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2022年4月12日火曜日

キーウ近郊 激しい戦闘の爪痕

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220411/K10013576871_2204111530_0411153851_01_03.jpgキーウ近郊 激しい戦闘の爪痕 ロシア軍戦車の残骸も

現地時間の10日、ロシア軍が撤退したウクライナの首都キーウ近郊にNHKの取材班が入りました。
キーウ近郊のロシア軍が撤退した村では、多くの住宅が砲弾などで破壊されていました。また、キーウに向かう幹線道路の脇には、ロシア軍の戦車の残骸がいくつも見られるなど、激しい戦闘の爪痕が至る所で見られました。
【動画:44秒】(データ放送ではご覧になれません)

2019年12月17日火曜日

元素記号一覧表

元素記号一覧表。
・元素記号の単語カード形式サイト(元素記号 単語カード
・元素記号一覧表の切り替え(リンク無し 元素記号一覧表
原子番号 元素記号 日本語名
原子番号 元素記号 日本語名
1H水素
61Pmプロメチウム
2Heヘリウム
62Smサマリウム
3Liリチウム
63Euユウロピウム
4Beベリリウム
64Gdガドリニウム
5Bホウ素
65Tbテルビウム
6C炭素
66Dyジスプロシウム
7N窒素
67Hoホルミウム
8O酸素
68Erエルビウム
9Fフッ素
69Tmツリウム
10Neネオン
70Ybイッテルビウム
11Naナトリウム
71Luルテチウム
12Mgマグネシウム
72Hfハフニウム
13Alアルミニウム
73Taタンタル
14Siケイ素
74Wタングステン
15Pリン
75Reレニウム
16S硫黄
76Osオスミウム
17Cl塩素
77Irイリジウム
18Arアルゴン
78Pt白金
19Kカリウム
79Au
20Caカルシウム
80Hg水銀
21Scスカンジウム
81Tlタリウム
22Tiチタン
82Pb
23Vバナジウム
83Biビスマス
24Crクロム
84Poポロニウム
25Mnマンガン
85Atアスタチン
26Fe
86Rnラドン
27Coコバルト
87Frフランシウム
28Niニッケル
88Raラジウム
29Cu
89Acアクチニウム
30Zn亜鉛
90Thトリウム
31Gaガリウム
91Paプロトアクチニウム
32Geゲルマニウム
92Uウラン
33Asヒ素
93Npネプツニウム
34Seセレン
94Puプルトニウム
35Br臭素
95Amアメリシウム
36Krクリプトン
96Cmキュリウム
37Rbルビジウム
97Bkバークリウム
38Srストロンチウム
98Cfカリホルニウム
39Yイットリウム
99Esアインスタイニウム
40Zrジルコニウム
100Fmフェルミウム
41Nbニオブ
101Mdメンデレビウム
42Moモリブデン
102Noノーベリウム
43Tcテクネチウム
103Lrローレンシウム
44Ruルテニウム
104Rfラザホージウム
45Rhロジウム
105Dbドブニウム
46Pdパラジウム
106Sgシーボーギウム
47Ag
107Bhボーリウム
48Cdカドミウム
108Hsハッシウム
49Inインジウム
109Mtマイトネリウム
50Snスズ
110Dsダームスタチウム
51Sbアンチモン
111Rgレントゲニウム
52Teテルル
112Cnコペルニシウム
53Iヨウ素
113Nhニホニウム
54Xeキセノン
114Flフレロビウム
55Csセシウム
115Mcモスコビウム
56Baバリウム
116Lvリバモリウム
57Laランタン
117Tsテネシン
58Ceセリウム
118Ogオガネソン
59Prプラセオジム



60Ndネオジム



2018年12月24日月曜日

汚染水対策の最新状況と今後の課題

「トリチウム水」って何?

汚染水対策の最新状況と今後の課題
2018.6.20
原子力安全事業本部村上佳菜
福島第一原子力発電所廃炉のこれまでと、これから
福島第一原子力発電所では、放射性物質を含む汚染水を浄化設備で処理し、処理後の水をタンクに貯蔵しています。

汚染水に関するニュースでは、「凍土壁」「サブドレン」「トリチウム」など、あまり聞き慣れない用語が出てくることが多く、わかりにくい面があるかもしれません。「福島第一原子力発電所の汚染水問題とは?」「『トリチウム水』とは?その性質や現状は?」を中心に、汚染水をめぐる状況を解説します。

1.福島第一原子力発電所の汚染水問題とは?

①なぜ汚染水が発生するのか?

原子力発電所では通常、運転に伴い発生した放射性物質のほとんどが原子炉圧力容器内の燃料棒の中に閉じ込められています。しかし、福島第一原子力発電所では事故により燃料棒が溶融し、原子炉圧力容器およびその外側にある原子炉格納容器内で発生した「燃料デブリ」(※1)に含まれる放射性物質(セシウム、ストロンチウム、トリチウムなど)が燃料デブリの冷却水と触れ、「汚染水」となりました。さらに、その汚染水が原子炉格納容器の中だけでなく原子炉建屋内やタービン建屋内などにも広がりました。現在もなお、原子炉建屋内には地下水が日々流れ込んでおり、汚染水は流入した地下水の量だけ新たに発生しています。
図1 福島第一原子力発電所における原子炉建屋内の汚染水の状況
図1 福島第一原子力発電所における原子炉建屋内の汚染水の状況
出所:参考文献(※2)を基に三菱総合研究所作成

②汚染水への対策状況は?

汚染水対策は、「汚染源に水を近づけない」「汚染源を取り除く」「汚染水を漏らさない」の三つの基本方針に沿って行われています。

一つ目の「汚染源に水を近づけない」とは、新たな汚染水の発生を抑制するため、原子炉建屋内へ流入する地下水量を減らす対策です。

いわゆる「凍土壁(凍土方式による陸側遮水壁)」とは、この「汚染源に水を近づけない」ための対策の一つです。土壌を凍結させた氷の壁を設置することにより、原子炉建屋に流入する地下水を減らすことを目的としています。あわせて、地下水の上流側に井戸(サブドレン)を設置し、原子炉建屋内に流入する前の地下水をくみ上げることで、原子炉建屋内に流入する地下水を減らす対策もとられています。凍土壁の設置や地下水のくみ上げなどの対策を行ったことで、それ以前は1日あたり490t発生していた汚染水が、現在は110tまで低減されました(※3)

二つ目の「汚染源を取り除く」とは、汚染水を浄化設備で処理することで、汚染源である放射性物質を除去する対策です。

汚染水からセシウム、ストロンチウムを重点的に除去した後、多核種除去設備(ALPS(アルプス))を用いて大半の放射性物質を除去しています。ALPSで浄化処理を行った水(以下、「処理水」)は、タンクに入れて福島第一原子力発電所の敷地内に貯蔵されています。なお、この処理水にはALPSでも取り除くことができない放射性物質の「トリチウム」が含まれていることから、タンクに貯蔵された処理水は「トリチウム水」とニュースなどで呼ばれることがあります。

最後の「汚染水を漏らさない」とは、汚染水や処理水の漏えいによる周辺環境への影響を防止する対策です。

その一つとして、福島第一原子力発電所の1~4号機の海側に「海側遮水壁」と呼ばれる鋼鉄製の杭の壁を設置することにより、1~4号機の敷地から放射性物質を含む地下水が海に流出するのをせき止める対策がとられています。

また、処理水がタンクから漏えいするのを防ぐため、漏えいのリスクが低い型のタンクを使用しています。

図2 三つの基本方針に基づく汚染水対策イメージ
図2 三つの基本方針に基づく汚染水対策イメージ
出所:参考文献(※2)を基に三菱総合研究所作成

2.「トリチウム水」とは?その性質や現状は?

①「トリチウム」とはどんな物質なのか?

汚染水対策の三つの方針で、二つ目の「汚染源を取り除く」でも触れましたが、ALPSでも除去できない放射性物質が「トリチウム」です。トリチウムという名前を聞いても、あまりなじみがなくどんな物質か見当がつかないと感じる方も多いかもしれません。

トリチウムは、日本語で「三重水素」と呼ばれる水素の仲間(同位体)です。水素と聞くと、原子核の陽子一つの周りを電子が回っている「軽水素」を想像される方が多いでしょう。水素の仲間には、原子核が陽子一つと中性子一つで構成される「重水素」、そして原子核が陽子一つと中性子二つで構成される「三重水素」の「トリチウム」があります。

トリチウムは、原子力発電所を運転することで発生しますが、自然界でも大気中の窒素や酸素と宇宙線が反応することで生成されています。水分子を構成する水素として存在するものが多いことから、トリチウムは大気中の水蒸気、雨水、海水だけでなく、水道水にも含まれています。

軽水素や重水素は安定な同位体で放射線は出しませんが、トリチウムは12.33年の半減期(元の原子核の数が半分になる時間)でβ線を出してヘリウム-3に変わる放射性同位体です(β線については後述)。
図3 水素の仲間(同位体)
図3 水素の仲間(同位体)
出所:三菱総合研究所

②なぜトリチウムの除去は難しいのか?

トリチウムは、処理水中で水分子の一部となって存在しています。このため、水の中にイオンの形で溶けているセシウムやストロンチウムといった他の放射性物質とは異なり、トリチウムが含まれる水分子のみを化学的な方法により分離し、除去することは容易ではありません。

福島第一原子力発電所で発生した処理水に含まれるトリチウムを含む水分子(下図のHTOやT2O)の濃度は最大でも1Lあたり数百万Bq(※4)です。これは1Lの処理水に含まれるトリチウムがわずか100ng(n(ナノ)は10-9)(重量の割合にして100万分の一よりはるかに少ない)程度であることを示しています。トリチウムを含む水分子だけを処理水から分離して取り出す方法も開発されていますが、このようなわずかな量のトリチウムを大量の処理水から取り出すには、膨大なエネルギーとコストが必要になり、現実的に利用可能な効率的な分離を行うには、さらなる技術開発が必要となります。
図4 トリチウムを含む水分子の構造
図4 トリチウムを含む水分子の構造
出所:三菱総合研究所

③トリチウムの、人体や環境への影響は?

トリチウムは放射線の一種であるβ線を出しますが、このβ線はとてもエネルギーの低い電子であるため紙一枚で遮ることができるほど弱く、外部から被ばくしても人体への影響はほとんどありません。また、水として飲んだ場合でも、特定の臓器に蓄積することはなく、他の放射性物質と比べて速やかに体外に排出されます。そのため、内部からの被ばくの影響も、取り込んだ放射能あたりで見れば他の放射性物質よりも小さくなっています。これまでも水道水などを通じてトリチウムは日常的に私たちの体内に取り込まれていますが、通常の生活を送ることで取り込んだトリチウムによる健康影響は確認されていません。

原子力発電所など国内外の原子力関連施設において発生したトリチウムは、近海に排出されています。日本でもこれまで40年以上にわたってトリチウムが排出されていますが、排出にあたっては濃度上限が定められており、原子力関連施設の近海におけるトリチウム濃度のモニタリングも継続して行われています。近海のトリチウム濃度は、WHO(世界保健機関)が定める飲料水のトリチウム濃度(10,000Bq/L)を下回っていることが確認されています。

④「トリチウム水」の処理・処分の取組状況は?

2018年4月時点で、処理水(※5)は、容量が約1,000tのタンクに換算すると1,065基ほどの量(※6)となっています。処理水を貯蔵するタンクの数や敷地は膨大になる一方です。タンクが増え続けるのに伴い、廃炉を進めるための設備増設などが必要となっても、その用地が確保できず作業が遅延するなどの影響が生じる可能性もあります。また、貯蔵し続けることで管理コストがかかり、処理水漏えいのリスクを常に抱えることにもなります。このように、処理水をタンクに貯蔵し続けることにはデメリットがあり、根本的な解決にはならないことから、処理水の処分方法を検討、決定する必要があります。

処理水の処分方法については、「地層注入」「海洋放出」「水蒸気放出」「水素放出」「地下埋設」といった選択肢が検討されています。処分方法の決定にあたっては、技術的な観点(技術的成立性、規制成立性、期間、コスト、作業員の被ばくなど)に加えて社会的な観点(風評被害の発生など)も必要であることから、経済産業省が委員会(※7)を設置し、専門家を交えた総合的な検討が行われているところです。
図5 タンクの大きさ(※8)のイメージ図(身長170cmの人との比較)
図5 タンクの大きさ(※8)のイメージ図(身長170cmの人との比較)
出所:三菱総合研究所
図6 福島第一原子力発電所敷地内の様子
図6 福島第一原子力発電所敷地内の様子
出所:東京電力ホールディングス「2017/6/28(水)「福島第一原子力発電所は、今」~あの日から、明日へ~(ver.2017.6)」(2018年6月12日閲覧)http://www.tepco.co.jp/decommision/news/movie/index-j.html

3.「トリチウム水」の処理・処分を巡る今後の課題は?

トリチウムが出す放射線が非常に弱く、人体や環境への影響が小さいとはいえ、トリチウムを含む処理水を海洋や大気に放出することを不安に感じる方も多いでしょう。福島県産の農林水産物への影響や風評被害発生の懸念も指摘されています。

トリチウムは、あまりなじみがない物質であり、よくわからないため不安に思われている面があると考えられます。処分方法の説明はもちろんですが、まずはトリチウムそのものや影響についての丁寧な説明が不可欠といえるでしょう。

加えて、処分方法の決定にあたっては、決定後にのみ処分方法を周知するのではなく、決定前においても処分方法の検討・選定の観点、各選択肢のメリット・デメリットを丁寧に周知させるなど、決定プロセスの透明性を高めることも重要です。

処理水が処分されれば、福島第一原子力発電所の廃炉作業が一歩前進することになります。国内外から「再汚染」「負の影響の発生」などと捉えられることのないよう、処分方法の決定プロセスおよびその結論に対し、国民の理解・納得が得られるよう最善を尽くすことが望まれます。
※1 原子炉圧力容器内の炉心燃料が、事故によって原子炉格納容器の中の構造物(炉心を支える材料や制御棒、原子炉格納容器底部のコンクリートなど)と一緒に溶けて固まったもの。燃料デブリ取り出しの現状や今後の取り組みは、当連載コラムの「福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出しにむけて」に記載。
※2 経済産業省資源エネルギー庁「廃炉の大切な話 2018」2018年3月
※3 東京電力ホールディングス株式会社「重層的な汚染水対策の効果について」2018年3月1日(2018年6月1日閲覧)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2018/03/3-01-04.pdf
※4 東京電力ホールディングス株式会社、「福島第一原子力発電所の汚染水の状況と対策について」、2017年11月14日(2018年6月1日閲覧)
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/241491.pdf
※5 ここでの処理水には、ALPSでの浄化処理後の水に加えて、今後ALPSで浄化予定のストロンチウム処理水なども含む。
※6 「廃炉・汚染水対策チーム会合/事務局会議(第53回)資料 滞留水の貯蔵状況(4月19日時点)」2018年4月26日(2018年6月1日閲覧) http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2018/05/1-00-02.pdf
※7 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(2018年6月1日閲覧)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku.html#osensuitaisaku_mt

※8 Hitz日立造船株式会社製の工場完成型汚染水貯蔵タンクを想定
http://www.hitachizosen.co.jp/release/2015/04/001667.html

2017年8月3日木曜日

テラーウラム放射圧力法

放射圧力法

放射圧力法は、密閉された容器内で大量のX線光子が発生することで機能し、セカンダリーの核融合燃料を圧縮する。全体の大きさとプライマリーの特色として、2つの熱核爆弾が良く知られている。この一つはアイビー作戦の”マイク実験”であり、もう一つはB61型核爆弾のバリエーションである(巡航ミサイル用の)最新のW80型核弾頭である。マイク実験での放射圧力は7,300万バール(7.3テラパスカル)であったのに対し、W80では14億バール(140テラパスカル)にもなっている。 [9]

発泡剤プラズマ圧力法

発泡剤プラズマ圧力法は、チャック・ハンセンにより開発段階で提案されたもので、これは熱核兵器の容器内に充填する発泡剤に関する調査資料(現在は機密解除されている)を基にしている。
発泡剤を使用した熱核兵器の起爆構造は以下の様になる。
  1. プライマリー内のコアの周囲を囲んでいる高性能爆薬は、爆発すると核分裂燃料を臨界量まで圧縮し、核分裂連鎖反応を開始させる。
  2. プライマリーの核分裂によりX線が放射されるが、これは爆弾の容器部分により内側に反射され、ポリスチレンの発泡剤に放射される(X線の反射の意味については、下図を参照のこと)。
  3. X線を浴びた発泡剤は相転移を起こして高温のプラズマになり、これはセカンダリーに向かって行き”タンパー”を強力に圧縮し、”スパーク・プラグ”内で核分裂反応を始めさせる。
  4. プライマリー起源のプラズマ(外側)とスパーク・プラグ(内側)の両方から圧縮されることで、”重水素化リチウム”燃料は高温・高圧の熱核反応を起こす状態にまで加熱・圧縮される。また中性子の放射も受けることで、リチウム6の原子は2つの三重水素原子に分裂する。そして三重水素と重水素が核融合反応を始め、さらなる中性子と膨大な量のエネルギーを放射する。
  5. 核融合反応を始めた燃料は多量の高速中性子を発生し、これはウラン238で出来たタンパー、及び爆弾の容器に放射され、ウラン238は核分裂反応を始める(デザインによっては、全体の爆発エネルギーの約半分が、この核分裂反応によって発生する)。
これは完全な”核分裂-核融合-核分裂”反応となる。核分裂とは異なり、核融合は比較的”クリーン”な反応で、エネルギーは発生するが有害な放射性物質や多量の放射性降下物は発生させない。しかし(特に最後の)核分裂反応は、莫大な量の放射性降下物を発生させる。もしウラン製タンパーの材料をに変更し、最後の核分裂反応を起こさない様にすれば、核爆発の核出力は約半分になるが、放射性降下物は比較的少ない量に抑えることが出来る。
発泡剤プラズマ機構での起爆手順
A.起爆前の核弾頭:プライマリー(核分裂爆弾)が上側、セカンダリー(核融合燃料)が下側、両方ともポリスチレンの発泡剤により固定されている。
B.プライマリーで高性能爆薬が爆発し、プルトニウムの核が臨界量まで圧縮され核分裂反応が始まる。
C.プライマリーの核分裂はX線を放射し、X線は核弾頭容器の内側へ散乱し、ポリスチレンの発泡剤に放射される。
D.ポリスチレンの発泡剤はプラズマに相転移してセカンダリーを圧縮し、プルトニウム製のスパーク・プラグが核分裂を始める。
E.圧縮と加熱により、重水素化リチウム6の燃料は三重水素を生成し、核融合反応が始まる。中性子の放射はタンパーのウラン238の核分裂反応を起こさせ、火球の生成が始まる。
現在の発泡剤プラズマ圧縮法に対する技術的評価は、同様の高エネルギー物理学分野からの機密解除された分析結果に焦点が移っている。この分析によると、この様なプラズマによる圧縮法では放射性容器内での中性子の発生効率が低く、また発泡剤がプライマリーからのγ線とX線の吸収効果も低いことが知られている。プライマリーで発生したエネルギーの多くは、核弾頭容器の壁やタンパーの放射性物質に吸収されてしまう。この吸収されたエネルギーは、後述する”蒸発(アブレーション)”作用を起こさせると分析されている。
しかしながら、トリウムやウランの様な大きい原子量塩類を染み込ませたエアロゲル型材料は、プライマリーからのX線の高い吸収効果を発揮し、発泡剤のプラズマ圧力がセカンダリーを放射圧縮させることを可能にする。

タンパー・プッシャー蒸発圧力法

第3に提案された方法は、プライマリーによる圧縮機構がセカンダリーの外部層であるタンパー・プッシャー部や、重金属製の核融合燃料の容器に対し、強力なX線を放射しこれらを超高温にしてアブレーションさせる。これらの部分はセカンダリーの外側向けてに爆発的に膨張し、その反動でタンパーは内側へ凄まじい速度で押し込まれ、核融合燃料とスパーク・プラグ部分を強力に圧縮する。
蒸発機構による起爆の手順.
1.起爆前の核弾頭。上側にある階層状の球体がプライマリーの核分裂部である。下側にある円筒状の物体が、セカンダリーの核融合燃料である。
2.プライマリーで高性能爆薬が起爆され、核分裂性のコアが爆縮される。
3.プライマリーの核分裂反応が始まる。核の温度は数百万℃に上昇し、γ線と強力なX線が放射され、ホールラウムの内部、及びセカンダリーの容器とタンパーを加熱する。
4.プライマリーの核分裂反応は終了し、爆発が始まる。セカンダリーのプッシャー表面は高温になり、結果的に蒸発して膨張し、その反動でタンパー、核融合燃料、及び核分裂性のスパーク・プラグを内側に圧縮する。この結果、スパーク・プラグは核分裂反応を開始する。なおイラストには描かれていないが、セカンダリーの放射性容器も同時に蒸発し、外側に向けて膨張する(イラストを分かり易くするために除外している)。
5.セカンダリーの燃料が核融合反応を開始して、火球の生成が始まる。
重金属の蒸発による効果の概算は、比較的容易である。プライマリーが供給するエネルギーは、セカンダリーの容器全面に対して均等であり、各部分が熱平衡になるため、熱エネルギーによる効果を解析することが出来る。プライマリーが発生したエネルギーの殆どは、1つの光学的深度を持つX線によってタンパー・プッシャー外壁面に伝えられるので、その部分の温度を計算することが可能になる。外壁面が蒸発して膨張することによって発生する、タンパーの内側への移動速度は、基本的なニュートン力学により計算することが出来る。
この計算方法をアイビー作戦のマイク実験に適用すると、タンパーが蒸発して膨張力する速度は秒速290km(およそマッハ850)になり、内側への圧縮速度は秒速400km(およそマッハ1,180)になる(タンパー・プッシャーの75%が蒸発すると仮定した場合。これは最も効率が良くなる条件である)。これがW80核弾頭の場合には、ガスの膨張速度はおよそ秒速410km(マッハ1,210)、内側への圧縮速度は秒速570km(マッハ1,680)になる。タンパーの蒸発による圧力を計算すると、マイク実験では53億バール(530テラパスカル)、W80では640億バール(6.4ペタパスカル)になる[9]