爆弾が爆発する。核分裂反応の効率を高めるためにプライマリー・コアに核融合燃料も使用することは、反応の”増強(Boosting)”と呼ばれる。極少量の三重水素ガスがブースター用として、プライマリー内部に入れられていた場合、三重水素は核分裂爆発により圧縮されて核融合反応が発生する。この核融合反応は核出力にほとんど寄与しないが、効率的に中性子を発生させる。この中性子が核分裂反応のブースターとして作用し、発生した中性子はプライマリー内のウラン235やプルトニウム239にさらなる核分裂を起こさせる。このブースティングにより、核分裂燃料の反応する割合を向上させることができる(この増強手法を使わなかったため、リトルボーイでは1.4%、ファットマンでは14%が実際に反応を起こした部分であると言われている)。
  2. プライマリーで発生したエネルギーは、セカンダリーの核融合燃料部分に転送される。しかしながら、転送の正確な仕組みは不明である(この仕組みに関する推測は下記を参照のこと)。転送されたエネルギーは、核融合燃料及びスパーク・プラグを外側から圧縮する(圧縮されたスパーク・プラグは臨界に達し、核分裂連鎖反応を起こす。この反応で出る熱は、圧縮された核融合燃料をさらに加熱し、核融合反応が起こるに十分な温度にまで燃料の温度を上昇させる。さらにスパーク・プラグの核分裂反応は中性子を発生し、これが核融合燃料中のリチウムから核融合を起こす三重水素を生成させる)。一般的には、一定の容積内にある気体分子の運動エネルギーが上昇すると、気体の温度と圧力が上昇する(これは一般的な気体の振る舞いである)。
  3. セカンダリーの核融合燃料は、通常は劣化ウランや天然ウランのタンパー/プッシャーに囲まれており、この部分のウラン238は通常の核分裂爆弾で発生する中性子では核分裂を起こさないが、核融合燃料が反応を起こした際に発生する高速中性子では核分裂を起こし、場合によっては核融合によるエネルギー以上のエネルギーを発生させる。
実際の熱核兵器のデザインは多様である。例えば、プライマリーで核分裂反応のブースティング機構を使うか使わないか、異なった種類の核融合燃料を使うか、核融合燃料の周囲を劣化ウランや天然ウランではなくベリリウム(または中性子を反射する材料)を使用し、さらなる核分裂反応が起こる事を抑制する等がある。
テラー・ウラム型の基本的な考えは、核分裂や核融合(またはその両方)の各”段階”がエネルギーを放射し、これを次の段階の起爆に使用するというものである。プライマリーで発生したエネルギーを正しくセカンダリーに伝える方法に関しては、いくつかの異なる論議があるが、主にプライマリーの核分裂で放射されるX線を転送することで行っていると考えられている。この転送されたエネルギーはセカンダリーを圧縮することに使われるが、この方法に関しては5つの理論が提案されている。
  • プライマリーの核分裂反応による中性子の放射を使用する方法。これは”スタニスワフ・ウラム”の最初の提案だと言われているが、正しく機能しなかったために破棄された。
  • プライマリーの爆発による衝撃波を使用する方法。これはスタニスワフ・ウラムの2番目の提案だと言われているが、やはり正しく機能しなかったために破棄された。
  • X線による放射圧力を使用する方法。この方法は最初の実用案であったが、米国人ジャーナリストのハワード・モーランドにより The Progressive 誌上で公開されてしまった。
  • X線により、容器内の充填物(ポリスチレン)からプラズマを発生させる方法。これは米国人の研究家チャック・ハンセンにより公開され、後年になってからはハワード・モーランドもこちらに賛同した。
  • タンパー・プッシャー蒸発圧力法。これが現在、実際に使われている機構だと考えられている。
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44 Deliberation Deliberation No. 3 February 6, Showa 44

Regarding the release of radioactive liquid waste from the reprocessing facility etc.About thinking on prevention of disability (report)

44 Deliberation Deliberation No. 3February 6, Showa 44

    
Prime Minister Eisaku Sato
Chairman of the Radiation CouncilKenjiro Kimura
Regarding the release of radioactive liquid waste from the reprocessing facility etc.About thinking on prevention of disability (report)
Regarding the mark which had been consulted with this council on March 19, 1943 under the original number 1206, we deliberated deliberations at the special watershed release subcommittee, but in the case of the meeting held on February 6, 1964 We got the conclusion at the 23rd Radiation Council General Assembly as follows and we will respond.
Record
Ⅰ Basic attitude in deliberation
The Radiation Council believes that the basis for protecting citizens from radiation hazards in promoting peaceful uses of nuclear energy is to respect the recommendations of the International Radiological Protection Committee.The Council deliberated on the following basic attitude.

1 Exposure doseRegarding the radiation dose of citizens, even if we take into account all the exposures (excluding radiation for receiving medical treatment and radiation from natural radiation) that every single citizen receives in daily life as much as possible It should not exceed the dose limit for the public members as recommended by the International Radiological Protection Committee.
2 On internal and external radiation exposureFor low-level radioactive liquid waste (Note 1) released into the sea area, internal radiation exposure caused by ingestion of radioactive material in the waste liquid by people through seafood foods and external radiation directly received by humans in the area or in the surrounding area Should be considered.
3 About the target groupWith regard to the radiation set forth in the preceding paragraph, in order to ensure the safety of all citizens, consideration should be given to a group considered to have the largest radiation dose.
4 About target facilitiesWe will mainly consider reprocessing facilities, but we think that the way of thinking that results from deliberations basically applies to all nuclear facilities. In applying the concrete application, please respect the spirit of the recommendation of the International Radiological Protection Committee and take into consideration all the conditions such as the type of facility and the situation of the environment, so as to minimize the radiation dose as much as possible Should.

Ⅱ Results of deliberation
Traditionally, in order to protect citizens from radiation damage in Japan, we respect the spirit of the recommendation of the International Radiological Protection Committee and basically reduce the radiation exposure as much as possible. For occupants, the recommended maximum allowable dose We have taken legal restrictions so that it does not exceed, and we have taken sufficient measures not to exceed the dose limit for the public members indicated in the recommendation for the general public.This principle must also be observed with respect to the radiation dose when low-level radioactive liquid waste generated from reprocessing facilities etc. is released into the sea area.Therefore, the idea concerning the prevention of damage related to the release of low-level radioactive liquid waste in the sea is as follows.

1 Specificity of exposure due to sea emissionHuman radiation exposure due to the release of low-level radioactive waste into the ocean is partly due to internal exposure from radioactive substances ingested by humans via marine products produced from the sea area. In this case, consideration should be given to the in vivo concentration of radioactive materials by marine organisms and the attachment of radioactive substances to the surface of marine products.On the other hand, there are external exposures that fishermen, beaches etc. may receive from fishing gear or beach etc.Therefore, for radiation exposure of people due to ocean emission of low level radioactive waste liquid, these two types of radiation exposure must be examined comprehensively.
2 Estimated exposure doseConsideration to minimize the exposure dose of people caused by release of low level radioactive liquid waste into the ocean, including radiation exposure due to other causes (excluding exposure to radiation treatment and exposure to natural radiation) Do not exceed the dose limit for the members of the public as recommended by the International Radiation Protection Committee.Therefore, the radiation dosage as a measure of human exposure dose resulting from the release of low-level radioactive liquid waste should be taken considerably lower than this dose limit. This value depends on the type of facility and the situation of the environment Depending on the specific factors of the situation, it must be properly set. (Note 2)
3 Management of marine environmentIn releasing the low-level radioactive liquid waste in the ocean area, depending on the quality and quantity of the waste liquid, follow the process until the radioactive substance in the waste solution touches the person and take into consideration the above-mentioned various factors concerning the radiation, The maritime environment must be properly managed.
4 Release of radioactive waste liquidWhen estimating the amount of radioactive material that can be emitted over a certain period of time based on human exposure dose, factors related to the aforementioned radiation exposure must be taken into account. Regarding the values ​​of these factors, if surveys of the relevant sea area and other necessary surveys are carried out according to the type of facility and the quality and quantity of waste liquid, etc., and comprehensively examined, unless the results are not set to be on the safe side It will not.
5 Emission from multiple facilitiesWhen multiple facilities are installed or expected to be installed in the same area, keep in mind that there is an additive effect of the released radioactive liquid waste, so that the above-mentioned idea is applied as a whole to the individual seawater For institutions the release of low level radioactive waste should be limited.
Radioactivity monitoring and evaluation in 6 areasFor releasing the low-level radioactive liquid waste in the sea, concentrations of radioactive substances such as sea water and necessary marine organisms in the relevant sea area are periodically measured according to the type of facility and the quality and quantity of waste liquid, and the radioactivity level of the environment Must be monitored. In addition, an authoritative organization for evaluating the results fairly must be prepared in advance.The results of the measurement and evaluation described above, together with the progress of research on environmental radioactivity in the sea area, should be utilized as important material for releasing future low-level radioactive liquid waste.The above idea is the basis for protecting the public against radiation hazards in response to the release of radioactive liquid waste in the sea.

    
(Note 1) At the report of the Special Committee on Waste Treatment of the Atomic Energy Commission (September 12, 1967), low level is set at 10 -3 to 10 - 6 μCi / cm 3 as a classification for treatment. The Council discussed the following considering the low level radioactive liquid waste to be less than about 10-3 μCi / cm 3 and considering the equivalent treatment in consideration of human exposure.

    
(Note 2) In order to respond to the immediate needs, we discussed deliberately the values ​​that should serve as an indication of the radiation dose for reprocessing facilities. As a result, I think that it is appropriate to set this value to 1/10 of the dose limit for the public members for the time being.

2018年5月5日土曜日

原子力発電との関係

ウラン238

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ウラン238
概要
名称、記号 ウラン238,238U
中性子 146
陽子 92
核種情報
天然存在比 99.284%
半減期 44億6800万年
親核種 242Pu (α)
238Pa (β−)
崩壊生成物 234Th
同位体質量 238.0507826 u
アルファ崩壊 4.267 MeV
ウラン238(uranium-238、238U)とはウランの同位体の一つ。ウラン238は中性子が衝突するとウラン239となる。ウラン239は不安定でβ-崩壊しネプツニウム239になり、さらにβ-崩壊(半減期2.355日)しプルトニウム239となる。
天然のウランの99.284%がウラン238である。半減期は4.468 × 109年(44億6800万年)。劣化ウランはほとんどがウラン238である。濃縮ウランは天然ウランを濃縮して、よりウラン235の濃度を高めたものである。
ウラン238は核兵器や原子力発電と関係がある。

目次

核兵器との関係

通常、ウラン238は、中性子の捕獲率が高く、それは結果としてウラン235の核分裂反応を妨げる。そのため、兵器級(Weapon-Grade)濃縮ウランを製造する際には、ウラン238の割合が低くなるように配慮される。広島に投下された原子爆弾ではウラン235が80%、ウラン238が20%であった。
ただし、ウラン238も高速中性子にさらされると核分裂反応が起こる。そのため、水素爆弾やその派生である3F爆弾では、核融合反応を発生させるためのX線の反射材として、また核融合で発生する高速中性子と反応させるブースターとして使用される。

原子力発電との関係

軽水炉による原子力発電においては低濃縮ウランが用いられるが、ウラン238が中性子照射によって核種変換されて生じるプルトニウムはそのまま核分裂してエネルギー生成に寄与する。高速増殖炉においてはウラン238はブランケット燃料として炉心に装荷されプルトニウムを生成するのに使われる。

対称核分裂

ウランの同位体の中で、唯一ウラン238のみが対称核分裂する[1]。対称核分裂とは、ウラン238の場合、ウランの原子番号92番の真半分の原子番号46番パラジウム2個に分裂することを言う。また、その分裂した2個の原子の番号が真半分に近い値であり、その2つの原子番号の和が元の原子の番号と等しい場合、非常に対称性の高い核分裂と言える[2]。
対称核分裂は、励起エネルギーと共に増えることや[3]、その生成物が核分裂連鎖反応の傾向の一つであることが[4]知られている。

放射性降下物ネプツニウム237を生成

ウラン238は、速中性子照射によって生成するウラン237がベータ崩壊してネプツニウム237を生成する[5]。ネプツニウム237は、核兵器の爆発によって生成する[6]ことから、核実験の放射性降下物として知られている[7]。

脚注

  1. ^ “Fission Chain Reaction_Trends of Fission Products_Symmetric Fission Products”. The LibreTexts libraries. 2018年2月23日閲覧。
  2. ^ “仁科芳雄博士生誕 120 周年記念講演会 日本現代物理学の父 仁科芳雄博士の輝かしき業績_ウラン -237 と対称核分裂の発見(pp.45-46)”. 仁科記念財団. 2018年2月23日閲覧。
  3. ^ “核分裂理論入門”. 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA). 2018年2月24日閲覧。
  4. ^ “Fission Chain Reaction_Trends of Fission Products_Symmetric Fission Products”. The LibreTexts libraries. 2018年2月24日閲覧。
  5. ^ “ネプツニウム-237(237Np)”. 原子力資料情報室. 2018年3月2日閲覧。
  6. ^ “ネプツニウム-237(237Np)”. 原子力資料情報室. 2018年3月2日閲覧。
  7. ^ “Neptunium-237 production from atmospheric nuclear testing”. IAEA. 2018年3月2日閲覧。