2012年6月5日火曜日

除染で出た汚染土の仮置き場の確保が難航する


【故郷 福島の除染】
(下)今後30年、この土地で水とつき合う。地元へ恩返しがしたい。

2012.6.5 08:02 (1/2ページ)
除染に使うもみ殻を手に取る庄建技術の鈴木克久社長=福島県南相馬市
除染に使うもみ殻を手に取る庄建技術の鈴木克久社長=福島県南相馬市
 イネを刈り取った後のもみ殻を使って汚染水を浄化する。東京電力福島第1原発の北23キロにある福島県南相馬市の会社が新たな技術を開発した。社員22人の地質調査会社「庄建技術」。
 「地質調査会社がなぜ除染をと不思議がられもするが、われわれは今後30年以上、この土地で水とつき合っていかねばならない」
 鈴木克久社長(64)は袋からもみ殻をすくい上げた。表面の細かい毛が放射性セシウムを吸着する。
 東日本大震災と原発事故後、仕事は津波の到達場所を測量する下請け調査程度にまで激減した。汚染調査に訪れた研究者を案内し除染の必要性を強く感じた。
 「会社を育ててくれた地元へ恩返しがしたい」

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 除染で出た汚染土の仮置き場の確保が難航する中、限られた仮置き場を有効に使うためにもセシウムを吸着させることで汚染土の量を圧縮する「減容化」技術が求められる。これまでヒマワリや藻、ジェル、ドライアイスなどが試された。
 鈴木さんは当初、貝殻やヨーグルトを地面にまいてみた。偶然、田に打ち捨てられたもみ殻が汚染水を吸い、茶色いあめ色に変色しているのを見つけた。もみ殻を袋に詰め水路に2カ月沈めると、吸着材である鉱物ゼオライトの10倍、1キロ当たり2万2千ベクレルのセシウムを吸着し最大93%を除染できた。有効な技術を探す県の実証事業に選ばれた。

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