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2020年4月24日金曜日

平和・民主・革新の日本をめざす全国の会

概要

1980年に日本社会党(現・社会民主党)と公明党が結んだ、社公連合政権構想合意(いわゆる「社公合意」)により社会党と日本共産党との革新統一が著しく困難になったことを期に、1981年に結成された。「思想・信条、政党支持の違いを超えた国民多数の革新的な運動の結集」として個人・団体と日本共産党が共同した一種の政治的統一戦線運動。

共同目標

以下のような「三つの共同目標」を掲げている[1]。

団体データ

  • 会員数:公称450万人
  • 地方組織:47都道府県、601地域、160職場、5青年組織(しんぶん赤旗2007年1月17日付け全国革新懇広告より)
  • 機関
    • 全国総会 - 意思決定機関
    • 代表世話人会 - 会を代表する
    • 常任世話人 - 代表世話人会を準備し確認事項を具体化する
    • 事務室 - 代表世話人会の下に日常業務を行う
  • 事務所:東京都新宿区四谷3-8 三橋ビル5階
  • 機関紙:全国革新懇ニュース
  •  : 月刊。購読料(送料含む)は1年間1800円。一部の価格は100円。

代表世話人

[3]

2018年3月11日日曜日

FALLOUT

ネプツニウムの同位体

(ネプツニウム237から転送)
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ネプツニウム(Np)は安定同位体を持たない。そのため標準原子量を定めることはできない。
19種の放射性同位体が特徴づけされており、もっとも安定な同位体は半減期214万年の237Npであり、次いで半減期15.4万年の236Np、そして半減期396.1日の235Npと続く。その他の同位体は半減期が4.5日以下であり、そのほとんどが50分以下である。また、4種の核異性体があり、もっとも安定なのは236mNp (t½ 22.5 時間)である。
ネプツニウムの同位体質量の範囲は225.0339 u (225Np) から 244.068 u (244Np)まで。

目次

ネプツニウム237

ネプツニウム237は、ウラン238が高速中性子照射によって生成するウラン237がベータ崩壊して生成する[1]。なお、ネプツニウム237は、核兵器の爆発によって生成する[2]ことから、核実験の放射性降下物としても知られている[3]。

一覧

同位体核種 Z(p) N(n) 同位体質量 (u) 半減期 核スピン数 天然存在比 天然存在比
(範囲)
励起エネルギー
225Np 93 132 225.03391(8) 3# ms [>2 µs] 9/2-#

226Np 93 133 226.03515(10)# 35(10) ms


227Np 93 134 227.03496(8) 510(60) ms 5/2-#

228Np 93 135 228.03618(21)# 61.4(14) s


229Np 93 136 229.03626(9) 4.0(2) min 5/2+#

230Np 93 137 230.03783(6) 4.6(3) min


231Np 93 138 231.03825(5) 48.8(2) min (5/2)(+#)

232Np 93 139 232.04011(11)# 14.7(3) min (4+)

233Np 93 140 233.04074(5) 36.2(1) min (5/2+)

234Np 93 141 234.042895(9) 4.4(1) d (0+)

235Np 93 142 235.0440633(21) 396.1(12) d 5/2+

236Np 93 143 236.04657(5) 154(6)E+3 a (6-)

236mNp 60(50) keV 22.5(4) h 1

237Np 93 144 237.0481734(20) 2.144(7)E+6 a 5/2+

238Np 93 145 238.0509464(20) 2.117(2) d 2+

238mNp 2300(200)# keV 112(39) ns


239Np 93 146 239.0529390(22) 2.356(3) d 5/2+

240Np 93 147 240.056162(16) 61.9(2) min (5+)

240mNp 20(15) keV 7.22(2) min 1(+)

241Np 93 148 241.05825(8) 13.9(2) min (5/2+)

242Np 93 149 242.06164(21) 2.2(2) min (1+)

242mNp 0(50)# keV 5.5(1) min 6+#

243Np 93 150 243.06428(3)# 1.85(15) min (5/2-)

244Np 93 151 244.06785(32)# 2.29(16) min (7-)

  • #でマークされた値は、全てが純粋に実験値から算出されたものではなく、一部体系的な傾向から導き出された推定値を含んでいる。明確なデータが得られていない核スピンに関しては、かっこ書きで表記している。
  • 数値の最後にかっこ書きで表記しているのは、その値の誤差を示している。誤差の値は、同位体の構成と標準の原子質量に関しては、IUPACが公表する誤差で表記しており、それ以外の値は、標準偏差を表記している。

脚注

  1. ^ “ネプツニウム-237(237Np)”. 原子力資料情報室. 2018年3月2日閲覧。
  2. ^ “ネプツニウム-237(237Np)”. 原子力資料情報室. 2018年3月2日閲覧。
  3. ^ “Neptunium-237 production from atmospheric nuclear testing”. IAEA. 2018年3月2日閲覧。

参考文献

2017年8月6日日曜日

リトルボーイ86

リトルボーイ(英語: Little Boy)とは、第二次世界大戦においてアメリカ軍が広島市に投下した原子爆弾(ガンバレル型[1]ウラニウム活性実弾 L11)のコードネームである。いわゆる「広島原爆」「広島型原爆」である。
これは、人類史上初めて実戦で使用された核兵器である[2]。原子力災害(核実験、原発事故など)や自然災害(地震、台風、隕石衝突など)の規模を表記する際に、このリトルボーイを基準に「広島原爆n個分」と換算されることもある。

目次

概要

リトルボーイの構造。赤がウラン235。
全長3.12m、最大直径0.75m、総重量約5t。番号はMk.1。ウラン235を用いており、二分されたパイプの両端に置かれたウラン235の塊の一方を火薬の爆発力でもう一方のウラン塊にぶつけ、臨界量を超過させて起爆するガンバレル型である。
積載されたウラン140ポンド(約65kg)のうち、1.38%(約876.3g)が核分裂反応を起こしたと推定されている。[3]核出力はTNT換算で約15kt(5.5 × 1013ジュール)である。

開発

ガンバレル型の原子爆弾が「どのように設計されたのか」は、未だに軍事機密扱いであり、情報公開されていない。
一部に、リトルボーイは ナチス・ドイツ製、もしくはその複写であったのではないか、とする説がある。この説の説明として、アメリカがガンバレル型の開発をした経緯がなく、当初よりプルトニウムを用いた爆縮式(インプロージョン型)の実験を行っていた、とされることがある。
しかし、アメリカ合衆国が研究していた、原子爆弾の当初構想は「ガンバレル型」であり、原子爆弾の研究を行っていた世界のどの国においても、構造が比較的簡易であり、インプロージョン型よりも基本部分の製造が容易であるガンバレル型の研究が行われていた。実際に米国ではプルトニウム239を材料としたガンバレル型のシンマン(Mark 2)として開発が行われていた。ただしMark2の開発は難航し、実際に中断・放棄されている。
米国および人類初の核爆弾稼働実験である「トリニティ実験」において使用された爆弾(ガジェット)もインプロージョン型である。では理論構造が単純であるとはいえ、取り扱いや安全性に疑問があり、実験実績のないガンバレル型を、なぜ投下第一号としたのか等の不明点が残るが、これもまた機密扱いであり明らかになっていない。リトルボーイ使用の3日後に長崎に投下されたファットマンは、トリニティ実験と同様の「プルトニウムを使用したインプロージョン型」である。
1943年頃、プルトニウムの過早反応が認識され、爆縮方式の設計がスタートする。1944年7月には、ほぼ全面的にプルトニウム爆縮式に開発努力は移行するが、トリニティ実験までは爆発成功の確信がなく、すでに爆弾設計としては完了しウラニウムの濃縮の進捗を待つのみとなっていたガンバレル型が予備として計画されたとされている。
大量のウラニウムを必要とするガンバレル型のリトルボーイの製造において、終戦間際にドイツ国内や潜水艦から押収されたウラニウムは使われなかったとする根拠はないが、量的には1939年の時点で カタンガ州(コンゴ)からおよそ一千トンが搬入されたウラニウム鉱石が原料の大部分を占めていた。

実験

1945年当時、この方式の検証のための核実験は行われていない。核実験による検証を経たのは、プルトニウムを使った爆縮方式のものが1945年7月16日、アメリカニューメキシコ州アラモゴード近郊のアラモゴード爆撃試験場(現:ホワイトサンズ・ミサイル実験場内「トリニティ・サイト」)で行われたのみである。これは一般には、既にウラン235を使った核分裂試験が原子炉内で行われていた為に核爆発を伴う検証そのものが不要であったとされているが、実際はテストを行うことで高濃縮ウランが不足し、この方式の原子爆弾の戦線への投入に遅れが生じることを、アメリカ軍が嫌ったというのが真相のようである[4]。

安全性

ガンバレル型の原子爆弾は、安全性に大きな問題があるため、アメリカ合衆国で作られなくなった。完成したガンバレル型の原子爆弾は、推進薬に点火すると、必ず核爆発を起こしてしまうため、フェイルセーフが存在しない。
そのため、爆弾を搭載したB-29が墜落したり、何かのミスで投下前に推進薬が点火したりするなど、万が一の場合に備え、爆撃機に兵器係として原爆の技術者を同乗させ、その者が投下の前に手作業で砲身内に推進薬(コルダイト火薬)を詰めこむという安全対策を取ったほどである。
たとえ推進薬が無くとも、墜落の衝撃によって砲弾部が標的部に突入すれば、核爆発が起きる可能性が十分に高く、海中に墜落すれば、爆弾内に流入した水が減速材として働き、臨界状態になる可能性があった。このため海に落下すれば、周囲一帯を「危険地域」として閉鎖せざるをえなくなる。これらの危険性を排除できるだけの安全装置の開発は不可能であるとされ、ガンバレル型自体が開発中止になる原因となった。

経緯

焼失面積13,200,000m2、死者118,661人、負傷者82,807人、全焼全壊計61,820棟の被害をもたらした。爆心地の近くにあった広島県産業奨励館は、現在原爆ドームとして世界文化遺産に登録されている。
(原爆被害の詳細は広島市への原子爆弾投下を参照)

2017年8月3日木曜日

長期内部被曝は猛毒性との通説に疑義を提起する資料

毒性

1945年以来、約10トンのプルトニウムが、核実験を通じて地球上に放出された。核実験による放射性降下物のため、既に世界中の人体中に1-2 pCi (0.037-0.074 Bq) のプルトニウムが含まれている[12]。また、核実験由来のプルトニウムが地表面の土壌に0.01-0.1 pCi/g (0.37-3.7 Bq/kg) 存在する[13]。このほか、原子力施設などの事故や、再処理工場からの排出[14]により、局地的な汚染が存在する。
プルトニウムの同位体は総て放射性である。このため、単体の金属プルトニウムならびにプルトニウム化合物は総て放射性物質である。化学毒性についてはウランに準ずると考えられている[15]。しかし、その化学毒性が現れるよりもはるかに少ない量で放射線障害が生じると予想されるため、化学毒性のみでプルトニウムの毒性を論ずることはできない[16][17]。
プルトニウムの急性毒性による半数致死量は経口摂取で32 g、吸入摂取で13 mg[17][18]。長期的影響の観点では経口摂取で1150 mg、吸入摂取で0.26 mg(潜伏期間として15年以上)[19][20]である。また、プルトニウム239の年摂取限度(1 mSv/年)は、経口摂取で48 μg (11万 Bq) 、呼吸器への吸入では52 ng (120 Bq) である[21] プルトニウムは人類が初めて作り出した人工核種である[21]。小出裕章は、α線源であるため放射線荷重係数が大きいこと、同じα線源である天然核種のウランなどと比べ半減期が短いため比放射能が高いこと、体内での代謝挙動(肺での不均等被曝は、発ガン性が極端に高くなる)の3点から「かつて人類が遭遇した物質のうちでも最高の毒性をもつ」と報告している[21]。プルトニウムの有害性は、体内に取り込んだ場合の内部被曝には特に留意すべきである。

体内摂取の経路と排出

プルトニウムを嚥下し消化管に入った場合、そのおよそ0.05 %程度が吸収され、残りは排泄される[22]。吸収された微量のプルトニウムは骨と肝臓にほぼ半々の割合で蓄積され、体外へは排出されにくい。生物学的半減期(体内総量が当初の半分になるまでの期間)はウランやラジウムと比べても非常に長く、一説には骨に50年程度、肝臓に20年程度と言われる[23][24]。放射線有害性は全てのα線源核種と同じであり、Puのみが特別というものでは無い。
最も有害な取り込み経路は、空気中に浮遊するプルトニウム化合物粒子の吸入である。気道から吸入された微粒子は、大部分が気道の粘液によって食道へ送り出されるが、残り(4分の1程度)が肺に沈着する。沈着した粒子は肺に留まるか、胸のリンパ節に取り込まれるか、あるいは血管を経由して骨と肝臓に沈着する[19][20]。そのため、他のα線・β線放射物質による内部被曝と同様に、IARC より発癌性があると (Type1) 勧告されている。また、動物実験では発癌性が認められているが、人においてはプルトニウムが原因で発癌したと科学的に判断された例はまだない[17]。α線源であるため、ICRPが定める線量係数[25][26]では 239Pu の経口摂取で2.5 × 10-7、吸入摂取で1.2 × 10-4と定められ、131I(経口摂取2.2 × 10-8)や 137Cs(経口摂取1.3 × 10-8)よりも1 Bq当たりの人体への影響が大きいと想定されている(一般には、α線はβ線よりも20倍の危険性があるとされている)。

長期内部被曝は猛毒性との通説に疑義を提起する資料

ATOMICA によると、米国での1974年までのデータとして、最大許容身体負荷量 (1.5kBq) の10-50 %摂取した例が1155例、同50 %以上が158例ある。このうち代表的な2例(世界大戦における原爆製造工場、冷戦期の兵器工場火災、でのPu含有ガス吸引)において、24年経過後で肺ガン『致死』は1名、42年経過後の『発症』では肺ガン3例と骨肉腫1例であった。これは被曝のない通常のグループよりも発生率が低い。ただ発症までの潜伏期が40-50年と長年であり、調査対象者も高齢化しており、疑わしい疾病を発症してもプルトニウムを病原と断定しにくいのも事実である。[20][27][28]

2017年6月25日日曜日

核兵器原料としてのプルトニウム

核兵器原料としてのプルトニウム

プルトニウムを生産する際に239Puのみ生成させることはできず、必ず複数の同位体が混在してしまう。前述のとおり 240Puは極めて容易に自発核分裂を起こすが、核兵器において240Puが一定量以上存在すると、自発核分裂により核兵器の内部に設計よりも早く核分裂連鎖反応が始まる部分が生じ、そのエネルギーでプルトニウム全体が核分裂を始める前にばらばらに吹き飛んでしまう(過早爆発)。爆縮レンズを用いたインプロージョン型核兵器では240Pu が10 %程度以上混入すると過早爆発となるが、ガンバレル型の場合は 240Pu が1 %前後混入しただけで過早爆発が起きる。このため、プルトニウムを用いる核兵器ではインプロージョン型設計の採用が必須となる。実際に、マンハッタン計画ではガンバレル型プルトニウム原爆シンマンも設計されていたが、過早爆発を防ぐのは困難として開発が中止されている。結局、核兵器原料とするプルトニウムは240Pu の含有量を10 %以下とする必要があるが、これは軽水炉では実現困難なため黒鉛炉を使用して生産される。
240Pu の混入という課題は核兵器開発において二つの側面をもつ。一つは混入による過早爆発対策として爆縮レンズ技術を開発する必要が生じ、マンハッタン計画に遅れと障害をもたらしたこと、もう一つは爆縮レンズ技術自体が極めて高度な技術であり、容易に獲得できるものではないため、他国の核開発における技術障壁になったことである。なお 239Pu の同位対比が約90 %を越えるプルトニウムは兵器級プルトニウム(英語版)と呼ばれる。アメリカ国内で生産された兵器級プルトニウムは、工場によりプルトニウムの同位体比が下表のようになっていた[9]。
製造工場 {\displaystyle {\ce {^{238}Pu}}} {\displaystyle {\ce {^{239}Pu}}} {\displaystyle {\ce {^{240}Pu}}} {\displaystyle {\ce {^{241}Pu}}} {\displaystyle {\ce {^{242}Pu}}}
Hanford 0.05 %以下 93.17 % 6.28 % 0.54 % 0.05 %以下
Savanna river 0.05 %以下 92.99 % 6.13 % 0.86 % 0.05 %以下
Rocky Flats Soil 極微量 93.6 % 5.8 % 0.6 % 極微量


2015年3月13日金曜日

汚染水外洋流出9カ月“隠蔽”した東電「原因判明してから公表しようと」の危機的情報公開意識

東京電力福島第1原発の汚染水問題が再び“炎上”した。汚染水が排水路を通じて外洋(港湾外)に流出しているにもかかわらず、9カ月近く公表しなかった東電の体質に批判が集中。ろくに対応策を講じなかった国への不信も増幅している。東電は急場しのぎで外洋への流出防止策を打ち出したが、抜本的な解決とは言い難い。いつになったら安心できるのか、漁業者や周辺住民の怒りは収まらない。(原子力取材班) ひたすら謝る東電幹部  「今回は、避難されている住民や国民の皆様方に不信感をさらにもたれる状況になり、データの扱いや公表の仕方で、われわれに落ち度があったと考えている。今回は大変なご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」  東電の原子力部門のトップ、姉川尚史常務は3月4日、原子力規制委員会の福島第1原発監視検討会で、ひたすら頭を下げ続けた。  汚染水の流出経路となったのは、1~4号機の原子炉建屋の西側を通る「K排水路」と呼ばれる水の通り道で、地下に埋まっている。2号機の建屋屋上には、事故時の放射性物質が降り積もっており、雨が降るたびに汚染された雨水が排水路を通じて外洋に流れ出していたとするデータを東電は2月末に公表した。

2012年6月14日木曜日

原子力コードの開発整備


原子力コードの開発整備
(1)原子力研究開発コードの高度化
・粒子・重イオン挙動シミュレーションソフトウェア PHITS
PHITSは大強度陽子加速器施設、航空宇宙分野、放射線医療分野で特に重要となる重イオン(原子核)の物質中の輸送過程を取り入れた粒子挙動シミュレーションコードです。RISTはJAEAと協力してPHITSを開発しました。PHITSの詳細はPHITSのホームページ(リンク)を参照ください。
・核融合プラズマ解析ソフトウェア
JAEAでは、核融合プラズマの安定性向上を目指して、磁気流体力学(MHD)の安定性を判定するソフトウェアを開発中です。核融合炉のプラズマ密度や温度の変化する特性時間が3-5秒である事を考慮すると、プラズマ安定性解析ソフトウェアを1秒以下で実行し、核融合炉の運転中に安定性を実時間で監視・制御する事が可能となれば、運転効率が飛躍的に高まると期待されています。RISTではプラズマ安定性解析ソフトウェアの中核をなす並列化固有値ソルバーの開発を担当し、これまでにJAEA所有の計算機64プロセッサを使用して固有値ソルバーの実行性能を大幅に高め、1秒程度の実行時間を実現しました。今後、JAEAと協力し、固有値ソルバー以外の処理を高速化するとともに、これまでのノウハウを生かしたプラズマ安定性解析ソフトウェアの専用計算機の開発も勘案し、核融合炉の実時間のモニタリング及び制御を可能とする新基盤技術を確立することを目指しています。
・稠蜜炉心の燃料集合体内二相流挙動の解析
JAEAが研究を進めている革新的水冷却炉の稠密炉心内での気泡流と液膜流の挙動について、RISTでは大規模シミュレ一ションを行って二相流の構造を解明すると共に大規模データの可視化処理技術の開発等を行っています。これらのシミュレ-ションによって大規模な実験装置を用いた実験をせずに複雑な現象が解明することができます。
・拡散挙動解析のためのIT数値環境システムの構築
JAEAは放射性物質の拡散挙動解析のため、計算機ネットワーク上に東アジア規模の気象・海洋データを保有するI T数値環境システムの構築を進めていますが、RISTでは図に示すような計算結果の可視化、動画作成などの画像データベース機能の整備等を行ってきました。このシステムに接続した研究機関等による任意地域の災害の即時予測や環境研究、地方自治体による迅速な予測結果の検索が可能となり、応急対策の検討などに貢献します。
・ 原子力プログラムの高速化・並列化支援
計算機の性能は、ベクトル化や並列化等の適切な処理を施した計算プログラムを用いて、はじめて十分な性能が発揮されます。 RISTでは多くのプログラムをJ AEAの計算機システム上で高速化・最適化処理を施しております。
・ 種々の調査研究
原子力安全委員会からの受託調査
(2)大規模シミュレーション技術の開発・研究
・ナノスケールシミュレーション
ナノスケールの炭素構造体材料の諸特性の解明を目的として、機械特性を把握するための「並列量子分子動力学ソフトウェアCRTMD-PV」、電子状態解析のための「並列密度汎関数平面波法ソフトウェアDFT-PV」を開発しました。これらのソフトウエアを地球シミュレータ等を用いた大規模シミュレーションを行なえるように整備し、カーボンナノチューブ、フラーレンなどがナノスケール状態で示す新奇な機能・特性を発見したり、また産業に活用できる新材料開発に向けたナノチューブ生産プロセスのシミュレーション計算による検討を行っています。
・革新ソフトウェア
将来のペタフロップス級ハイエンドコンピューティングの効果的な利用や高度計算科学の発展を目指して、東京大学生産技術研究所が進めている「戦略的革新ソフトウェア開発」の一環として、これまで開発された戦略的革新ソフトウェア群に対し、並列化及びベクトル化や高速最適化を施して、ユーザの問題解決時間を短縮する共通基盤的なソフトウェア技術の研究を、地球シミュレータ等の計算資源を利用して進めています。    これまでに、ナノテクノロジー分野の第一原理電子状態及び分子動力学シミュレーションコード「PHASE」等を対象に並列化及び高速最適化を行い、並列化率についてはオリジナルと比較し18%の向上を得て、地球シミュレータにおける利用可能プロセッサ数を500以上に拡大しました。これらの結果実行時間で比較してプロセッサ数64では、オリジナルに比べて4-7倍以上の高速化を実現するとともに、検証問題の実行によりオリジナルの解と齟齬がなく、かつ物理的に妥当な結果が得られています。現在、流体等を扱う他分野の革新ソフトウェアにて、高速最適化研究を進めています。
・テラヘルツ
テラヘルツ波は光と電磁波の中間域(0.3~10THz)にあり、物質中の様々な励起振動数がテラヘルツ帯域に集中しているため、例えば、通信利用帯域拡大に向けたテラヘルツ帯デバイス開発のためのキャリア励起現象等の解明や、プラスチック爆発物、また環境、食物中の汚染物質の検出等に応用が期待されています。しかし、分析・検出に優れる連続波光源として量子カスケードレーザ等があるものの、1~4THzで低出力のため、実用の計測・分析には、広帯域で単色、周波数可変、またmW級の高出力を得られる新光源が必要です。
・地球温暖化
RISTでは平成10年から14年度にかけて、高精度の地球変動予測のための並列ソフトウェアに開する研究(文部科学省科学技術振興調整費)を行いました。この成果の一部を引き継いで、 「人・自然・地球共生プロジェクト」の温暖化予測日本モデルミッションの一環としての研究を東京大学気候システム研究センターに協力して推進しています。特に次世代高分解能気候モデルの研究開発として、積雲を直接表現する詳細な領域モデルを東西につなぎ合わせて地球全体をカバーする新しい高分解能全球気象モデルを開発し、温暖化や異常気象に大きく影響する赤道域の大気挙動について、地球シミュレータを使った研究を進めています。

2012年4月14日土曜日

平成24年4月14日 - 柴山昌彦 http://blogos.com/article/36586/