2012年03月09日
4月からの食品の新基準とそれに反対する勢力
今年の4月から、ゆるゆるだった食品の放射能基準がすこしだけ厳しくなります。
食品中セシウム 厳格基準を正式決定 2012年2月24日 夕刊
食品中の放射性セシウムの新基準値を話し合う厚生労働省の薬事・食品衛生審議会が二十四日開かれ、魚や野菜など「一般食品」の一キログラム当たり一〇〇ベクレルなど、現行の暫定規制値から四分の一~二十分の一に大幅に厳格化する内容が正式に決まった。コメや牛肉、加工食品など一部を除き四月一日から適用する。
新基準値は一般食品のほか、「牛乳」と、粉ミルクや市販のベビーフードなど新設する「乳児用食品」が一キログラム当たり五〇ベクレル、「飲料水」が同一〇ベクレル。
暫定規制値は「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」が同五〇〇ベクレル、「牛乳・乳製品」「飲料水」が同二〇〇ベクレル。
厚労省は、市場や消費者の混乱を避けるため一部食品に経過措置を設けた。コメは、二〇一一年産は暫定値とし、一二年産の収穫・流通が始まる時期に合わせて十月一日から新基準値とする。牛肉も冷凍保存されているものがあるため、十月一日から適用する。
加工食品は三月三十一日までに製造、加工、輸入されたものは賞味期限まで現行の暫定規制値を適用。四月一日以降に製造、加工、輸入されたものは新基準値とする。
茶や乾物などの基準値適用のルールも決めた。茶は原材料の状態では基準値の適用対象とせず、茶葉をお湯に入れた状態でセシウムの濃度を検査し、飲料水の基準値を適用する。乾燥シイタケなどは、原材料と、水戻しした状態の両方で調べ、一般食品として扱う。
審議会では、厚労省が、子どもへの内部被ばくの健康影響を特に配慮した点や、新基準値の算出根拠をあらためて説明。昨年十~十二月に各自治体などが行った検査で、新基準値を超えた食品は福島県で9・25%、福島県以外では1・13%だったことも報告した。
新基準値をめぐっては、厚労省の諮問を受けた文部科学省の放射線審議会が二月十六日、了承する答申を出したが、乳児用食品などについて「厳しすぎる」と異例の注文も付けていた。
この異例の注文の記事は、こちらです。
【食品新基準で依頼メール】反対意見を「投稿要請」か 「福島の農漁業に影響」 放射線審の前会長
食品に含まれる放射性セシウムの新基準値案について厚生労働省が実施していた意見公募に対し、案の妥当性について厚労省から諮問を受けた文部科学省放射線審議会の前会長、中村尚司(なかむら・たかし)東北大名誉教授が「(厳しい基準は)福島県の農漁業に甚大な影響を与える」などとして、公募期間中に「反対意見の投稿要請」とも受け取れる依頼を関係学会の会員らにメールで送っていたことが16日、分かった。
メールには丹羽太貫(にわ・おおつら)現会長の名前も出していた。中村氏は「反対意見の投稿を要請したつもりはない」と話しているが、審議会前会長の立場で影響力を行使したとの批判も起こりそうだ。
中村氏によると、1月20日前後に日本原子力学会の関係者を通じて学会下部組織の会員らに依頼文をメールで送った。実際、何人に送られたかは不明。
メールでは新基準値案をめぐる同審議会の議論について「安全性の評価、社会的影響に関する検討がなされていなく紛糾している」とし「本案が施行されると福島県産の農産物、海産物が売れなくなる」「(福島)県民の感情を無視したもの」と指摘。意見提出の要領などを記載した、総務省が運営するインターネットサイトの宛先を添付した上で「ぜひ対応して頂くようお願いいたします」としていた。
中村氏は「それぞれで考えて意見を出してほしいという趣旨だった」と説明。前会長の立場での依頼については「すでに会長を辞めており審議会にもタッチしていない」と話した。
厚労省によると、意見公募は1月6日から今月4日まで実施。これまでに約1700件の意見が寄せられ、もっと厳しくすべきだとの意見は約1400件、厳しすぎるとの意見は約40件だった。
中村氏は2007年3月から昨年2月まで放射線審議会会長を務めた。
◎投稿要請を厚労相が批判 文科相は容認
文部科学省の放射線審議会前会長が、食品中の放射性セシウムの新基準値に対するパブリックコメントに、反対意見の投稿を要請するような内容のメールを関係学会の会員に送っていた問題について、小宮山洋子厚生労働相は17日の記者会見で「あってはならないこと。(反対意見の動員は)パブコメの本来の趣旨に反する」と批判した。
一方で平野博文文部科学相は「専門家としての行動。審議会の議論に影響を与えていれば問題だが、そういう事実はない」と話した。
◎「専門家の集まり」と反論 厚労相が“生活者”強調
食品に含まれる放射性セシウムをめぐり、文部科学省の放射線審議会が、厚生労働省の新基準値案に「厳しすぎる」と意見を付けたことについて、小宮山洋子厚労相は17日の記者会見で「厳しすぎるとは思っていない。あちら(審議会)は放射線、原子力の専門家の集まり。生活者にどれだけ近いのか」と反論した。
小宮山厚労相は「特にお子さんを持っている人には切実な問題。安全に加えて安心もしていただこうと考え設定した」と説明。「福島の生産者への影響も考慮すべきだ」との審議会の指摘には「福島県の農産物については農林水産省と十分に協議し、問題はないとなった」とした。パブリックコメント(意見公募)で「もっと厳しくしてほしい」との意見が圧倒的に多かったことにも触れた。
(共同通信)2012/02/17 15:58
こういう変な記事を見たら、名前が出てきた人を確認しなければなりません。今は、便利なので、すぐにわかります
中村尚司
1960 年代の大気圏核実験が世界中で盛んに行われていた頃の東京近辺で、気象庁が長年に渡って測定してきたCs-137 の空中放射能濃度は今より1 万倍も高かった
この人が言っていたんですね。これがウソであることは、DVDでも話していますし、記事にもしています。
だれも調べないだろうと思って、こんな嘘をつけるとは大したものです。このくらいなければ、御用学者はとてもつとまりません。
丹羽太貫(京大名誉教授)
この先生は、京都の花火さわぎの時にも名前が出てきました。この方の人生の目的はなんでしょうか。放射能は怖がる必要はないというのが、一生を通じて得た結論なのでしょう。私には全く持って信じられませんが。
そもそも、福島県は放射能被害を一切認めていません。セシウムはないことになっています。いずれの作物も、全て「風評被害」で結論づけており、「放射能汚染」とは言っていません。
ところが、「さいたさいたセシウムが咲いた」の下記ポスターがでると
「セシウムさいた」抗議受け削除 講演タイトル、埼玉県教組
さいたま市で10日開かれる「国際女性デー埼玉集会」(事務局・埼玉県教職員組合)のチラシで、講演タイトルが「さいたさいたセシウムがさいた」とされていることに「福島県民を傷つけている」などの抗議が30件以上あり、県教組がタイトルを削除したことが8日、分かった
なぜ、福島県民を傷つけていることになるのか、私にはさっぱりわかりません。放射能の存在は認めないないにもかかわらず、そこにあることはわかっているから、あると言えば「風評」被害と言い立てているのではないでしょうか。このポスターのビナード氏は、昨年6月に論説できちっと述べられています。
フクシマコープ
いきなり度肝を抜かれるスライド・・基準が厳しくなると、プール遊びができなくなる
(そんなに汚染されたところで、子どもにプール・・・)
食べて応援
ボックス購入者の声
コープからの提言
コープは、消費者の見方とばかり思っておりましたが、生産者をまもることが一番大事だったのですね。寡聞にして知りませんでした
このスライドを見る限り、4月からの暫定基準値を超える農産物がかなり市場に出回っているわけですね。
国は、水俣病で有機水銀の影響はないと説明し、サリドマイド剤では被害は出ていない、血液製剤ではAIDSが出ていないと強弁し、被害を拡大させてしまいました。放射能については、いったいいつ、気がつくことになるのでしょうか。
◆関連ブログ
セシウムは日本全国に降り注いだ2011年08月30日
本物の風評被害とは? アーサー・ビナード2011年06月06日
東大・専門家を信用するな2011年04月20日
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2012年03月08日
BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」3月1日放送から・・フィルムバッジをつける子どもたち
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BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」3月1日放送から・・フィルムバッジをつける子どもたち
先日、福島郡山市の屋外活動30分制限について、記事にしましたところ、次の情報提供がありました。
ちなみに、郡山市が独自の時間制限を設けたのは、市長が原発事故直後に「直ちに健康に影響はない」という政府の発表を垂れ流す一方で、自分の孫はいろんな理由をつけて関西にいち早く避難させたことを市民から追求されそうになったからです。
真偽の程はわかりません。また、別の方からは次のような投書が
奇形と分かったご家庭には、保健師をはじめ次々と何人もで訪ねてくること。
妊娠中に突然、胎児の頭部が大きくなり、堕胎をすすめられた方。
口唇裂の赤ちゃんの診察のために病院に出かけた際、「ひとに見られたくない、聞か
れたくない」と
ひと目を気にする方には、病院の方から「お宅だけじゃないですよ。気にしなくても
大丈夫です」と声がかけられること。
実際、おなじ事情に苦悩する患者さんご家族どうしが、「ごろごろと」隣り合って病
院にいること…等々。
一体本当のことはどこにあるのでしょうか。私にもわかりません。
BBCの素晴らしい放送がありましたので、ここで紹介いたします。なぜ、日本のテレビ局がこのような放送ができないのでしょうか。出てくる子どもたちは、まっすぐとカメラを見て話し、しっかり地に足がついた考えです。我々大人よりも、現状をしっかり把握していると言って良いでしょう。
消されましたので、Journeyman Picturesの申し立てらしい
BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」_Japan's c... 投稿者 sievert311
「政府が大丈夫というけど本当に大丈夫なのか?誰も経験したことないんだものって思います」
「そんなに広がっているならすぐには消えないし、いくら除染したってそこからは無くならないものだから」
「放射線はそんなにすぐには無くならないと思う」
なぜ、フィルバッジを持たせて、このような汚染地帯に、こんな素晴らしい子どもたちを放っておくのでしょう。政治は、なんのためにあるのでしょう。今回のガレキ拡散のキャンペーンに、環境省は9億円の宣伝費を博報堂に支払ったそうです。血税をキャンペーンのために湯水のごとく使う。そして、その広告費を嬉々として受け取るマスコミ。根本的に間違っているとしか思えません。
この子どもたちの親の元には、次のような報告書が届きます。
私が気になるのは、2番目の書類です。
「今回測定しているのは外部被曝線量ですので、のぞいているのは宇宙と大地からの放射線量です」
これをコントロールと言いますが、一体どこでこのコントロールを取っているのか。田村市役所に問い合わせる必要があります。もし、田村市の大地からの放射線量をのぞいているとすれば、とんでもない過小評価と言えます。
この方の被曝線量は 0.16mSv です。これが多いか少ないか。どこをどう捜しても、私が福島第二原発に勤めていたときの被曝量手帳が見つかりませんが、私の5年間の総被曝量は、せいぜい0.3mSvのはずです。それを3ヶ月程度で被曝しているのですから、とんでもありません。子どもが被曝して良い線量では決してありません。
ところが文科省は、放射線教育で教師に次のように教えるよう指導しています。
明確な証拠がないから、100mSv以下では病気が起きないと教えろと言うわけです。
この教科書に記述がないから、認めないというのは、中世のガリレオ・ガリレイが、地動説を唱えて宗教裁判にかけられたのと全くおなじ構図です。
この中世の宗教裁判を我々は、笑えるでしょうか。
捨てる神あれば拾う神あり。福島の皆さん、熊本は水俣病で国に健康を踏みにじられた経験があります。政府の安全宣言を決して信用していません。
そして、肥田先生のこの言葉を
米国を「東電と政府」に変更すれば、全て今回の事態に当てはまると思います。
◆関連ブログ
小中学生、高校生、役人、有名大学教授 正しいことを言っているのはだれ?2011年09月23日
いずれどうせまた世界のどこかで起こるであろう放射能被害に備えて、健康被害の有無を含めた情報を蓄積しておくことは、人類への貢献(福島民報)2012年02月24日
子ども・妊婦へのガラスバッジは寄贈(川俣町)2011年06月22日
原発で子供を遊ばせる国-ニッポン2011年06月15日
国立がんセンター、フィルバッヂを配布を(福島県)2011年04月15日
ウィンザー通信
『津波の子供たち』BBCドキュメントから
リク「なんか普通地震って、うぅってなるだけなんですけど、大地震の時は、自分がもう投げ出された感じになったんですけど、
で、それで、机に潜って、かなりゴオーッてなって、机が動いたから、鳥肌が立つような、うぅっみたいな感じで、なんかとても恐い感じ……。
海って、波見たことありますか?
ザバーンザバーンて、あれが、地震で揺れることによって、その波が増して、ザッバーンってくるのが津波です」
これは、子供達の目を通して語られた、原子力発電所の事故を引き起こした、あの日本の津波のお話です。
リク「あの、思いっきりバチャーンてなるから、自分がまず倒れるんですよ。
それで後から、引きずられて、死んでしまう、みたいな感じなんですよ」
ソウマ「川があって、川の先には海があって、それで川の前に学校があって、学校の後ろには山があった」
金曜日の午後の、ちょうど学校が終わるぐらいの時間に、津波は襲いかかってきた。
それは、日本の東北地域沿岸の、300キロメートルに及ぶ範囲に渡るたくさんの学校を壊した。
すべての学校の生徒達は、高台に避難した。ただ一校を除いて。
大川小学校。
北上川から2.5キロメートルほどの所に位置する。
10才の双子、ソウマとフウカは4年生。
ソウマ「えっと、1年生と2年生が近くて、そこが丸くなっていて、その脇にはプレイルームっていう所があって」
フウカ「わたしの一番好きな所は、中庭で、その理由は、みんなで一輪車をして遊んだり、四ツ葉のクローバーを探したり」
ソウマ「図工室から、体育館通路があって、途中から階段を降りるとプールがある」
津波を引き起こした地震は、3月11日、午後2時46分に発生した。
ソウマ「その日の天気は、雪……降っていた……と思う。寒かった」
フウカ「その時はえっと、マノちゃんの誕生日だったんで、もうひとりのお友達とおめでとうとか驚かしたりして、
わたしの一番仲良かった友達はマノちゃんで、すごく優しくて、明るくて、いつもにこにこしてて」
ソウマ「その後歌を歌うんだけれど、その歌を歌っている途中に地震があって」
地震はマグニチュード9の激しい揺れが、少なくとも2分以上は続いた。
ソウマ「なんか、すごい横にこうなってなんか、ゆっくり揺れてるような感じだった。
速くこう、細かくじゃなくって、あの、こう横だったから、すごくでっかく感じた」
フウカ「で、先生方もずっと廊下を走って、机押さえろ!とか言ってて」
津波は、大川小学校に到達する前に、海岸近くの他の二つの学校を襲いかかっていた。
そのひとつ、河口沿いに建てられた、真正面に海を臨む学校。
「海がすごく引いてて、で、あの、見た事も無いくらい、なんか引いてて、これはちょっと、おっきい津波来るなあと思ってて、結構足が震えて」
この学校の教師は、生徒を高台に安全に避難させた。
「津波が、あの思いっきりザブンで来るんじゃなくて、静かになんかどんどん増えてくる感じで」
「家も海の近くだったから、基礎しか残んなくて、全部流された」
今や津波は、北上川を逆流し、二つ目の学校に迫っていた。
「津波は、えっとすごい速さで上に上がってきました。一、二年生の教室の前の木が呑み込まれていってました」
この学校の教師と生徒は、校舎の屋上に避難した。
「屋上の踊り場近くにも水が押し寄せてきたのを見たので、もう音楽室に居たら、みんな死んじゃうっていうぐらいでしたね。
みんなが思ってるなんだろう、おっきい怪物みたいな感じの、風景だったと思います」
今や津波は、被害に遭った学校の中で一番内陸にある大川小学校に到達しようとしていた。
地震発生後、三十分以上が経っていた。
約100人ぐらいの生徒達がまだ、校庭で待機していた。
フウカ「そん時にずっと車を見ておかあさんが来るかなって、あの、不安で不安でしょうがなくって、
来た瞬間ずっと泣いてて、おかあさんもずっと泣いてて」
ソウマ「もうみんな並んで、あの、先生が前に立って話したりしていた」
教師達は、校舎の裏山にある自然道に登るか、あるいは、橋のたもとの、少し勾配が上がっている所に避難するかを協議していた。
ソウマ「それで学校で、ここでいた方が安全だった言われたけど、おかあさんが、ここにいるより、家に帰った方が高いから安全だって言って」
フウカ「マナちゃんもほんとに近くにいたんで、そのプレゼントはほんとはバスケの帰りに渡すって言うことを言ってたんだけど、渡せなくなったねっていう話をしてて、ごめんねって、いいんだよって言ってて、
もう逢えないっていうのは思ってもいなかったから、なんにも言わないで、バイバイって言うのも言わないで終わってしまった」
半時間の間に、津波は、太平洋沿岸の300キロメートルに及び地域を破壊し、1万9000人もの命を奪った。
津波が収まった頃、大川小学校から160キロメートル南にある福島で、新たな災害が起ころうとしていた。
津波が、福島第一原子力発電所の冷却システムを破壊していたのだった。
ニュースアナウンサー『一号機の原子炉の天井が崩落しているということです』
三基のうちの一基の原子炉の燃料が、メルトダウンを開始した。
電力会社が、なんとか収集しようと躍起になっていた時、そのうちの一基が爆発した。
「おばあちゃんとおかあさんが、なんかあの、爆発したよとか言われたんで、中に入ってました。
で、初めて聞いた時は、なんだろうと思ってました」
初めの爆発があった二日後、二度目の爆発があり、放射能雲を生成するほどに高く吹き上がった。
「原発が水素爆発したって区長さんから言われたので、それであの、一回避難しました。
わたしはオダカで生まれ育ったので、なんかずっとオダカにいたかったんだけどこんなことになるとは思わなかった」
ニュースアナウンサー『半径20キロから外へ避難するよう指示しました。この範囲の中の方は速やかに避難してください』
津波の26時間後、政府は、原子力発電所から半径20キロ以内に住むすべての人々に、避難するよう勧告した。
二日以上かけ、約8万人の住民が家を放棄した。
「放射線を測ったん……次の日に。それでわたしはちょっと高かったから、テントの中でシャワーを浴びて、それで、着てた服はもうぜーんぶ捨てられて、髪の毛もよく洗って、顔もよく洗って、それで靴も全部捨てられたから、なんか……大事な服だったから悔しかった」
政府は、事故が起こった原発から20キロ以内を立ち入り禁止区域にし、それにより町は、外の世界から見ると空っぽになってしまった。
リク「なんかこう、警戒区域っていやだなーみたいな、なんか、警戒区域っていうことがあるということは、危ない所がそこにあるっていうことだから、イヤな気持ちです」
10才のリクは、立ち入り禁止区域となった、冨岡出身の子供。
多分、子供達がこの町に帰れるようになるには、何代もの年月が必要になるだろう。
リク「えっとまず富岡町は、ともかく助け合いのような感じがあったんですよ、僕にとっては。いい町だと思いました。
で、僕の家とかも普通の所なんだけど、宝物のようなものだから、汚染とかされちゃうとちょっとイヤな気持ちになっちゃう。
あとは、シスコーンっていう、美味しいやつが売ってて、牛乳につけて食べるやつなんですけど、あれがすごく美味しくて、食べてました。
あの、前、ちょっと焚き火とか、まだ避難している時に焚き火やってたんですよ。
その時に、おとうさんが、あの、煙が出るじゃないですか、それが、風によって放射線が来たり来なかったりするっつってたんですよ」
放射能汚染は、政府が指定した警戒区域だけに留まらず、福島の広域に渡って拡大した。
原発から半径20キロ以内に、ゴーストタウンが次々とできあがった。
多くの子供達や家族は、それぞれ、日本国内の遠方へと避難していった。
しかし、この、ギリギリのところで強制避難区域から外れている南相馬では、動けずにいる人々がいる。
警戒区域に指定された所の子供達は、この南相馬の学校に越境通学している。
「こないだは、遠くにいる友達のことを思って、毎朝歌ってきました」
歌「友達はいいもんだ」
警戒区域に家がある子供達は、いつまた元の家に戻れるのか、政府の決定を待っている宙ぶらりんの状態。
原子力発電所の事故は、子供達から家を奪っただけではなく、子供なりの世界、そして友達のほとんどを奪ってしまった。
当面の間、子供達はこの、原子炉の爆発が引き起こした暗い(奇妙で新しい)世界に適応していかなければならない。
10才のサキの寝室の窓からは、立ち入り禁止区域の入り口が見える。
サキ「えっと、あそこに見える風景は、赤いのが光っていて、その中に入ると危ない。放射線とかで危ないから、中に入らないようにあそこで守っています。
夜、あそこが光っているから、よく見えるから、その時見て、また帰りたいなとか思ったりしています」
サキの家がある町は、立ち入り禁止の柵により封鎖されている。
サキ「家が借りるのがなくて、まあ、20キロから近いけど、ここしか無かったから、ここ借りた。
心配になるけど、他に行く場所が無いから、まあ我慢するしか無いなと思って、ここにいます」
福島の子供の、放射線被ばくの脅威は、徐々に高まっている。
リク「子供とかって背低いから、あの、地面に近いっていうことだから、つまり、地面に放射線とかっておとうさんが、雨でホットスポットっていうやつがあるっていうので、それで地面に近いから、やっぱそのなんつぅんですかね、
地面についてるのはやはり近いから、近いと強いからそのやつが、それで浴びやすいんじゃないかなと思います。
おとうさんとお風呂に入る時に聞いたんですけど、あの、なんか、被ばくすると癌とかになったり苦しくなるから、被ばくしちゃうともう死んじゃうからダメだよって言われたんですけど」
福島の子供達は全員、外部被ばく量を測定する個人積算線量計(ガラスバッジ)を配布され、それを装着している。
マナミ「これは、多分福島だけだと思うんですけど、ガラスバッジっていって」
マツミ「これ、ここ(首)につけてると、ここの縫い目がちょっとチクチクするから、だから下着とか短い時には、ここにつけるんじゃなくて、ここ(腰)に巻いてつける。
だからお守りみたいなもの」
「いつもと変わんないなーっていう感じです」
アヤカ「いずれみんな見えるかなーってあの、言ってたけど、それはあの、自分では見れなくて、東京とかそういうあの、大学の所に届けられて、あっちの大学の人達が結果出して送ってくれるから、あの、自分達では見れないよっていうふうに話してくれたんで、あの、うちはけっこう興味あった」
校内放送「Good morning everyone. How are you? Please have a nice day」
アヤカ「マスクは、あの、外の放射線とか埃とか吸い込まないようにマスクして、帽子はなんだろ?帽子は、なんか理由はわかんないんだけど、帽子はあの、初めて来た時にかぶってくださいって言われて」
アヤカとクラスの子供達が、歌を歌っている。子供達が体育の授業で元気に運動している。
マスク姿で、下校する子供達。
アヤカ「多分、一号車だと思う」
アヤカは、立ち入り禁止地区からの避難者。
彼女にはもう、戻る場所はどこにも無い。
彼女の家は、津波によって壊された。
彼女の祖父は、津波が襲ってきた時に家の中に居た。
アヤカ「なんか、不思議というか、どこにいたんだろっていう、なんか謎っていうか、わからないので、うちたちも、あの、まあただ悔しいだけです」
アヤカは、手をすり合わせながら、祖父の遺影を前に拝む。
週末になると、あやかは外で遊ぶ事が許される。
ただしその場所は、父親が線量を測り、大丈夫だと判断された所に限られている。
アヤカ「0.7……0.8……」
父親 「およそ0.8ぐらいかな」
アヤカ「0.7、0.7……」
父親 「0.7か、まあ0.8ぐらい」
アヤカ「0.8ね……」
アヤカ達がマイクロシーベルトの値で測っている通りの放射線量は、事故後、以前の線量の15~20倍の高さになった。
アヤカ「放射線の測る機械はあるけど、あんまり、英語で書いてあっからあんまり、最初の方でしか測ってないから、ちょっとうちにはあんまりわかんないけど、あの、1.0マイクロシーベルトは高くて、で、0.3とかはちょっと高いぐらい……」
父親 「あの、これ一応あの、ウクライナ製で、インターネットで買ったんで、オークションっつかあれで、とりあえずスィッチ入れて、まあだいたい1メーターのとこ測って後は、まあ、だいたい1センチか2センチぐらいのとこに当てて」
アヤカ「くるまくるま!くるま!くるま!」
父親 「どれぐらいか確認してから、◯◯(聞き取れず)ようにしてるんですけど」
アヤカ「自分の部屋だけ測ったりする、時々……ふふ」
父親 「水回りとか草木がある所は高いんで、なるべくはこういう、アスファルトとか、その上で遊ぶようにはしてます」
アヤカ「なんか、あっち行くと怒られそう」彼女の視線の向こうには、きれいな公園がある。
アヤカ「木がいっぱいあってあの、放射線高そうだから」
アヤカ「おとうさんに、ここの駐車場で遊べって言われてるから、ここでしか遊んだことない」
父親 「まあそれも、長時間でなくて短時間で、はい。長くても30分程度、ですね」
駐車場でボール蹴りをするあやかちゃんとおとうさん。
『3月13日、日曜日、
今、地震や津波はとっても恐いです。
家族と一緒に、白瀬さんの家に避難しています。
でも、じいちゃんの行方がわかりません。
家族でみんな、恐くて仕方がありません。
放射能も恐いです。
もうこんな暮らしは恐いです』
アヤカ「この本は、あの、日記帳です。
なんか、書きたくて、書きたくて、おとうさんに買ってもらいました。
なんか、悩みを自分で持っているよりなんか、伝えたり書いたりした方がすっきりするから。
話すっていう気持ちがなんか、勇気っつうか、わいてこなかった……家族なんだけど……。
恐かったから……」
福島の子供達が避難して新しい暮らしを始めた所から160キロメートル北の町は、津波の被害が最も酷かった地域で、今もまだ、4000人もの方々が行方不明のままである。
北上川近くにある大川小学校では、10人の教師と74人の生徒が、あの金曜日の午後に亡くなった。
ソウマ「僕のクラスでは17人いたけど、その中でも4人が残っている。多分僕の上で僕を見てると思う。
あの、学校では僕と一緒にみんな勉強してると思う。みんなそばにいてくれてると思う。友達だから離れたくない。
みんないなくなって欲しくない」
津波が襲ってから二ヵ月経ってもまだ、ひとりの教師と、6人の生徒達が行方不明のまま。
ナオミ「コハルの教室はそこの、あそこの所です」
ナオミの娘、12才のコハルは6年生。
ナオミ「ほんとに、自衛隊の方々が、それこそ何百人って入って、片付け方をしてくださった。
でも、こうやってきれいになると、ここにもう子供達は戻ってこないので、きれいになりすぎてることによって、すごく逆に哀しくなったりもします。
娘のなにか、思いがある所に食べ物を置くと、早くみつかるって、そういうふうに言われたので、ロッカーにあげます。
早く見つかりますように。コハルが早く、家に帰ってきますように」
対策本部が救助活動を一旦終了した後、ナオミをはじめとする数人の親達は、自分達の手で捜索を始めた。
ナオミ「まだ見つかってない6人の子供達の親は、自分の手で掘れる所にもう子供達がいないので、重機を使ってしか子供達を探すことができない。
おとうさんは、仕事を辞めて、息子さんを見つける作業を一生懸命やってくれています」
子供を見つけようと懸命になる親達がいる一方で、起こったことに対する説明を探し求めている親がいる。
サヨミ「今だにわかってないです。今だに、どうして、行ってきますって言って出て行った子が、ヘドロまみれで真っ黒になって帰ってきたのか、今だにわからない。今だに信じられない」
大川小学校は、災害に遭ってから4週間後になってやっと、何が起こったのかを説明する会を開いた。
「助かった教師を我々の前に出せないのか?」
「エンドウジュンジ先生より、ただ今から説明をさせていただきます」
津波が襲った時、大川小学校には11人の教師がいた。
その中のたった一人が助かった。
エンドウジュンジ。
エンドウ「すみません、助けられなくって、本当に申し訳ありませんでした」
サヨミ「ひたすら願ったのが、エンドウジュンジ先生、ひとり残った先生の証言が、知りたかった、聞きたかった」
エンドウ「ものすごい高さの津波が、波が道路に沿ってくるのが見えました。
それですぐに、『山だ!山だ!こっちだ!」というふうに叫んで、で、山の方にやりました」
サヨミ「結果的には、エンドウジュンジ先生は、いかにして自分が助かったか、っていう説明に留まってしまって」
保護者「よそのひでえとこ皆助かってんだぞ、なんでここの子供達だけが死ななければならなかったんだ?」
サヨミ「怒り以外の何ものも無い、なんでこういうことになったのか、説明しろっていう、もう感情がもろ出しの状態で」
エンドウ「ほんとに、まさか、あんな大きな津波が来るってのはそこまで考えられなかったので」
サヨミ「質問に、こちら側の質問に対して、何も答えられない状況で、口ごもったり、黙り込んだり、説明にならない言葉を、ただ、私たち遺族の怒りをぶつけただけの会で終了してしまって」
保護者「殺されたんだぞ!」
保護者「学校に殺されたってことなんだぞ!」
保護者「この靴を見ろ。靴だけしか帰ってこねえよ。こんなめちゃめちゃに壊れて。俺の娘はクズか?」
サヨミ「そこが疑問です、すごく。
校庭以外の安全な場所は、1メートル高い所は、すぐ目の前にあったはずなんですよね。
公の立場である人間達だって、自分の子供が犠牲にならなければ、自分が、放射線のその危険地域内に住んでいなければ、他人事なんですよね」
ニュースアナウンス『福島第一原子力発電所で進む復旧作業の状況ですが、また想定外の事態です。
燃料棒は、すべて露出しているか、溶けてしまっている可能性があります。
ただ、圧力容器の温度は安定していて、水を送り込むことで冷やす……」
福島第一原子力発電所の事故により、避難を強いられている子供達は、いつ家に戻れるのか、もしかしたら永遠に戻れないのかと考えている。
エイイチロウ「寝ようとした時に(両親の話し声が)聞こえたりします。おとうさんとおかあさんの中ではおとうさんの方が、まあ、怒りみたいなの持ってます。
テレビで原発の話なんか観てても、ウソだ、みたいな信じなかったりしてて」
父「国がもはいっきに、無理ですって言った方が、あきらめがついていいんでねえの」
母「でもさ、無理ですってば、多分言ったらまたなんか言われるんで」
「手探り。無理ですとも言えず、かといって、いつまで経っても帰れます、とも言えず」
エイイチロウ コウセイは、立ち入り禁止区域に隣接する南相馬の、祖母の家に避難している。
町は、福島の山並みに近く、放射線量は高い。
エイイチロウ「僕たちの庭は、ばあちゃんが色んなやつ好きだから、葉っぱとかいろんなやつ植えてっから、それに放射能がついてっから、もう少しでないとダメって言われる。
おとうさんが会社から放射能測る機械を持ってきたから、それで測ったら、家の中で二階の方が一番高かったから、行っちゃだめって言われました。
ほとんどばあちゃんとかしか行かない。
お姉ちゃんと二階で遊んだりしたい。なんか、相撲みたいな、ことして遊びたいです。
家の蛇口から出る水は、なるべく飲まないでって言われています」
ミノリ「やっぱり、野菜とかもなんか放射能とかなんか、いろんなこと言ってるから、おかあさんとかばあちゃんは、買い物すっ時、なるべく福島県でできた野菜とか買わないようにしてくれてるし」
エイイチロウ「玄関に行って、マスクをかけて、放射能をあんまり吸いたくないとかそういう気持ちで走って車に乗ります」
ミノリ「おとうさんとおかあさんは、多分避難とか、もっと遠い所に行きたいと思ってるんだろうけど、やっぱりなんか、アパートもいっぱいだし、なんか仮設もそんなになくていっぱいだから、住む家が無くて多分行けないんだと思います」
タクヤ「仮設住宅は、家が無くなった人が、借りて住んでる所です」
立ち入り禁止区域になっている小さな町からやってきた10才のタクヤにとって、住んでいる仮設住宅は異世界だ。
タクヤ「外側から見える風景は、色んななんか長方形が、なんか次々並んでて、ひどいとなんか、自分の家の番号間違えたりします」
マツミ「仮設っていうのは、みんなが、っていうか、工事する人が、おうちをつなげて作って、それでみんなが隣同士で住むっていうこと」
7才のマツミは、ふたりの姉、メグミとマナミと一緒に暮らしている。
マナミ「前の家はなんかあの、とっても広くて、まあ二階もあったんですけど、仮設住宅ではちょっと狭くて、あと二階もなくて、
なんかあの、うるさくなって、聞こえちゃうので、なんかあの、おかあさんとかに静かにしろとか言われます」
クミコ「うーん、おかあさんわたしって赤ちゃん産めるの?何人ぐらい産める?とか、っていうのちょっと最近聞くので、
それなりになんかこう、体に悪い影響がある、だから赤ちゃん産めなくなったりとか、うーん、好きな人と結婚できなかったりとか、なんかそんなこともあるのかな?っていう、多分、ちょっとした疑問、っていうんですか、持ち始めたのかなーなんては思いますけど。
政府では大丈夫だって言ってるけど、ほんとにそれで大丈夫なのかどうなのかは、誰も経験したことが無いんだもんって、いつも思ってます」
マツミ「これから生きていくために、赤ちゃんとか産むから、だから人が増えるっていうか、安全にしなきゃいけないから」
津波発生から6ヵ月後、福島から北に160キロの所で、ナオミの、娘を探し求める作業は終わった。
ナオミ「この、ナブリ湾の漁港の作業をされてる方が、作業する際に、浮いているものを見つけて、それをカモメが突いていたっていう話でした。
うちの娘は、頭が無い状態で、見つかりました。体の一部も、手足が無い状態で、見つかりました。
それだけここまで来るまでには、長い距離を流れてきたんだと思います」
ナオミ「コハルが見つかってそれで終わりっていうことじゃなくて、残り4名の子供が見つかっていないということは、わたしにとってそこが、終わりではないんですね」
街頭演説をする政治家「私は、この先の警戒区域から避難している候補の高野みつじです。
これからの政治生活の中で、きちっと皆さんに答えられるように、私は……」
事故後、福島の立ち入り禁止区域から避難している避難民の人々に、一時帰宅の許可が下りた。
帰宅時間は4時間と、厳しく定められており、皆、特別に設置された所から入って行かなければならなかった。
彼らがそこから出る際には、車をはじめ、すべてのものの放射線量の測定が行われた。
リク「子供は入れないんですよ。あの、なんでかっていうと、子供は、子供用のその服が作られてないし、それに子供が行くと、どうしても暑くなって脱ぎたくなったりするから、ダメって言ってました」
サキ「えっと、おかあさんは、オダカ?20キロ圏内の方に行って……入りたいです。あと、家の周りとか町がどうなっているのかとか」
キリコ「誰も居ない町はやっぱり淋しいですよね。ここが体育館で、そっちがオダカ小学校です。
で、子供達の昇降口がこっちです。
0.51(マイクロシーベルト)です。思ったよりも数値は低いです。
靴を上履きに履き替えて、学校に入って行く所です。まだ、上履きが入ったままの子達もいますね」
「ここです家は。ここの勝手口の下の所、あそこから水が入って。
津波はうちの中では1メートル40センチぐらいの高さまで来た場所もあります。
あそこの、あの額を取ってきたいんですけど、どうしようと思って。
ここがわたしの机でした。
終わりました」
「この次の帰宅がいつのなるかは、わたし達にはわからないです。
この警戒区域の住民の方は皆そうなので、津波の影響が無い所でも、もう家の中はカビ生えてるとか、盗難に遭ってるとか、そういう状況ですから、
それを、賠償を、どうして国や原発の方で支払ってくれるのかな?というのは不思議でいます。
どうしていいかわからない状況ではありますけれど、みんなが困っている状況なので、ただ早く安全なオダカになって戻って欲しいと思います」
「それはなんといいましても、放射能の問題をきちっと解決をし、それは表土を一部剥ぐ、そしてまた、50センチ程度の土盛りをして、復興機関住宅を建てますと、現在の放射線から10分の1以下の放射線になりますから、
子供達やおかあさんが、安心して戻れる地域になるんです。どうもありがとうございます。お仕事ご苦労さまです」
トシハル「除染を見る時はとても楽しくて、僕も運転したくなるなあって感じです」
立ち入り禁止区域に隣接する南相馬市では、校庭の汚染された表土を5センチ剥ぎ取り、汚染されていない砂をそこに被せる作業が行われている。
汚染された土は、校庭を浅く掘って埋められる。
トシハル「それで重機とかが、とても大好きです。一番運転したいのはホイルローダーです。二番目に運転したいのが、小型のショベルカーか、あ、大型のショベルカーです」
放射能の被ばくの影響が子供達の健康に、いつ出るのか、その可能性の有無さえも、誰にもわからない。
しかし、心理的な影響はすでに出ている。
トシハル「僕のトシユキは年令は4才です。僕のおかあさんはトシユキのことを少し心配し、震災になってなんかちゃんとしゃべられなくて、
オダカの家に居た時はちゃんとしゃべってたんだけど、なんでここに来るとちゃんとしゃべられないのかなと思いました。それが不思議でわかりません。
料理とかも、少しうまく作れないけど、ホットケーキとか作ってくれて美味しかったです」
津波から9ヵ月経ち、福島第一原子力発電所は、ついに廃炉の決定が下された。
しかし、立ち入り禁止区域から避難している8万人の人々は、今も、自宅に戻れる許可が出るのを待っている。
サキ「いつ、今年は行けないと思います。なんかテレビとかの人は、もう20年とかかかるって言って、みんなはそんなの信じなくって、早く帰れるように復興を祈っています」
「時々心配になるけど、もう慣れちゃったって感じだから、もういいやと思って。だからもうここが家だと思って、もう気に入りました」
アヤカ「もうなんか、福島、日本全体がなんか、他の国から信用されなくなったというか、逆にひどくなったっていう感じがします。
もうまずうちの生活は、うーん、なんか家の中に閉じこもるようになった。外で遊べないから。
福島県では逆に、がれきをまだ片付けられないことです。まあ一応、そこ場所で通ってるので、そこ見んのがちょっと辛いです。
なんか、うちはあの、30年以上ぐらいだと思う。あの、そんなに広がっているんだったらば、すぐに消えないし、あの、いくら除染したってすぐには無くならないものだから。
あの、放射線はすぐには無くならないと思う」
トシハル「友達とは、放射線のことはあんまりしゃべりません。でも、遊びのことではけっこうしゃべりますが、でも放射線のことはあんまりしゃべりません。
なんかまた地震が来そうかなあと思うからです。
大人になったら、新幹線とか電車の運転手になりたいです。
トシユキは警察か、いや、電車の運転手と思います。
それでも僕は夢がかなうといいと思います。
マツミ「パテシエをやりながら、土日とかはボランティアとかをやる。
うーん、こういうふうに被害受けてる人達が、なんか、かわいそうっていうか、辛い目に遭ってるから、だから、助けてあげるっていう感じ」
ソウマ「山に行けば多分、みんな大丈夫だったと思う。そしてもうちょっと早く避難していれば、助かったと思う」
フウカ「マノちゃんを思い出したりする時は、すごい悲しい気持ちになったり、その時はほんとに涙が出てきたり、うーん、夢であって欲しいなって思います。
まあ、逃げなかったっていうのもあるんだけど、この地震がなって、あの、自然がなんかそういうふうにならなければよかったと思う。
でも、怒る気持ちはまだあります」
ソウマ「怒ってはない。あの、自然は助けてくれることもあれば、悪いこともあるから、それはしょうがないことだと思う。
海だって、魚がいっぱい泳いでいるから。魚だって僕たちが食べているものだから。
みんなを助ける仕事をしたい。震災の時に助けてもらったから、みんなを助けたい」
アヤカ「あのー放射線の研究者になりたい。なんでかというと、うちたちは経験してて、それをならないための薬とかあの、スプレーとかで、子供、あの、これから生まれてくる子供とか、そういう子供達の安全を守りたいから、放射線の研究者になりたいと思ってます」
リク「今には科学者とかいるじゃないですか。だから、やっぱりその風とか嵐とかで、放射線を外国とかに行かない、海の中心部に置いとけば。
それで、科学者とかに、巨大扇風機とか作ってもらえれば、できると思います。
あの、僕の大人になってからの夢は、やっぱり、安全な物を作ったりする、まあ、安全を考える人になりたいです、はい」
BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」3月1日放送から・・フィルムバッジをつける子どもたち
先日、福島郡山市の屋外活動30分制限について、記事にしましたところ、次の情報提供がありました。
ちなみに、郡山市が独自の時間制限を設けたのは、市長が原発事故直後に「直ちに健康に影響はない」という政府の発表を垂れ流す一方で、自分の孫はいろんな理由をつけて関西にいち早く避難させたことを市民から追求されそうになったからです。
真偽の程はわかりません。また、別の方からは次のような投書が
奇形と分かったご家庭には、保健師をはじめ次々と何人もで訪ねてくること。
妊娠中に突然、胎児の頭部が大きくなり、堕胎をすすめられた方。
口唇裂の赤ちゃんの診察のために病院に出かけた際、「ひとに見られたくない、聞か
れたくない」と
ひと目を気にする方には、病院の方から「お宅だけじゃないですよ。気にしなくても
大丈夫です」と声がかけられること。
実際、おなじ事情に苦悩する患者さんご家族どうしが、「ごろごろと」隣り合って病
院にいること…等々。
一体本当のことはどこにあるのでしょうか。私にもわかりません。
BBCの素晴らしい放送がありましたので、ここで紹介いたします。なぜ、日本のテレビ局がこのような放送ができないのでしょうか。出てくる子どもたちは、まっすぐとカメラを見て話し、しっかり地に足がついた考えです。我々大人よりも、現状をしっかり把握していると言って良いでしょう。
消されましたので、Journeyman Picturesの申し立てらしい
BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」_Japan's c... 投稿者 sievert311
「政府が大丈夫というけど本当に大丈夫なのか?誰も経験したことないんだものって思います」
「そんなに広がっているならすぐには消えないし、いくら除染したってそこからは無くならないものだから」
「放射線はそんなにすぐには無くならないと思う」
なぜ、フィルバッジを持たせて、このような汚染地帯に、こんな素晴らしい子どもたちを放っておくのでしょう。政治は、なんのためにあるのでしょう。今回のガレキ拡散のキャンペーンに、環境省は9億円の宣伝費を博報堂に支払ったそうです。血税をキャンペーンのために湯水のごとく使う。そして、その広告費を嬉々として受け取るマスコミ。根本的に間違っているとしか思えません。
この子どもたちの親の元には、次のような報告書が届きます。
私が気になるのは、2番目の書類です。
「今回測定しているのは外部被曝線量ですので、のぞいているのは宇宙と大地からの放射線量です」
これをコントロールと言いますが、一体どこでこのコントロールを取っているのか。田村市役所に問い合わせる必要があります。もし、田村市の大地からの放射線量をのぞいているとすれば、とんでもない過小評価と言えます。
この方の被曝線量は 0.16mSv です。これが多いか少ないか。どこをどう捜しても、私が福島第二原発に勤めていたときの被曝量手帳が見つかりませんが、私の5年間の総被曝量は、せいぜい0.3mSvのはずです。それを3ヶ月程度で被曝しているのですから、とんでもありません。子どもが被曝して良い線量では決してありません。
ところが文科省は、放射線教育で教師に次のように教えるよう指導しています。
明確な証拠がないから、100mSv以下では病気が起きないと教えろと言うわけです。
この教科書に記述がないから、認めないというのは、中世のガリレオ・ガリレイが、地動説を唱えて宗教裁判にかけられたのと全くおなじ構図です。
この中世の宗教裁判を我々は、笑えるでしょうか。
捨てる神あれば拾う神あり。福島の皆さん、熊本は水俣病で国に健康を踏みにじられた経験があります。政府の安全宣言を決して信用していません。
そして、肥田先生のこの言葉を
米国を「東電と政府」に変更すれば、全て今回の事態に当てはまると思います。
◆関連ブログ
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ウィンザー通信
『津波の子供たち』BBCドキュメントから
リク「なんか普通地震って、うぅってなるだけなんですけど、大地震の時は、自分がもう投げ出された感じになったんですけど、
で、それで、机に潜って、かなりゴオーッてなって、机が動いたから、鳥肌が立つような、うぅっみたいな感じで、なんかとても恐い感じ……。
海って、波見たことありますか?
ザバーンザバーンて、あれが、地震で揺れることによって、その波が増して、ザッバーンってくるのが津波です」
これは、子供達の目を通して語られた、原子力発電所の事故を引き起こした、あの日本の津波のお話です。
リク「あの、思いっきりバチャーンてなるから、自分がまず倒れるんですよ。
それで後から、引きずられて、死んでしまう、みたいな感じなんですよ」
ソウマ「川があって、川の先には海があって、それで川の前に学校があって、学校の後ろには山があった」
金曜日の午後の、ちょうど学校が終わるぐらいの時間に、津波は襲いかかってきた。
それは、日本の東北地域沿岸の、300キロメートルに及ぶ範囲に渡るたくさんの学校を壊した。
すべての学校の生徒達は、高台に避難した。ただ一校を除いて。
大川小学校。
北上川から2.5キロメートルほどの所に位置する。
10才の双子、ソウマとフウカは4年生。
ソウマ「えっと、1年生と2年生が近くて、そこが丸くなっていて、その脇にはプレイルームっていう所があって」
フウカ「わたしの一番好きな所は、中庭で、その理由は、みんなで一輪車をして遊んだり、四ツ葉のクローバーを探したり」
ソウマ「図工室から、体育館通路があって、途中から階段を降りるとプールがある」
津波を引き起こした地震は、3月11日、午後2時46分に発生した。
ソウマ「その日の天気は、雪……降っていた……と思う。寒かった」
フウカ「その時はえっと、マノちゃんの誕生日だったんで、もうひとりのお友達とおめでとうとか驚かしたりして、
わたしの一番仲良かった友達はマノちゃんで、すごく優しくて、明るくて、いつもにこにこしてて」
ソウマ「その後歌を歌うんだけれど、その歌を歌っている途中に地震があって」
地震はマグニチュード9の激しい揺れが、少なくとも2分以上は続いた。
ソウマ「なんか、すごい横にこうなってなんか、ゆっくり揺れてるような感じだった。
速くこう、細かくじゃなくって、あの、こう横だったから、すごくでっかく感じた」
フウカ「で、先生方もずっと廊下を走って、机押さえろ!とか言ってて」
津波は、大川小学校に到達する前に、海岸近くの他の二つの学校を襲いかかっていた。
そのひとつ、河口沿いに建てられた、真正面に海を臨む学校。
「海がすごく引いてて、で、あの、見た事も無いくらい、なんか引いてて、これはちょっと、おっきい津波来るなあと思ってて、結構足が震えて」
この学校の教師は、生徒を高台に安全に避難させた。
「津波が、あの思いっきりザブンで来るんじゃなくて、静かになんかどんどん増えてくる感じで」
「家も海の近くだったから、基礎しか残んなくて、全部流された」
今や津波は、北上川を逆流し、二つ目の学校に迫っていた。
「津波は、えっとすごい速さで上に上がってきました。一、二年生の教室の前の木が呑み込まれていってました」
この学校の教師と生徒は、校舎の屋上に避難した。
「屋上の踊り場近くにも水が押し寄せてきたのを見たので、もう音楽室に居たら、みんな死んじゃうっていうぐらいでしたね。
みんなが思ってるなんだろう、おっきい怪物みたいな感じの、風景だったと思います」
今や津波は、被害に遭った学校の中で一番内陸にある大川小学校に到達しようとしていた。
地震発生後、三十分以上が経っていた。
約100人ぐらいの生徒達がまだ、校庭で待機していた。
フウカ「そん時にずっと車を見ておかあさんが来るかなって、あの、不安で不安でしょうがなくって、
来た瞬間ずっと泣いてて、おかあさんもずっと泣いてて」
ソウマ「もうみんな並んで、あの、先生が前に立って話したりしていた」
教師達は、校舎の裏山にある自然道に登るか、あるいは、橋のたもとの、少し勾配が上がっている所に避難するかを協議していた。
ソウマ「それで学校で、ここでいた方が安全だった言われたけど、おかあさんが、ここにいるより、家に帰った方が高いから安全だって言って」
フウカ「マナちゃんもほんとに近くにいたんで、そのプレゼントはほんとはバスケの帰りに渡すって言うことを言ってたんだけど、渡せなくなったねっていう話をしてて、ごめんねって、いいんだよって言ってて、
もう逢えないっていうのは思ってもいなかったから、なんにも言わないで、バイバイって言うのも言わないで終わってしまった」
半時間の間に、津波は、太平洋沿岸の300キロメートルに及び地域を破壊し、1万9000人もの命を奪った。
津波が収まった頃、大川小学校から160キロメートル南にある福島で、新たな災害が起ころうとしていた。
津波が、福島第一原子力発電所の冷却システムを破壊していたのだった。
ニュースアナウンサー『一号機の原子炉の天井が崩落しているということです』
三基のうちの一基の原子炉の燃料が、メルトダウンを開始した。
電力会社が、なんとか収集しようと躍起になっていた時、そのうちの一基が爆発した。
「おばあちゃんとおかあさんが、なんかあの、爆発したよとか言われたんで、中に入ってました。
で、初めて聞いた時は、なんだろうと思ってました」
初めの爆発があった二日後、二度目の爆発があり、放射能雲を生成するほどに高く吹き上がった。
「原発が水素爆発したって区長さんから言われたので、それであの、一回避難しました。
わたしはオダカで生まれ育ったので、なんかずっとオダカにいたかったんだけどこんなことになるとは思わなかった」
ニュースアナウンサー『半径20キロから外へ避難するよう指示しました。この範囲の中の方は速やかに避難してください』
津波の26時間後、政府は、原子力発電所から半径20キロ以内に住むすべての人々に、避難するよう勧告した。
二日以上かけ、約8万人の住民が家を放棄した。
「放射線を測ったん……次の日に。それでわたしはちょっと高かったから、テントの中でシャワーを浴びて、それで、着てた服はもうぜーんぶ捨てられて、髪の毛もよく洗って、顔もよく洗って、それで靴も全部捨てられたから、なんか……大事な服だったから悔しかった」
政府は、事故が起こった原発から20キロ以内を立ち入り禁止区域にし、それにより町は、外の世界から見ると空っぽになってしまった。
リク「なんかこう、警戒区域っていやだなーみたいな、なんか、警戒区域っていうことがあるということは、危ない所がそこにあるっていうことだから、イヤな気持ちです」
10才のリクは、立ち入り禁止区域となった、冨岡出身の子供。
多分、子供達がこの町に帰れるようになるには、何代もの年月が必要になるだろう。
リク「えっとまず富岡町は、ともかく助け合いのような感じがあったんですよ、僕にとっては。いい町だと思いました。
で、僕の家とかも普通の所なんだけど、宝物のようなものだから、汚染とかされちゃうとちょっとイヤな気持ちになっちゃう。
あとは、シスコーンっていう、美味しいやつが売ってて、牛乳につけて食べるやつなんですけど、あれがすごく美味しくて、食べてました。
あの、前、ちょっと焚き火とか、まだ避難している時に焚き火やってたんですよ。
その時に、おとうさんが、あの、煙が出るじゃないですか、それが、風によって放射線が来たり来なかったりするっつってたんですよ」
放射能汚染は、政府が指定した警戒区域だけに留まらず、福島の広域に渡って拡大した。
原発から半径20キロ以内に、ゴーストタウンが次々とできあがった。
多くの子供達や家族は、それぞれ、日本国内の遠方へと避難していった。
しかし、この、ギリギリのところで強制避難区域から外れている南相馬では、動けずにいる人々がいる。
警戒区域に指定された所の子供達は、この南相馬の学校に越境通学している。
「こないだは、遠くにいる友達のことを思って、毎朝歌ってきました」
歌「友達はいいもんだ」
警戒区域に家がある子供達は、いつまた元の家に戻れるのか、政府の決定を待っている宙ぶらりんの状態。
原子力発電所の事故は、子供達から家を奪っただけではなく、子供なりの世界、そして友達のほとんどを奪ってしまった。
当面の間、子供達はこの、原子炉の爆発が引き起こした暗い(奇妙で新しい)世界に適応していかなければならない。
10才のサキの寝室の窓からは、立ち入り禁止区域の入り口が見える。
サキ「えっと、あそこに見える風景は、赤いのが光っていて、その中に入ると危ない。放射線とかで危ないから、中に入らないようにあそこで守っています。
夜、あそこが光っているから、よく見えるから、その時見て、また帰りたいなとか思ったりしています」
サキの家がある町は、立ち入り禁止の柵により封鎖されている。
サキ「家が借りるのがなくて、まあ、20キロから近いけど、ここしか無かったから、ここ借りた。
心配になるけど、他に行く場所が無いから、まあ我慢するしか無いなと思って、ここにいます」
福島の子供の、放射線被ばくの脅威は、徐々に高まっている。
リク「子供とかって背低いから、あの、地面に近いっていうことだから、つまり、地面に放射線とかっておとうさんが、雨でホットスポットっていうやつがあるっていうので、それで地面に近いから、やっぱそのなんつぅんですかね、
地面についてるのはやはり近いから、近いと強いからそのやつが、それで浴びやすいんじゃないかなと思います。
おとうさんとお風呂に入る時に聞いたんですけど、あの、なんか、被ばくすると癌とかになったり苦しくなるから、被ばくしちゃうともう死んじゃうからダメだよって言われたんですけど」
福島の子供達は全員、外部被ばく量を測定する個人積算線量計(ガラスバッジ)を配布され、それを装着している。
マナミ「これは、多分福島だけだと思うんですけど、ガラスバッジっていって」
マツミ「これ、ここ(首)につけてると、ここの縫い目がちょっとチクチクするから、だから下着とか短い時には、ここにつけるんじゃなくて、ここ(腰)に巻いてつける。
だからお守りみたいなもの」
「いつもと変わんないなーっていう感じです」
アヤカ「いずれみんな見えるかなーってあの、言ってたけど、それはあの、自分では見れなくて、東京とかそういうあの、大学の所に届けられて、あっちの大学の人達が結果出して送ってくれるから、あの、自分達では見れないよっていうふうに話してくれたんで、あの、うちはけっこう興味あった」
校内放送「Good morning everyone. How are you? Please have a nice day」
アヤカ「マスクは、あの、外の放射線とか埃とか吸い込まないようにマスクして、帽子はなんだろ?帽子は、なんか理由はわかんないんだけど、帽子はあの、初めて来た時にかぶってくださいって言われて」
アヤカとクラスの子供達が、歌を歌っている。子供達が体育の授業で元気に運動している。
マスク姿で、下校する子供達。
アヤカ「多分、一号車だと思う」
アヤカは、立ち入り禁止地区からの避難者。
彼女にはもう、戻る場所はどこにも無い。
彼女の家は、津波によって壊された。
彼女の祖父は、津波が襲ってきた時に家の中に居た。
アヤカ「なんか、不思議というか、どこにいたんだろっていう、なんか謎っていうか、わからないので、うちたちも、あの、まあただ悔しいだけです」
アヤカは、手をすり合わせながら、祖父の遺影を前に拝む。
週末になると、あやかは外で遊ぶ事が許される。
ただしその場所は、父親が線量を測り、大丈夫だと判断された所に限られている。
アヤカ「0.7……0.8……」
父親 「およそ0.8ぐらいかな」
アヤカ「0.7、0.7……」
父親 「0.7か、まあ0.8ぐらい」
アヤカ「0.8ね……」
アヤカ達がマイクロシーベルトの値で測っている通りの放射線量は、事故後、以前の線量の15~20倍の高さになった。
アヤカ「放射線の測る機械はあるけど、あんまり、英語で書いてあっからあんまり、最初の方でしか測ってないから、ちょっとうちにはあんまりわかんないけど、あの、1.0マイクロシーベルトは高くて、で、0.3とかはちょっと高いぐらい……」
父親 「あの、これ一応あの、ウクライナ製で、インターネットで買ったんで、オークションっつかあれで、とりあえずスィッチ入れて、まあだいたい1メーターのとこ測って後は、まあ、だいたい1センチか2センチぐらいのとこに当てて」
アヤカ「くるまくるま!くるま!くるま!」
父親 「どれぐらいか確認してから、◯◯(聞き取れず)ようにしてるんですけど」
アヤカ「自分の部屋だけ測ったりする、時々……ふふ」
父親 「水回りとか草木がある所は高いんで、なるべくはこういう、アスファルトとか、その上で遊ぶようにはしてます」
アヤカ「なんか、あっち行くと怒られそう」彼女の視線の向こうには、きれいな公園がある。
アヤカ「木がいっぱいあってあの、放射線高そうだから」
アヤカ「おとうさんに、ここの駐車場で遊べって言われてるから、ここでしか遊んだことない」
父親 「まあそれも、長時間でなくて短時間で、はい。長くても30分程度、ですね」
駐車場でボール蹴りをするあやかちゃんとおとうさん。
『3月13日、日曜日、
今、地震や津波はとっても恐いです。
家族と一緒に、白瀬さんの家に避難しています。
でも、じいちゃんの行方がわかりません。
家族でみんな、恐くて仕方がありません。
放射能も恐いです。
もうこんな暮らしは恐いです』
アヤカ「この本は、あの、日記帳です。
なんか、書きたくて、書きたくて、おとうさんに買ってもらいました。
なんか、悩みを自分で持っているよりなんか、伝えたり書いたりした方がすっきりするから。
話すっていう気持ちがなんか、勇気っつうか、わいてこなかった……家族なんだけど……。
恐かったから……」
福島の子供達が避難して新しい暮らしを始めた所から160キロメートル北の町は、津波の被害が最も酷かった地域で、今もまだ、4000人もの方々が行方不明のままである。
北上川近くにある大川小学校では、10人の教師と74人の生徒が、あの金曜日の午後に亡くなった。
ソウマ「僕のクラスでは17人いたけど、その中でも4人が残っている。多分僕の上で僕を見てると思う。
あの、学校では僕と一緒にみんな勉強してると思う。みんなそばにいてくれてると思う。友達だから離れたくない。
みんないなくなって欲しくない」
津波が襲ってから二ヵ月経ってもまだ、ひとりの教師と、6人の生徒達が行方不明のまま。
ナオミ「コハルの教室はそこの、あそこの所です」
ナオミの娘、12才のコハルは6年生。
ナオミ「ほんとに、自衛隊の方々が、それこそ何百人って入って、片付け方をしてくださった。
でも、こうやってきれいになると、ここにもう子供達は戻ってこないので、きれいになりすぎてることによって、すごく逆に哀しくなったりもします。
娘のなにか、思いがある所に食べ物を置くと、早くみつかるって、そういうふうに言われたので、ロッカーにあげます。
早く見つかりますように。コハルが早く、家に帰ってきますように」
対策本部が救助活動を一旦終了した後、ナオミをはじめとする数人の親達は、自分達の手で捜索を始めた。
ナオミ「まだ見つかってない6人の子供達の親は、自分の手で掘れる所にもう子供達がいないので、重機を使ってしか子供達を探すことができない。
おとうさんは、仕事を辞めて、息子さんを見つける作業を一生懸命やってくれています」
子供を見つけようと懸命になる親達がいる一方で、起こったことに対する説明を探し求めている親がいる。
サヨミ「今だにわかってないです。今だに、どうして、行ってきますって言って出て行った子が、ヘドロまみれで真っ黒になって帰ってきたのか、今だにわからない。今だに信じられない」
大川小学校は、災害に遭ってから4週間後になってやっと、何が起こったのかを説明する会を開いた。
「助かった教師を我々の前に出せないのか?」
「エンドウジュンジ先生より、ただ今から説明をさせていただきます」
津波が襲った時、大川小学校には11人の教師がいた。
その中のたった一人が助かった。
エンドウジュンジ。
エンドウ「すみません、助けられなくって、本当に申し訳ありませんでした」
サヨミ「ひたすら願ったのが、エンドウジュンジ先生、ひとり残った先生の証言が、知りたかった、聞きたかった」
エンドウ「ものすごい高さの津波が、波が道路に沿ってくるのが見えました。
それですぐに、『山だ!山だ!こっちだ!」というふうに叫んで、で、山の方にやりました」
サヨミ「結果的には、エンドウジュンジ先生は、いかにして自分が助かったか、っていう説明に留まってしまって」
保護者「よそのひでえとこ皆助かってんだぞ、なんでここの子供達だけが死ななければならなかったんだ?」
サヨミ「怒り以外の何ものも無い、なんでこういうことになったのか、説明しろっていう、もう感情がもろ出しの状態で」
エンドウ「ほんとに、まさか、あんな大きな津波が来るってのはそこまで考えられなかったので」
サヨミ「質問に、こちら側の質問に対して、何も答えられない状況で、口ごもったり、黙り込んだり、説明にならない言葉を、ただ、私たち遺族の怒りをぶつけただけの会で終了してしまって」
保護者「殺されたんだぞ!」
保護者「学校に殺されたってことなんだぞ!」
保護者「この靴を見ろ。靴だけしか帰ってこねえよ。こんなめちゃめちゃに壊れて。俺の娘はクズか?」
サヨミ「そこが疑問です、すごく。
校庭以外の安全な場所は、1メートル高い所は、すぐ目の前にあったはずなんですよね。
公の立場である人間達だって、自分の子供が犠牲にならなければ、自分が、放射線のその危険地域内に住んでいなければ、他人事なんですよね」
ニュースアナウンス『福島第一原子力発電所で進む復旧作業の状況ですが、また想定外の事態です。
燃料棒は、すべて露出しているか、溶けてしまっている可能性があります。
ただ、圧力容器の温度は安定していて、水を送り込むことで冷やす……」
福島第一原子力発電所の事故により、避難を強いられている子供達は、いつ家に戻れるのか、もしかしたら永遠に戻れないのかと考えている。
エイイチロウ「寝ようとした時に(両親の話し声が)聞こえたりします。おとうさんとおかあさんの中ではおとうさんの方が、まあ、怒りみたいなの持ってます。
テレビで原発の話なんか観てても、ウソだ、みたいな信じなかったりしてて」
父「国がもはいっきに、無理ですって言った方が、あきらめがついていいんでねえの」
母「でもさ、無理ですってば、多分言ったらまたなんか言われるんで」
「手探り。無理ですとも言えず、かといって、いつまで経っても帰れます、とも言えず」
エイイチロウ コウセイは、立ち入り禁止区域に隣接する南相馬の、祖母の家に避難している。
町は、福島の山並みに近く、放射線量は高い。
エイイチロウ「僕たちの庭は、ばあちゃんが色んなやつ好きだから、葉っぱとかいろんなやつ植えてっから、それに放射能がついてっから、もう少しでないとダメって言われる。
おとうさんが会社から放射能測る機械を持ってきたから、それで測ったら、家の中で二階の方が一番高かったから、行っちゃだめって言われました。
ほとんどばあちゃんとかしか行かない。
お姉ちゃんと二階で遊んだりしたい。なんか、相撲みたいな、ことして遊びたいです。
家の蛇口から出る水は、なるべく飲まないでって言われています」
ミノリ「やっぱり、野菜とかもなんか放射能とかなんか、いろんなこと言ってるから、おかあさんとかばあちゃんは、買い物すっ時、なるべく福島県でできた野菜とか買わないようにしてくれてるし」
エイイチロウ「玄関に行って、マスクをかけて、放射能をあんまり吸いたくないとかそういう気持ちで走って車に乗ります」
ミノリ「おとうさんとおかあさんは、多分避難とか、もっと遠い所に行きたいと思ってるんだろうけど、やっぱりなんか、アパートもいっぱいだし、なんか仮設もそんなになくていっぱいだから、住む家が無くて多分行けないんだと思います」
タクヤ「仮設住宅は、家が無くなった人が、借りて住んでる所です」
立ち入り禁止区域になっている小さな町からやってきた10才のタクヤにとって、住んでいる仮設住宅は異世界だ。
タクヤ「外側から見える風景は、色んななんか長方形が、なんか次々並んでて、ひどいとなんか、自分の家の番号間違えたりします」
マツミ「仮設っていうのは、みんなが、っていうか、工事する人が、おうちをつなげて作って、それでみんなが隣同士で住むっていうこと」
7才のマツミは、ふたりの姉、メグミとマナミと一緒に暮らしている。
マナミ「前の家はなんかあの、とっても広くて、まあ二階もあったんですけど、仮設住宅ではちょっと狭くて、あと二階もなくて、
なんかあの、うるさくなって、聞こえちゃうので、なんかあの、おかあさんとかに静かにしろとか言われます」
クミコ「うーん、おかあさんわたしって赤ちゃん産めるの?何人ぐらい産める?とか、っていうのちょっと最近聞くので、
それなりになんかこう、体に悪い影響がある、だから赤ちゃん産めなくなったりとか、うーん、好きな人と結婚できなかったりとか、なんかそんなこともあるのかな?っていう、多分、ちょっとした疑問、っていうんですか、持ち始めたのかなーなんては思いますけど。
政府では大丈夫だって言ってるけど、ほんとにそれで大丈夫なのかどうなのかは、誰も経験したことが無いんだもんって、いつも思ってます」
マツミ「これから生きていくために、赤ちゃんとか産むから、だから人が増えるっていうか、安全にしなきゃいけないから」
津波発生から6ヵ月後、福島から北に160キロの所で、ナオミの、娘を探し求める作業は終わった。
ナオミ「この、ナブリ湾の漁港の作業をされてる方が、作業する際に、浮いているものを見つけて、それをカモメが突いていたっていう話でした。
うちの娘は、頭が無い状態で、見つかりました。体の一部も、手足が無い状態で、見つかりました。
それだけここまで来るまでには、長い距離を流れてきたんだと思います」
ナオミ「コハルが見つかってそれで終わりっていうことじゃなくて、残り4名の子供が見つかっていないということは、わたしにとってそこが、終わりではないんですね」
街頭演説をする政治家「私は、この先の警戒区域から避難している候補の高野みつじです。
これからの政治生活の中で、きちっと皆さんに答えられるように、私は……」
事故後、福島の立ち入り禁止区域から避難している避難民の人々に、一時帰宅の許可が下りた。
帰宅時間は4時間と、厳しく定められており、皆、特別に設置された所から入って行かなければならなかった。
彼らがそこから出る際には、車をはじめ、すべてのものの放射線量の測定が行われた。
リク「子供は入れないんですよ。あの、なんでかっていうと、子供は、子供用のその服が作られてないし、それに子供が行くと、どうしても暑くなって脱ぎたくなったりするから、ダメって言ってました」
サキ「えっと、おかあさんは、オダカ?20キロ圏内の方に行って……入りたいです。あと、家の周りとか町がどうなっているのかとか」
キリコ「誰も居ない町はやっぱり淋しいですよね。ここが体育館で、そっちがオダカ小学校です。
で、子供達の昇降口がこっちです。
0.51(マイクロシーベルト)です。思ったよりも数値は低いです。
靴を上履きに履き替えて、学校に入って行く所です。まだ、上履きが入ったままの子達もいますね」
「ここです家は。ここの勝手口の下の所、あそこから水が入って。
津波はうちの中では1メートル40センチぐらいの高さまで来た場所もあります。
あそこの、あの額を取ってきたいんですけど、どうしようと思って。
ここがわたしの机でした。
終わりました」
「この次の帰宅がいつのなるかは、わたし達にはわからないです。
この警戒区域の住民の方は皆そうなので、津波の影響が無い所でも、もう家の中はカビ生えてるとか、盗難に遭ってるとか、そういう状況ですから、
それを、賠償を、どうして国や原発の方で支払ってくれるのかな?というのは不思議でいます。
どうしていいかわからない状況ではありますけれど、みんなが困っている状況なので、ただ早く安全なオダカになって戻って欲しいと思います」
「それはなんといいましても、放射能の問題をきちっと解決をし、それは表土を一部剥ぐ、そしてまた、50センチ程度の土盛りをして、復興機関住宅を建てますと、現在の放射線から10分の1以下の放射線になりますから、
子供達やおかあさんが、安心して戻れる地域になるんです。どうもありがとうございます。お仕事ご苦労さまです」
トシハル「除染を見る時はとても楽しくて、僕も運転したくなるなあって感じです」
立ち入り禁止区域に隣接する南相馬市では、校庭の汚染された表土を5センチ剥ぎ取り、汚染されていない砂をそこに被せる作業が行われている。
汚染された土は、校庭を浅く掘って埋められる。
トシハル「それで重機とかが、とても大好きです。一番運転したいのはホイルローダーです。二番目に運転したいのが、小型のショベルカーか、あ、大型のショベルカーです」
放射能の被ばくの影響が子供達の健康に、いつ出るのか、その可能性の有無さえも、誰にもわからない。
しかし、心理的な影響はすでに出ている。
トシハル「僕のトシユキは年令は4才です。僕のおかあさんはトシユキのことを少し心配し、震災になってなんかちゃんとしゃべられなくて、
オダカの家に居た時はちゃんとしゃべってたんだけど、なんでここに来るとちゃんとしゃべられないのかなと思いました。それが不思議でわかりません。
料理とかも、少しうまく作れないけど、ホットケーキとか作ってくれて美味しかったです」
津波から9ヵ月経ち、福島第一原子力発電所は、ついに廃炉の決定が下された。
しかし、立ち入り禁止区域から避難している8万人の人々は、今も、自宅に戻れる許可が出るのを待っている。
サキ「いつ、今年は行けないと思います。なんかテレビとかの人は、もう20年とかかかるって言って、みんなはそんなの信じなくって、早く帰れるように復興を祈っています」
「時々心配になるけど、もう慣れちゃったって感じだから、もういいやと思って。だからもうここが家だと思って、もう気に入りました」
アヤカ「もうなんか、福島、日本全体がなんか、他の国から信用されなくなったというか、逆にひどくなったっていう感じがします。
もうまずうちの生活は、うーん、なんか家の中に閉じこもるようになった。外で遊べないから。
福島県では逆に、がれきをまだ片付けられないことです。まあ一応、そこ場所で通ってるので、そこ見んのがちょっと辛いです。
なんか、うちはあの、30年以上ぐらいだと思う。あの、そんなに広がっているんだったらば、すぐに消えないし、あの、いくら除染したってすぐには無くならないものだから。
あの、放射線はすぐには無くならないと思う」
トシハル「友達とは、放射線のことはあんまりしゃべりません。でも、遊びのことではけっこうしゃべりますが、でも放射線のことはあんまりしゃべりません。
なんかまた地震が来そうかなあと思うからです。
大人になったら、新幹線とか電車の運転手になりたいです。
トシユキは警察か、いや、電車の運転手と思います。
それでも僕は夢がかなうといいと思います。
マツミ「パテシエをやりながら、土日とかはボランティアとかをやる。
うーん、こういうふうに被害受けてる人達が、なんか、かわいそうっていうか、辛い目に遭ってるから、だから、助けてあげるっていう感じ」
ソウマ「山に行けば多分、みんな大丈夫だったと思う。そしてもうちょっと早く避難していれば、助かったと思う」
フウカ「マノちゃんを思い出したりする時は、すごい悲しい気持ちになったり、その時はほんとに涙が出てきたり、うーん、夢であって欲しいなって思います。
まあ、逃げなかったっていうのもあるんだけど、この地震がなって、あの、自然がなんかそういうふうにならなければよかったと思う。
でも、怒る気持ちはまだあります」
ソウマ「怒ってはない。あの、自然は助けてくれることもあれば、悪いこともあるから、それはしょうがないことだと思う。
海だって、魚がいっぱい泳いでいるから。魚だって僕たちが食べているものだから。
みんなを助ける仕事をしたい。震災の時に助けてもらったから、みんなを助けたい」
アヤカ「あのー放射線の研究者になりたい。なんでかというと、うちたちは経験してて、それをならないための薬とかあの、スプレーとかで、子供、あの、これから生まれてくる子供とか、そういう子供達の安全を守りたいから、放射線の研究者になりたいと思ってます」
リク「今には科学者とかいるじゃないですか。だから、やっぱりその風とか嵐とかで、放射線を外国とかに行かない、海の中心部に置いとけば。
それで、科学者とかに、巨大扇風機とか作ってもらえれば、できると思います。
あの、僕の大人になってからの夢は、やっぱり、安全な物を作ったりする、まあ、安全を考える人になりたいです、はい」
posted by いんちょう at 21:20 | Comment(7) | 原子力
この記事へのコメント
100mSv以下では明確な証拠はない、というのは文科省の放射線副読本でも書かれています。
まぁひどい話ですが、これは「疫学的な証明はなされていない」という意味では一般的な理解ですから、虚偽ではない。
とはいえ植物に放射線を照射しての実験などは行われているから、生物学的な証拠はあり、疫学的証明はないが放射線防護上は健康被害があると考えて基準を設定しようというのが現在の到達点ですから、一部の事実だけを意図的に取り上げるダマシのテクニックですね。
そして「100mSv以下では健康被害はありません」とも書いてないのだから、低線量被ばくに関し閾値ありモデルで主張してるわけでもない。
問題点は文科省は、読んだ人が誤解するように一部の事実だけを強調していることです。
文科省の神経を疑いますが、このようなゴマカシに引っかかるなら、その教師も児童・生徒を指導する基本的な能力を欠いていると、私は思います。
言い換えると、証拠がなくて無罪になった犯人は全て無実の冤罪であった、と解釈するようなものですから。
まぁひどい話ですが、これは「疫学的な証明はなされていない」という意味では一般的な理解ですから、虚偽ではない。
とはいえ植物に放射線を照射しての実験などは行われているから、生物学的な証拠はあり、疫学的証明はないが放射線防護上は健康被害があると考えて基準を設定しようというのが現在の到達点ですから、一部の事実だけを意図的に取り上げるダマシのテクニックですね。
そして「100mSv以下では健康被害はありません」とも書いてないのだから、低線量被ばくに関し閾値ありモデルで主張してるわけでもない。
問題点は文科省は、読んだ人が誤解するように一部の事実だけを強調していることです。
文科省の神経を疑いますが、このようなゴマカシに引っかかるなら、その教師も児童・生徒を指導する基本的な能力を欠いていると、私は思います。
言い換えると、証拠がなくて無罪になった犯人は全て無実の冤罪であった、と解釈するようなものですから。
Posted by めぐ at 2012年03月08日 23:40
小野先生、ひとつ教えて下さい。
以下、コピペ
読売新聞 3月8日(木)21時28分配信
秋田県は8日、東日本大震災で発生した岩手県宮古市と野田村の災害廃棄物を最大6万1700トン受け入れる覚書を、岩手県と交わした。
秋田県によると、宮古市から家具などの可燃物5200トン、野田村から可燃と不燃の廃棄物計5万6500トンを受け入れる。時期は4月下旬以降を想定している。
両県は2月7日に廃棄物受け入れに関する基本協定を締結しており、覚書で詳細を定めた。放射性物質濃度や空間放射線量の測定方法に関する管理マニュアルも併せて作成した。
秋田県は、岩手県久慈市と洋野町、普代村の災害廃棄物も受け入れる方針。
・・・このように、連鎖反応的に受け入れを始めそうな勢いですが、この放射性物質濃度や空間放射線量の測定マニュアルは信じられますか?
以下、コピペ
読売新聞 3月8日(木)21時28分配信
秋田県は8日、東日本大震災で発生した岩手県宮古市と野田村の災害廃棄物を最大6万1700トン受け入れる覚書を、岩手県と交わした。
秋田県によると、宮古市から家具などの可燃物5200トン、野田村から可燃と不燃の廃棄物計5万6500トンを受け入れる。時期は4月下旬以降を想定している。
両県は2月7日に廃棄物受け入れに関する基本協定を締結しており、覚書で詳細を定めた。放射性物質濃度や空間放射線量の測定方法に関する管理マニュアルも併せて作成した。
秋田県は、岩手県久慈市と洋野町、普代村の災害廃棄物も受け入れる方針。
・・・このように、連鎖反応的に受け入れを始めそうな勢いですが、この放射性物質濃度や空間放射線量の測定マニュアルは信じられますか?
Posted by kawasaki at 2012年03月08日 23:54
本当にひどい話と思い、コメントさせていただきます。
一部を抜粋しての紹介であったり、引用元(出典)が分からないので、判断しかねる部分もありますが、とにかく全てにおいて「リスクを避ける」より「リスクを低く見せる・無いものとする」事を優先している事が良く分かります。
「3.11以降の事は全てなかったことにしてほしい」(NHKの番組内にて原子力安全委員会 斑目氏の発言)と誰もが皆望んでいるけれど、それは絶対不可能。なら、せめて「(少しでも)リスクを避ける」事に注力しなければいけないのに。
「安全」「安心」「大丈夫」の大合唱に惑わされず、今、また今後出来る事・していかなければならないのは「(少しでも)リスクを避ける事」ということを忘れないようにと改めて思います。いくら「安全」といっても、そこにある放射性物質と共に「リスク」は無くならない訳ですから。それを減らしてくれるのは時間だけ。それも人の一生分よりはるかに長い場合も。
あまりにも影響が大きい事故ゆえ、「リスクを避ける事」が簡単に出来ない方が大勢居られると思います。生きていく・生活していくために、リスクは分かっていてもそこに留まるしかない方がほとんどだと思います。それでも、「リスクを避ける事」の優先順位を下げる事は決してしてはいけない事と思います。まして教育現場では。
一部を抜粋しての紹介であったり、引用元(出典)が分からないので、判断しかねる部分もありますが、とにかく全てにおいて「リスクを避ける」より「リスクを低く見せる・無いものとする」事を優先している事が良く分かります。
「3.11以降の事は全てなかったことにしてほしい」(NHKの番組内にて原子力安全委員会 斑目氏の発言)と誰もが皆望んでいるけれど、それは絶対不可能。なら、せめて「(少しでも)リスクを避ける」事に注力しなければいけないのに。
「安全」「安心」「大丈夫」の大合唱に惑わされず、今、また今後出来る事・していかなければならないのは「(少しでも)リスクを避ける事」ということを忘れないようにと改めて思います。いくら「安全」といっても、そこにある放射性物質と共に「リスク」は無くならない訳ですから。それを減らしてくれるのは時間だけ。それも人の一生分よりはるかに長い場合も。
あまりにも影響が大きい事故ゆえ、「リスクを避ける事」が簡単に出来ない方が大勢居られると思います。生きていく・生活していくために、リスクは分かっていてもそこに留まるしかない方がほとんどだと思います。それでも、「リスクを避ける事」の優先順位を下げる事は決してしてはいけない事と思います。まして教育現場では。
Posted by マツシタ at 2012年03月09日 13:39
新発田市も瓦礫の受け入れを正式表明するようです。
http://www.nhk.or.jp/niigata/lnews/1033598491.html
ついこの間まで新発田市は、将来的には受け入れたいが現在は難しい、という方針だったはず。何が新発田市長を決心させたのですかね?
あと、泉田知事も、以前私が予想したように、なんだかんだいって受け入れを容認しそうですね。あの人は以前、瓦礫の受け入れは県内各自治体の判断に任せる、てな事を言って、瓦礫受け入れの判断を事実上各自治体に丸投げしておりましたから。
http://www.nhk.or.jp/niigata/lnews/1033598491.html
ついこの間まで新発田市は、将来的には受け入れたいが現在は難しい、という方針だったはず。何が新発田市長を決心させたのですかね?
あと、泉田知事も、以前私が予想したように、なんだかんだいって受け入れを容認しそうですね。あの人は以前、瓦礫の受け入れは県内各自治体の判断に任せる、てな事を言って、瓦礫受け入れの判断を事実上各自治体に丸投げしておりましたから。
Posted by 新潟県民 at 2012年03月09日 18:34
BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」拝見しました。
以前、チェルノブイリでのインタビューを見たのを思い出さずにはいられませんでした。
将来の夢を語る子供たち、また何年後かにBBCが取材しに訪れるのでしょう。
そのとき、取材に応じていた子供たちは元気でいるのか....?
そういう意図を感じました。
海外から見た福島、いえ日本はでしょうね、
チェルノブイリなのです。
関東在住ですが、子供が公園で遊ぶのも気軽にできませんし、砂場は禁止。
2歳9カ月の息子は砂場に入っていいか必ず私に聞きます。
まだきちんと教えていないのですが、母親の気持ちは感じるのでしょうね。
でも、そんなことをしても意味がないのかもしれません。
日々のごみの焼却、がれきの拡散、汚泥のコンクリート使用、
すべて最初が肝心だったと思います。
でも、今からでも出来ることはやるべき!
東電の裁判の『無主物』、この判決をくつがえしたい。
それまで、ためておいて、いつか東電の敷地に返したい。
何百年後の子孫のためにも。
以前、チェルノブイリでのインタビューを見たのを思い出さずにはいられませんでした。
将来の夢を語る子供たち、また何年後かにBBCが取材しに訪れるのでしょう。
そのとき、取材に応じていた子供たちは元気でいるのか....?
そういう意図を感じました。
海外から見た福島、いえ日本はでしょうね、
チェルノブイリなのです。
関東在住ですが、子供が公園で遊ぶのも気軽にできませんし、砂場は禁止。
2歳9カ月の息子は砂場に入っていいか必ず私に聞きます。
まだきちんと教えていないのですが、母親の気持ちは感じるのでしょうね。
でも、そんなことをしても意味がないのかもしれません。
日々のごみの焼却、がれきの拡散、汚泥のコンクリート使用、
すべて最初が肝心だったと思います。
でも、今からでも出来ることはやるべき!
東電の裁判の『無主物』、この判決をくつがえしたい。
それまで、ためておいて、いつか東電の敷地に返したい。
何百年後の子孫のためにも。
Posted by ちょこママ at 2012年03月09日 19:37
結局、増えているんですかね、
健康被害。
今の時点で既に。
東電・政府は、隠さないで言って欲しいですね。
福島第一の事故の前後比での比較でどうなのかと。
それと、
この問題、悪党を法的に罰しないとどうしようも
ならないんだろうな。
ふつうの国なら、東電の会長・社長なんか、
とっくの昔に、死刑だと思う。
健康被害。
今の時点で既に。
東電・政府は、隠さないで言って欲しいですね。
福島第一の事故の前後比での比較でどうなのかと。
それと、
この問題、悪党を法的に罰しないとどうしようも
ならないんだろうな。
ふつうの国なら、東電の会長・社長なんか、
とっくの昔に、死刑だと思う。
Posted by ちゃまいえ at 2012年03月09日 21:00
http://www.pnas.org/content/100/24/13761.full.pdf+html
100mSv以下での癌リスクが、統計での検出限界であると判断している根拠となる論文が上がっています。
全く根拠がないというわけではないのですが。いかかでしょうか。
100mSv以下での癌リスクが、統計での検出限界であると判断している根拠となる論文が上がっています。
全く根拠がないというわけではないのですが。いかかでしょうか。
Posted by yaranai at 2012年03月10日 16:00
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福岡県北九州市は、いったん釜石市からのがれき受け入れを回避しました。
しかし今行われている市議会において、自民党より「東北の震災がれきを
引き受けるべきだ」との提案が行われ、自民会派21名、公明会派10名が
賛成すればそれだけで通ってしまうそうです。
利権の亡者たちにとって、とにかく瓦礫はおいしい話なのでしょうね。
そのガレキ受け入れの北九州市議会採択が急きょ12日になってしまいました!
12日の10時前に北九州市役所となりの議員会館に集合して、 議会を傍聴しましょう。
多くの人が傍聴することでプレッシャーをかけましょう。 来れる方はぜひ参加して下さい。
とにかく阻止の方向で、多くの方に同調して頂けるとありがたいです。
傍聴に来て頂けるよう、ツイッターやFBでの拡散をお願いいたします。
また、各議員団にも抗議のメールお願いいたします。
●北九州自民党議員団
電話093-582-2652 FAX093-582-4950
●公明党議員団
電話093-582-2648 FAX093-582-2663
●ハートフル北九州議団(市長派)
電話093-582-2658 FAX093-582-4867
●共産党議員団
(「科学的見地から反対不可能」で受け入れざるを得ない考え)
電話 093-582-2646 FAX 093-582-4113
●北九州市環境局産業廃棄物監視室
電話093-582-2178
●北九州市長への手紙
(フォームから要望出せます)
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/cgi-bin/enquete/registEnquete.cgi?EID=5f8dd86f0a4b077d42620afab3db8ff7
http://www.asyura2.com/11/lunchbreak51/msg/958.html
「中華ナチズム」が台頭、蔓延している。
要は
http://www.blue-wolves.org/video-kaisetsu.html
のような、中華暴行組織が1985年以来、日本を闊歩しているのである。
↑
の方は、「赤い貴族」「中華版ナチス」といった主張で襲撃されているのだ。
「中華ナチズム」という定義は極めて興味深い。
肉食のナチス、といったところだ。
もちろん、「中華ナチズム」は、
1985年から官僚主導の「TPRプロジェクト」なる口封じ政策です。アメリカ型統治から中華ソ連型統治への変貌です。
1985年8月12日のJAL123便撃墜の際、警視庁の初期救助を自衛隊が撃沈することにより、警察公安を支配下に置き、
(御巣鷹の尾根にある警視庁初期救助部隊の墓)
http://www.asyura2.com/10/lunchbreak43/msg/696.html
「赤い貴族」→「官僚のTPRプロジェクト」→「自衛隊情報部隊」→「警察公安」→「暴力団、宗教、探偵社、警備会社」
のシステムで、日本国民への口封じ弾圧を行なっているのだ。
今の日本を見ていると、そういう言葉が浮かんできます。
3月9日 新潟日報朝刊
だそうです。
今日の新潟日報朝刊には、上の記事よりも色々詳しい事が書かれているのですが、新発田市の二階堂馨市長って曲者ですなぁ。新潟市の篠田、長岡市の森、三条市の國定、柏崎市の会田といった市長よりも、「げに狡き男」といった感じがします。この二階堂市長、県に対し、「被災地復興のために我々と一緒に協議し、リードしてもらいたい」と、いけしゃあしゃあと言ってのけたのですと!
安全と騒いでいる方々が、暫定処置として基準を超える食料を引き受けるという方法で福島の生産者は救えますし、もし、彼らの主張が正しいのであれば、5年後に何ら被害もないことが自らの行動によって証明されます。
東電とその関連会社、政治家・公務員の家族を加えれば、数万人~十数万人に届きます。
基準値越えの野菜が余るということもないでしょう。
さらに、福島に移住を促進すれば、人口減少で困るという村・町・市・県の悩みも解消します。
どうか安全派のみなさんは、福島への移住を考えて下さいと私は言いたい。
もちろん、私は安全とは言いがたい派なので、一時的でも福島やその周辺から避難できる法的な処置を期待している。
“取り越し苦労だったね!”とピエロになるのは笑い話だが、被害者がでれば笑い話にもならない。
1万倍だったら、即死、あるいは、直ちに健康被害があるんじゃないでしょうか。
いくら数字に弱くても、自分の街の公表されているCsの濃度を1万倍で電卓で計算でもしてみたら騙されなかったのに・・・・
そして、『昔は1万倍だったから、もうニュースなんて見ないで今までどおり普通に生活したらいいのよ』と、主婦レベルから風評が流れていきました。
多くの人がまだこの暗示にかけられたままです。真実が早く全員に届きますように。
先生のブログはアクセスが多いので、これで放射能に興味がない人にまで情報が行き届くことを願っています。
せっかくなので幾つか、情報を加えさせて下さい。
①文部科学省の放射線審議会前会長の「中村尚司」さんは、小中高向けの放射線についての恐怖の「副読本」をまとめた1人です。
(副読本に対するの私の評価)
http://blog.livedoor.jp/hardthink/archives/51884339.html
②食品の新基準でもEUは輸入拒否を継続しました。その汚染食品が国内に流通していることを国民全体が知るべきしょうね。
(EUが食品の輸入を拒否についての私の評価)
http://blog.livedoor.jp/hardthink/archives/51916551.html
院長先生のブログをお借りして申し訳ありませんが、以下のビデオの13:00あたりをご覧ください。
「子供は1キロあたり37ベクレル以上の物を食べてはいけません。これは70ベクレルもありますよ」と言っています。
http://www.youtube.com/watch?v=SUP035x9d84&feature=player_embedded#!
「チェルノブイリ原発事故その10年後」
(↑こういう良心的な番組は即効消されるので、皆様、保存しておきましょう。)
しかも、この番組は過去にNHK BS1で放映されていました…。それが自国の事故となると、とたんに手の平返したように「安全だ、風評被害だ、食べて応援だ」です。NHKのスタッフは、恥ずかしくないのでしょうか? 今後、どういう子供たちが増えるか、貴方たちはわかっているはずでしょう?
江戸時代ならともかく、現代はこういう記録も残せるし、あっという間に世界の果てまで情報が届く時代です。海外に住んでいる日本人や、海外に友人がいる日本人だって多い。いくらネット情報規制しても、電話や手紙で、事実を拡散することだってできます。
今や東北関東だけではなく、沖縄含む日本全国の農作物・海産物を輸入禁止としている国も増えているというのに、マスコミも政府も経済、経済と言いながら、自分たちの手で「風評被害」を生み出しているとは思わないのでしょうか? 自治体も、とりあえず目先のお金だけ入れば、後の事はどうでもいいのでしょうか? 京都など、瓦礫を受け入れたら、観光業界大打撃必須だというのに。どちらが本当に得か、考えればわかると思うのですが…。
ここまで来ると、本当に、トップの人々は、日本を破滅させたいのではないかと思ってしまいます。
全国一律に福島と同じレベルの深刻な内部被曝にさらされるということでしょう。政府は汚染食品、汚染肥料、汚染がれきで全国をくまなく汚染させたいのでしょうか。
福岡市では、食品の汚染を測定する団体「放射能市民測定室・九州 Qベク」が4月にスタートする予定です。Qベクは市民・法人からの寄付を募っています。協力していきたいものです。
http://q-bq.com/
以下は、コープとうきょうの組合員向けの
月刊の小冊子の貼り付けです:
http://tokyo.coopnet.or.jp/study/img/duo/201202/pdf/p11.pdf
コープとうきょうには子供が生れてから、
10年以上お世話になっていました。
でも、上の記事を読んで怒りに震えました。
この著者の意見はコープとうきょうの方針と同一なのか?確認したところ、YESの返事を受けました。
コープとうきょうとは、おさらばしました。
コープ(生活協同組合)って生活者の味方と思っていた私が間違いだったのですね。生産者を守るのか~。3.11以降自分の無知に呆れ続けています・・。