2012年6月27日水曜日

原子力基本法改正の背後には核保有を目指す勢力


「原子力基本法改正の背後には核保有を目指す勢力」

「安全保障に資する」という文言を追加した改正内容を初めて確認した小沼名誉教授インタビュー

  
「原子力が安全保障に寄与するという条項が追加されたのは、核兵器を保有したがっている勢力が、意図的に推進したことに違いない」
小沼通二・慶応大学名誉教授(81)=写真=は、日本の政治家が平和憲法に背く原子力関連法改正を事実上、国民に隠れて推進したと主張した。
自民党主導で作成された原子力規制委員会設置法案・原子力基本法改正案は、今月15日に衆議院を通過したが、当時「国の安全保障に資する」という条項が追加されたという事実は誰も知らなかった。
小沼名誉教授は「自民党は、約240ページある法案の資料を、審議当日の15日午前10時になって議員に配布し、議員たちは内容をきちんと把握できないまま当日午後に衆議院を通過させた」と語った。小沼名誉教授は17日、自民党が原子力関連法におかしな改正を加えようとしているという話を聞き、関連法案を全て探って改正内容を確認した。その後、小沼名誉教授は「世界平和アピール七人委員会」という名義で19日に緊急アピールを発表し「実質的な軍事利用の道を開く可能性を否定できない」として法案の撤回を要求した。
七人委員会は、ノーベル賞受賞者の故・湯川秀樹氏などが創設した知識人団体だ。小沼名誉教授は素粒子物理の研究者で、日本物理学会の会長を務めたこともある。七人委員会のアピールが国会に伝えられた20日、参議院での法案審査の過程で、民主党や社民党の一部議員が問題提起を行ったものの、民主・自民・公明の3党が賛成派に回り、法案はそのまま通過した。
小沼名誉教授は「外国の学者から“日本はプルトニウムを大量に保有し、核兵器を作ろうとしているのではないか”と質問された際には、原子力基本法で禁止されているため絶対に不可能だと言ってきた。今回の法改正は、何者かの意図によって核開発を防ぐ安全装置が一部解除された」「関連条項改正の事実が事前に公に話し合われていれば、原爆に対する国民感情(拒否感)があるため、国会は通過できなかっただろう」と語った。
小沼名誉教授は、一部の自民党議員が主張する「安全保障条項を追加したのは、テロリストから原子力を守るため」という内容には無理があると述べ「ならば、原子力の安全措置を強化するという表現を盛り込むべきで、今すぐにでも法律を元に戻さなければならない」と語った。小沼名誉教授は「核兵器を保有すべきだと確信している政治家や官僚がいるため、ほかの国との緊張関係が高まる状況になれば、核兵器保有論が一般人にも広まりかねない」との懸念を示した。
東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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