2012年3月5日月曜日

洗濯機内にセシウムが付着するのではないかと心配しています。


東京都在住 50代 会社員 男性 の方からいただいたご質問
セシウムが洋服などに付いた場合は洗い流せば落ちる、ということは様々な情報源から理解いたしましたが、例えば、その洋服を洗濯した洗濯機内部にセシウムは付着していないのでしょうか。次回の洗濯物についてしまうのでは、、と不安です。
基本的な質問ですが、現在の空間線量は地表に固着したものから出る線量、という認識でよいのでしょうか。関東のホットスポットと呼ばれる地域に親戚がいるのですが、その地域で少しの間街を歩く時と、新宿あたりの街を歩く時に洋服に付着するセシウム量に差はありますか。前提として今でも強風の日など、地表にあるセシウムが大気中を漂っているのでしょうか。
 
日本放射線安全管理学会の研究会で、セシウムやヨウ素などの放射性物質が付着した衣服を洗濯機で洗濯し、排水やすすぎ排水、洗濯槽からのγ線を測定した報告があります(http://www.jrsm.jp/)。その結果、排水からはγ線が検出されましたが、洗濯槽からγ線は検出されておりません。洗濯槽内への付着はないと考えられます。従いまして、次回の洗濯物についてしまうことはないと考えられます。
現在の空間線量ですが、土壌にもともと含まれる放射性物質(トリウムやカリウムなど)からのγ線が主になります。これらは原発事故のはるか以前から、ずっと地球上に存在しており、天然の放射性物質と呼ばれています。ホットスポットと呼ばれている場所では、原発から飛来したセシウムが地上に沈着して、そのセシウムから出るγ線が、天然の放射性物質からのγ線の量に加わって、結果として放射線量が他の場所より高くなっています。
現在、原発からの放射性物質の放出は極めて少なく、関東地方での放射性塵の測定では検出限界以下となっております。従いまして、空気中を漂っているセシウムはほとんどないと考えられます。また、すでに地上に沈着しているセシウムが風で舞い上がる量はあったとしてもごく微量だと考えられます。衣服に付着する放射性物質の量はいずれの場合でも極めて少なく、心配される必要はないと回答者は考えます。

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